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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~実験島ネコジマ
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【不確定未来】
暗闇の向こうから届く、爆発音。直後、強く輝いた灯台の光に、溶けるように消えていく着ぐるみたちにいくらかの安堵を覚えつつも、
八神 修
は、目を伏せました。先ほどに爆炎の上がった方向へ、
壬生 由貴奈
と
屋敷野 梢
がよろめきながら、追撃を逃れて消えていくのを目にしていたので。
彼女らを救うことができなかったことを、自分の不甲斐なさを、彼は責めます。けれど……後悔に沈むのは、ほんの一瞬。
修はどんな状況にあっても、信じ続けているのです。運命を変えること、定められた結末を変更することは、いつだって可能であるのだと。
『
万能の卵
』は修の持つ特性を形と成し、変化したサブマシンガンは取り回しの優に加え、フルオートで放つ拳銃弾は着ぐるみたちの急所を撃ち抜き、そこへ修自身の持つろっこんを併用したのなら、目的を果たすに足りる力を確かに、自身は持ち得ているのだと。彼には、そう思えました……少なからず、その瞬間には、確かに。
「ああ……こ、怖かったぁ……!」
もちろん、まだ足はがくがく、手はぶるぶる。無理に浮かべた笑顔は引きつって……事のほかのんびり屋である
回田 はつな
ほど、この場にそぐわない人選は無かったかもしれません。しばらく本土の高校に通っていて、久方ぶりに寝子島へと戻ってきたところに出くわしたシーンにしては、あまりに唐突で、あまりに暴力的でした。穏やかな気質の彼女には、どうにも目まぐるしい光景です。
けれど目の前で、きょとんと首を傾げた、猫の着ぐるみ。つぶらな瞳は、あのぎらついた獣たちのそれに比べて何とも無垢で、はつなは思わず、ほうっと深い息を吐きました。
「ヘンな香水……猫になっちゃうなんて。でも、私にも使える武器があって、良かった~」
『変り衣の香水』などと、ご丁寧に使い方を記した資料までも一緒に拾ったことで、恐ろしいチェーンソーの刃を身に浴びることなく、はつなは窮地を免れました。香水瓶の香りをぷしゅんとひとつ噴霧すれば、なぜだか狐の着ぐるみは、目の前のとぼけた猫型へと変わってしまったのです。
「……あ、そうだ。良いこと思いついた~♪」
殺伐とした中でも、はつなは努めて明るく、笑います。
緩慢な足取りで顔を覗かせた熊や、愚直に前へ前へと歩を進める狼、木槌を背負い威圧的な虎……周囲へ無数に姿を見せる着ぐるみたちへ向け、ぷしゅ、ぷしゅっ。香りを数度噴きかけると、
(……うう~っ。怖いっ、死にたくない。生きたいよ、私……!)
あえて恐怖へ心を開き、気持ちを高めました。途端……びょうとはつなを中心に吹き荒れる、花の嵐。
「あ……や、やった~! うまくいったぁ」
舞う花弁にあおられた空気の流れが、空中へ噴霧した香りをかき回し、着ぐるみたちへと拡散していったかと思えば。ぽん! ぽぽん! 恐ろしい狼に熊に虎も、みんな煙とともに、愛らしい猫へと姿を変えていきます。
良く見れば変化した猫たちは、それぞれに少しずつ違っていて、個性があるようです。黒猫、白猫、三毛猫……着ぐるみへ香りを噴きかけるたび、そんな風に色んな猫へと変わっていくのが、はつなは何だか、楽しくなってきてしまいました。ぷしゅん、ぷしゅんっと、軽快に香水を振り撒いては、彼女はその一匹一匹を観察していきます。
「あはは! 可愛いなぁ。よしよし……」
喉を撫でればごろごろと声を上げ、頭を撫でればにゃあと鳴き……はつなは、ぷしゅ、ぷしゅん!
もちろん、警戒を怠るつもりもありません。視界に狼の顔を見つければこっそり、隙を突いて近づいて、香水瓶を掲げ……。
「えいっ、猫さんになっちゃえ~……あれ?」
けれど。香りは当然にして、無限に噴き出してくれるものではなく、見れば瓶の中身は、からっぽ。
くるり。狼がこちらを向いて、まるで裂けるように口をにいっと吊り上げ、はつなを嘲笑い、
「え、あれ……ど、どうしよう。私……」
咄嗟に彼女が浮かべた表情は……ひきつった、笑顔。
「な、なんとか……しなくっちゃ。生き延びなくちゃ。私、だってまだ、何も…………」
「……伏せろ!!」
背後から響いた声に、震える身体はそれでも、どうにか動いてくれました。言われるままに地面へ屈みこんだ直後に、ぱぱぱ、と銃撃音……狼は血飛沫を上げ、ゆっくりと、あおむけに倒れ込みました。
「大丈夫か? ここは危険だ、すぐに移動しなければ……」
差し伸べられた手。間一髪での修の助けに、はつなは手を預けながら、にこりと微笑みます。
「……うん! ありがとう、私は大丈夫。うん、まだ私、大丈夫……大丈夫だよ!」
心配をかけるわけには、いかないので。
はつなが笑顔の裏側に隠した怯え、どうしようもなく震えてしまうほどの恐怖を、修も感じ取ったかもしれません。
「……灯台だ。上へ登ろう、ここで凌ぐよりはまだマシかもしれない」
「うん、分かったよ~!」
なけなしの勇気を振り絞るような、どこか胸の痛むような、笑顔。修に……というより、誰にも心配をかけまいと気丈に振舞う彼女を守ることは、修にとっても、果たすべき責任のように思えてなりません。
修は思います。
あの男
。これが彼の作る番組のひとつであるなら、そこにはもしかすると脚本があり、結末だって、最初から定められているのかもしれません。自分たちはただ、手のひらの上で踊らされているだけなのかもしれません。この番組は被写体となる彼ら全ての死をもって完結する、そんな悪趣味な番組であるのかもしれません。
けれど、心に決めています。
(……改変不能な運命などない。そんな結末など、俺は認めない……変えてみせる。変えられるのだと、俺は信じる!)
息を殺して歩を進め、できる限りに会敵を避け、時には道程の中で見つけた『
具象化する羽ペン
』で気を反らし、はつなの手を引き一気に開けた空間を横断。もちろん必要なら真正面から立ち向かい、サブマシンガンで撃ち倒し進むことも、修は躊躇いません。
修にはひとつの算段がありました。鍵はあの、灯台です。
「光源装置を操作し、あの光を常時発するよう細工する。そうすれば、敵は接近できない」
「そんなこと、できるの?」
「分からない……何しろ『原理不明の灯台』だからな。だが、試す価値はあるさ」
「うんっ、そうだよね! いってみよ~!」
はつなの明るさは、彼女がひどく苦労をして形作っているものであると、修にも分かっています。笑いながらに、彼女の肩は常に、小刻みに震えているのです……けれど確かに、冷静な修の落ち着いた心中には、その穏やかな微笑みに救われている部分だって、きっとあったのでしょう。
灯台の入り口らしき扉の鍵をろっこんで『分解』し、覗いてみれば、内側には螺旋階段があり、それを伝い上部まで登ることができるようです。
「よし、いけそうだ……」
「わ、わ! 来たよ~、着ぐるみさんたち!」
どこまで持ったものか、転がっていた自動車の扉をバリケードとして扉を塞ぎ、ふたりは螺旋階段を登ります。
ぐるぐる。ぐるぐる。ぐるり。
頂点部へと足をかけたところで、階下から、がん、と巨大な音が聞こえて、木槌を携えた虎頭がゆっくりと、こちらを見上げました。
登ってみればひときわに近く、巨大な、赤い月。
「…………空振り、か」
灯台の最上部には、直径数メートルほどの広さがありながらも、修の思惑を満たすようなものと言えば、何も。何も、ありはしませんでした。光源を操作するための機材も、あれほどの閃光を発するための、強力なライトも。
ただ、ゆらゆらと揺らめく炎のようにあやふやな光が、円形の空間の中央、空中でオーロラめいて色を変えながらに、漂っているだけ。
「良い案だと思ったが……すまない」
「で、でも……! ここにいるほうが、下にいるよりはずっといいし……ちょっとは、ほら! 安心できるかもっ」
はつなはそう言って、笑います。健気に。修の胸は再び、ずきりと痛みました。
ざり、足音に振り返れば……落ち窪んでぎらつく瞳。虎の着ぐるみと、付き従うように数体の狼が、物言わず佇んでいます。
「…………えいっ! こっちだよ~!」
直後に、はつなが、おもむろに取った行動。修はそれを、予想だにしていませんでした。
彼女は香水瓶、今はもう空になってしまったそれを着ぐるみの頭部へと投げつけ、さらには片隅に転がっていた短剣を拾い上げて構え、挑発し、気を引き始めたのです。
「っ、バカな真似はよせ!」
「こ、こっちだよ~、狼さんたち、虎さんたち!」
修もサブマシンガンとろっこんを併用して蹴散らし分解するも、続々と登りくる着ぐるみたちの興味は、他ならぬはつなのほうへ。
「私のほうが、美味しいよ~……ほら! ど、どうしたの? 食べて、みなよ~……!」
おっとりとした彼女に、それほどの行動力が眠っているとは、思いませんでした。彼女自身にすら、意外であったかもしれません……はつなは自分を守るより、ついさっき顔を合わせたばかり、けれど一度でも自分を救ってくれた恩人の命を、たとえそれがたったの数秒であったとしても、長引かせることを選んだのです。ちっぽけな短剣ひとつで、運動音痴の自分に、何ができるとも思わないままに。
「こっち……こっち、おいで……っ、う、ううゥ。う、わあああ……っ!!」
ぽろぽろ、堰を切ってあふれ出した涙も拭わず、やみくもに刃を振りかざしながら、それでも無理矢理に、歪な笑顔を浮かべて。
(ああ……そうだな。そうだよな)
そして修は改めて、心に刻みます。
変えられない未来など、どうあっても認めはしない、と。
「そうさ。どこかで見ているのなら、言っておく……あなたのシナリオ通りにはさせませんよ。決して、ね」
木槌が頭部をかすめた衝撃に、遠のいた意識。ぐらりとよろめき床へ倒れ込んだはつなが、それ以降に繰り広げられた展開を目にすることは、ありませんでした。
唐突にがらがらと崩れ落ちてゆくのは、灯台内部、螺旋階段。修の視線が分解し、瓦礫となって崩壊したそれは多くの着ぐるみたちを巻き込み階下へと落下、重力と衝撃をもって圧し潰し、ひしゃげた肉塊へと変えました。以後、殺戮者がこの最上部へと到達することは、恐らく無いでしょう。
残った狼たち、それに虎面の怒りに満ちた瞳が今更ながらに修を睨み、恐るべき重量の槌や赤錆びた包丁を手に迫るも……時すでに遅く。
「結末は常に、改変可能なのさ。だから……生きてくれ」
修は縁へと立ち、目を伏せ、傾く身体もそのままに。自由落下へと、静かに身を任せました。
直後。迸った白光は渦を巻くように夜闇を裂いて伸び、最上部へ残った虎や狼どもを、根こそぎ塵と化し。光は眠りに落ちたはつなの頬をも七色にきらめかせ……その表情は、どこか安らかで、穏やかなものに見えました。
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SF・ファンタジー
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20人
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20人
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シナリオガイド公開日
2016年01月14日
参加申し込みの期限
2016年01月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月21日 11時00分
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