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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~実験島ネコジマ
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【綻び】
最後の審判。その時が訪れたのだと。そんな表現こそが、今、自分を取り巻くこの光景を表すに、ふさわしいのだと。
天涯孤独となってより、
朝鳥 さゆる
を支配してきたものは常に、快楽です。厭世的に、半ば自暴自棄に重ねる情事にはすっかり慣れ切っていながらも、にわかに心の隙をいくらか埋めてくれるだけの快楽を伴うことは確かであり、さゆるはそこへ溺れました。破滅へと真っ直ぐに向かう道であると自覚しながらも止められず、止めようとも思わずに、ひたすらに貪りました。
自身にとって、そうした直接的かつ享楽的な振る舞い以上に昂りを感じるものが存在することを彼女が知ったのは、ごく最近のこと……もっともそうと気付いていなかっただけで、それはとうの昔から、もはや引き返しようもないほどに、さゆるの内側へと浸透していたようです。
(……ああ。こんなにも)
気持ち、イイ!
医者を志したことなどなく、そんな知識など持ち合わせてはいないはずが、さゆるには手にした短刀、手術用メスのような鋭利な刃を着ぐるみどものどこに挿し込めば動きが止まるのか、赤い飛沫を綺麗に噴き上げられるのかが、手に取るように分かりました。もはや感覚的なほどに慣れた手さばきは、気付かぬままに蓄積された
経験
によるもので、今や
自覚し
受け入れるに至ったそれは技術の極致として昇華し、着ぐるみを包み込む毛皮の内側、確かに存在する骨格の隙間へするりと刃を滑り込ませ、紅色の奔流を生み出しました。
幾度となく、そうしてきたように。
「痛ッ……」
とはいえ彼女の業はいつだって一方通行で、寝ている隙に、とろけるようなピロートークの合間に、あるいは交合そのもののさなかに、見知らぬ男らの気付かぬうちに事を済ませるのが肝要であって、刃物を持った相手と真正面から対峙し渡り合うのに長けているとは言いがたく、赤錆びて鈍い包丁は時にさゆるの二の腕へ裂傷を刻み込み、銃弾は脇腹を食い破り、緩慢に振り下ろされる木槌を避けたところで、恐るべきチェーンソーはさゆるの肩口をいくらか削ぎ取っていきます。
それでも。
「ン…………あァ……ッ!」
彼女は艶やかに微笑んで、紅潮した頬やうっすらと浮かんだ汗の滴はまさしく、組み伏せられるがまま男を受け入れる時に自身を埋めるあの快楽を愉しむかのようで、短刀を振るい喉を切り裂き、眼球へと突き入れ、胸元へと突き立てれば、実に性交にも勝る悦楽をさゆるへともたらしました。
今夜とて本来なら、いつものように鬱屈とした気分を抱えたまま、薬で夢も見ないほどの泥のような眠りを貪るだけ、何の変哲もない夜であったはずが、気付けば。眠ることすらかなわないと嘆くどころか、さゆるは、
(ああ! こんなにも……たまらない!)
脳髄が沸騰するような。あるいは下腹部から燃え上がるような。恐怖が狂気となり、狂気が自らの力と変わるのを、彼女ははっきりと感じました。
このまま……終わる、その瞬間まで。
真っすぐに、堕ちていくだけ。
骨削 瓢
の耳に届く、この荘厳な響き。愉悦をもたらす、素晴らしいメロディ。
それらは得てして誰かの悲鳴であり、島の名残が無残に砕かれる破壊音であり、双方の断末魔でありながらも、彼には確かに、はっきりと、
「ん~~~! こらまた、愉快な音色だねぇ」
心躍る音楽は、今や直接的な絶望が支配するこの島にあって、瓢に憩いをもたらしてくれました。
そしてその感性は瓢にとって、持ち前の性であり、他ならぬ武器でもあるのです。
「おっと。来たキタ♪」
鉄骨の切れ端のようなベッドから飛び起きると、するりとその下へ潜り込み、くすくすと笑いをこぼしてしまいそうになるのを自制しながらに、息を潜めます。彼の小柄な体躯は、狡猾さとそれを活かす立ち回りと相まって、身を隠すのに一躍買ってくれました。
超重を誇る武器のためかいくらか動きの緩慢な虎顔の着ぐるみを待ち受けては、それがただの一匹であるのを確かめるや、鋭利な短刀で腱にあたる部位を断ち切り引き倒し、即座に飛び出し馬乗りにのしかかって動きを押し込め、哄笑とともに腕を振り上げ、叩き付けるように突き刺します。刃を。何度も。突き刺します。何度も。何度でも。かき集めた幾つもの刃をひとつずつ。振り上げるたび。腕を叩きつけるたび。突き刺します。幾度でも。笑いながら。飽きるまで。息が上がるまで、突き刺しました。
拾った香水瓶もまた、意外にも、瓢の胸を満たすちょうどいい玩具となりました。突き刺すのに飽きたところで、針山となった虎面へ、香水をひと吹き。形を変えてやれば、また違った愉しみが生まれるというものです。道具を使うのには少々疲れたので、彼は直接歯を突き立て、肉を喰らいました。口腔を満たすのは鉄臭い血の味だけで、決して美味なるものでは無いながら、少なくとも彼は腹が膨れるよりも心の満足をこそ堪能しました。
常人をいくらか追い込んでやったところで、鮮血を前にすれば眉をひそめ、目を背けることに変わりはありません。瓢の持つ最大の武器とは、それらに対する躊躇という人間らしき自制が、まったく欠如していることです。さらには、単純な言葉で言い表すならばそれはひとえに狂気と呼ぶべきものでありながら、その上で策を弄する賢しさ、強かさを持ち合わせ、真なる狂気として自らを手放すことなく調和を保つことが、瓢という人格に備わる恐るべき才のひとつでした。
そして彼は常に、楽しむことを忘れません。それこそが生きる意味であると断ずるように。
「いやいや、楽しいお遊戯会にご招待いただいて、感謝するよぃ! その礼に……どら、ここはひとつ、派手な見世物を披露させてもらおうかい?」
保身など、瓢にとって何ら価値の無い、もっとも忌避すべき醜悪な行いに類するものです。この上は自身の肉体、命すらも種火のひとつとして、盛大な花火を打ち上げてやったなら、番組は実に見応えあるものとなり、またさらなる愉悦に餓える彼自身の欲求までも、すっかりと埋めてくれることでしょう。
それぞれに、求む滅びの指向性は異なりながらも、そんなふたりが同じ南東に位置する灯台のたもとへ身を寄せたのは、単なる偶然でしょうか。それとも何者かの、何らかの差配があってのことでしょうか。
もっともそれは些細なことで、そもそもふたりは互いに灯台円周のちょうど真逆に背を預けていて顔を合わせることもなく、疑問を追及する者もありはしませんでした。
「さて、さて。そちらもこちらも、寄っといで」
あえて着ぐるみたちに身をさらした瓢は、それらを潜り抜けて明かりのもとへたどりつくまでのわずかな間にも、切り裂かれ、打ち据えられて食いちぎられ、紛うことなき満身創痍。らんらんと輝く瞳、凶器を携え唾液を垂らす殺戮者らに取り囲まれながら、それでも彼は、誘います。
「そら、もっと近くへ。殺しにきなさいな」
片腕片足は折れ、臓器のいくつかは役を果たさず、見知った誰かの助けなど、望むべくもなく。
それがどうした? 狂気(あっし)はここに、まだおるぞ?
残った片腕、地に積もった瓦礫から抜き出した手のひらが吊るす、破けた布袋からするりとこぼれおちたのは、導爆線。
袋の中には、ぎっしり。山と詰まった、プラスチック爆弾。
「それでは、皆々様。おやすみなさい」
そうして直後に巻き起こった爆発は、着ぐるみを、瓢自身も巻き込みながら、その場にあって唯一の確かな建造物としてそびえる灯台、その基幹をも吹き飛ばして倒壊へと導き……頭上から軋んだ音を奏でながらに降り落ちてくる残骸をぼんやりと見上げ、さゆるは、ほう、と深い息を漏らすのです。
彼女もまた四肢に刻み付けられた傷は浅くは無く、血だまりに沈み、ぴくりとも動けずに、ただ、薄く。微笑んだだけ。それは安堵か、自虐の笑みであったのか、悟る者はもはやありはしません。
さゆるはただ、暗く、ゆっくりと染まっていく視界に、つぶやきました。
「独りよがりのコメディも、これで……おしまいね」
死は大様にして苦痛を伴い、それを外から眺める者にさえ時に、顔を背けさせるほどに辛辣です。
けれど、間違いのないことがひとつ。
彼らは確かに、この瞬間。人々がすべからく苛まれるはずの苦痛から、解放されました。永遠に。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月14日
参加申し込みの期限
2016年01月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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