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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~実験島ネコジマ
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【血、および魂】
ずっと、気配を感じていました。じじ、じじじ……じいい、とカメラ・レンズがピントを合わせる音へ、
「……行くぞ。
リン
」
矢萩 咲
が呼びかければ。しゅぱん、青白い燐光が弾けて、虚空からひょいと姿を現したレンズ・キャッツを足元に伴い、再び波のように押し寄せる着ぐるみたちへと険しい視線を寄せ、振るいます。彼女は、剣を。刃は紫色、日本刀のような反り返る刀身を形成した光剣は、なぜだかやけに手に馴染みました。
「大丈夫、か? 矢萩先輩」
並び立った
御剣 刀
が言葉に含めた懸念は、もちろん、彼女の力量を疑ってのことではありません。互いに剣士、終末を体現するようなこの状況に、これほど背中を合わせて頼もしい相手も他に無いことでしょう。
心配は、先ほどからどこか自暴自棄に見える、咲の心理状態です。
「戦えるのか? 何かあったのなら……」
「問題ない」
当然のこと、彼女はそう断じます。
「問題ない、御剣君。大丈夫。戦える、咲は……アハッ!」
いくらかの、笑みすらも頬へ浮かばせながらに。
「『僕』なら、大丈夫さ……戦えるとも。斬るさ。斬ってやる。いくらだって、あいつらを……」
「……なら、いいが」
刀も、それ以上に追及することはしません。予感に従うならば、束の間の共闘相手がいくらかの不安定を抱えようとも、たどる道筋、迎える結末はそう変わらないようにも思えたので。
「それに、御剣君。咲たちは、この場で死ぬわけにはいかないだろう」
「胡乱路先輩……か」
深夜、唐突に始まるテレビ番組。ストーリーテラー。その姿が今夜に限っては見えず、代わりに聞こえてきたあの声には、ふたりとも耳に覚えがありました。まるで取って代わったかのような男の声に、少なからずあの
桃色髪の少女
と交流を持った人々は、その安否へと心を傾けざるを得ません。
「そうだな。彼女がどうなったのか、どこへ行ったのか。生きているのか……」
「ああ、咲は、確かめなければならない。この場を生き残って、尋ねなければならない……ふざけたあの男。待っていろ…………
新出府 譲
ッ!!」
飛びかかる虎顔、宙から振り下ろした木槌もろともに、咲は紫の軌跡を残しつつ駆け抜け、両断し。刀は凛と鯉口を切った日本刀、真剣を鞘走らせ、月光を照らす円弧の軌道を滑り、事も無く狼を逆袈裟に斬って捨て。
それは死闘と呼ぶにふさわしい、血煙舞う激しい戦いでした。
ぐるぐると胸の内を巡る負の感情に心を翻弄されつつも、小手先の手段を扱う冷静さを未だ保てていることを、咲は誰ともなく感謝します。
「リン!」
スマートフォンに映し出されるワンセグの画面には、瓦礫の陰、光の届かぬ暗がり、高所の向こうなど、咲にとっての死角を埋める映像が常に映し出されています。すっかり懐いたレンズ・キャッツは、自然と咲の意図を読み取ってか、手助けをしてくれているようです。
あの感覚。恐らくは……恐らくは、もはやこの世には無いのだろう、彼……
七峯 亨
の死を想えば、頭は沸騰し、光剣を狼の喉元へ突き込む手にも、力任せに脳天から唐竹割りにしてやるのも、蹴倒し踏みつけ首を撥ね飛ばしてやるのにも、必要以上の膂力がこもりました。少しでも気を緩めれば、ともすれば意識ごとどこかへ消し飛ばされ、ただ憎悪の塊となって、
「……ううゥ、あああァ!!」
ひたすらにこの肉の詰まった化け物どもを斬り捨てるだけの、自身もまた、化け物へと身を落としてしまいそうな。そんな感覚を覚えます。
「あああァ……ハハ。アハ……アハハ。アッハハハハハァ!」
いっそ、そうしてしまいたい。この戦いを、殺し合いを、素直に楽しんでしまいたい。欲求は剣を振るうたび、腕を斬り飛ばし足を吹き飛ばし、虚ろな眼球へ切っ先を突っ込むたび、常に咲を誘い、高揚は全てを塗りつぶさんと黒く広がります。
このおぞましい戦いを、咲は、楽しんでいるのだと。
「ああ……それが今は、無性にムカついているんだ」
画面の死角に映る眼光に気付き、ぐるりと反転。
「殺したな……貴様ら。よくも。よくも!」
くあ、と開いた狼の顎の中へ、躊躇なく拳を突き入れ、
「亨君を!! 殺したなァッ!!」
渦巻く衝動を解放すれば、黒い光条は頭部を粉砕してなお迸り、直線状の敵をまとめて貫き屠ります。
全て投げ出して、この憎悪に身を任せてしまえたら、どんなに楽だろうか。心からそう思います。けれど。
「……ぐ」
咲の豊かな乳房の上から唾液の滴る牙が食い込み、その奥で、みし、と異音。力任せに狼の頭部を引っぺがし、頸部から脇腹までを輪切り。みゃあ、と鳴いた黒猫の声に呼応するも、振り下ろされた木槌は肩口へ、今度ははっきりと砕けるような音が聞こえて、スマートフォンを取り落とし……いささか苦労しつつも、残った光剣を逆手で持ち上げ、虎面の頭頂部へと突き立てました。
「僕は……咲は……」
意識を手放しかけるも、地を踏みしめ、身体を留めます。彼女には、生き残らなければならない理由がありました。想い人。恩人。確かめなければならないことがありました。
「……でも…………そうか。咲は」
敵の残骸から剣を引き抜く余力が生まれず、それでも倒れず踏みとどまったまま、咲は目の前、壁のような群れを眺めます。
真っ先に浮かぶのは絶望より、謝罪の言葉。
「最期か……ここまで、なのか。すまない、亨君……胡乱路さん……」
もはや諦めたかのように顔をうつむけた咲へ、着ぐるみたちがどこか緩慢に各々の武器を向けたのは、勝者の余裕か、あるいは奢りであったのかもしれません。
「……だがっ」
顔を上げ、瞳に宿る光、その未だ衰えぬ強さに敵どもが気付いたとて、彼らにできることなどありはしませんでした。
「タダでは……死なんッ!!」
最後の光条は、暗闇すらも切り裂くほどに漆黒で、紙のごとく殺戮者たちを貫きました。
あの、不思議な香水の効力でしょう。誰かが噴霧すれば、着ぐるみは無害な猫へと変わり、刀の視線の片隅で、それはまるで赤子のように丸くなりすやすやと眠っています。
着ぐるみたちにはどこか、それぞれに異なる役割を与えられているように見えました。どっしりと構えた熊型の着ぐるみはまるで父親のようだし、狼型は少しやんちゃな長男で、ふくよかな虎型はあたかも母親役。猫型は……やはり、彼らの末の子どもで、赤ん坊なのでしょう。あの武器さえ携えていなかったなら、殺戮に興じる気質でなかったなら、どこか外国のホームドラマを動物に置き換えたような、あたたかい光景が描かれていたのかもしれません。
背後に、機械音。やかましく駆動する鎖が回転し、刀の耳を打ち、ぴくりとかすかに眉をひそめさせます。
彼の慧眼は、すぐにも見抜いたことでしょう。狐型。チェーンソーを構えた、無邪気で小生意気な妹。着ぐるみたちの中でもあまり数の多くない、これが恐らくは、最強の存在であるのだと。
「……始めよう」
ぬるりと暗がりから現れた狐面は、にい、と口元を捻じ曲げ、まるで刀を嗤うかのよう。エンジンはうなりを上げ、重厚なチェーンソーを掲げながらも、狐は瞬時にその姿を夜闇の中へと沈め、獲物を狩らんと刀へ迫ります。
もっとも刀とて、速さを競うことには、やぶさかではありません。
「さあ、殺そう。俺の大切なものを傷つけようとする、あらゆるものを。俺の守りたいものを脅かす、全てを」
がちり。脳内に撃ち下ろす撃鉄が火花を散らし、刀は世界を置き去りに、加速します。
「この、凍てついた時の中で……」
かかとの付かない狐の歩きに、足音は伴わないようです。つ、と踏み出された足先、あるいは肩の動きや視線の揺れ、重心バランスの流れ……あらゆる視覚的情報を元に、攻撃の気配を読み取り、見切り、刀は地を蹴ります。
瞬間、彼の姿は狐の斜め後ろ。ちり、と鯉口が鳴った直後には既に、刀身は弧を描いて空を滑り終え。毛皮に包まれた足から、ぱしんと赤い飛沫が散ったのは、再び刃が鞘へと納められてより後のこと。
けれど、
(……! 浅い)
背を反らす動作にコンマの遅れもあれば、刀の鼻は根こそぎ削がれていたでしょう……横薙ぎにチェーンソーを振り抜きながらも、外すとみるや狐はすぐさま飛び退いて間合いを計り、暗がりの死角へと身を潜めます。そして、笑いました。刀を。
刀の神速とも呼ぶべき居合い、加速能力に、狐は負けず劣らずのスピードで踏み込み、地を擦りながら回転刃を斬り上げ、身をかわした刀の袖口をかすめて肉を削ぎ取り、再び死角へ。刀はぐっと身を低く沈め、柄へ添えた右手は弾けそうなほどに張り詰め、神経は冴え渡り……再び、背に駆動音。そのひと鳴りのみを頼りに身を翻し反転、左足を踏み込みながらに刀身を鞘に滑らせ抜刀、逆袈裟に斬り上げ狐の胸元へ一閃。血煙上がるも間髪入れず、軸足を支点に一回転、遠心力を乗せた横薙ぎは、けれど鎖刃の機関部によって受け止められ、狐の反攻は刀の腿をいくらか削ぎ落し、脇をすり抜け様に首筋へ際どい一振り。身をひねり致命の一撃を避けながら、刀は地を這うほどに身を屈め、踏み出した右足をレールのように見立て標的を見定め、瞬間。地を水平にスライスするほどに低く、鋭く。
転げながらに振り抜いた刃を鞘へ納め、ちゃ、と鳴れば、狐は片足を吹き飛ばされ、瓦礫の上へと倒れ込みました。
同時に、刀はひとつ息を吐きつつ、油断なく身構えます。ろっこんによる加速、その瞬発力は凄まじいものがあれど、持続性には欠けました。そして狐は片足を失いながらも、チェーンソーのグリップをくわえた歯列で支え、両手で地面を這い、刀へと追いすがります。先ほどのスピードをいくらか奪うことには成功したものの、少なからずでも退くつもりがあるようには見えません。
「……負けられるか。速さで遅れを取るわけにはいかないんだよ」
斬り裂き、削り取られ。断ち落とし、削ぎ切られ。
おびただしい失血に目の前がかすみ始めた頃に、刀は砕けて用を成さなくなった鞘を投げ捨て、弓引くように構えた刀身を、ようやくにして、渾身の力を乗せて突き入れました。狐の胸元、ど真ん中へ。
反撃を受けてはかなわないので、おまけに蹴りを加えて突き放し、倒れ込んだ狐から視線を外さないままに、正眼へ構えます。
「…………?」
けれど、待てども。狐が起き上がるそぶりは、一向にありません。
「おい……てめえ。何、終わった気になってんだよ……」
剣先はぶれず。決して、ぴたりとも。それは、刀の意地でした。意識は遠のこうとも、闘志だけは散らすまいと……それは刀の、尽きぬ気迫のたまものであったことでしょう。
無数の傷より滾々とあふれ出る生命が、肉体の精神への追随を、もはや許さなかったとしても。
「……俺はまだ、生きてる。負けてない。立てよ……俺はまだ、たたかえ、る…………まだ…………けん、を………………ふるえ……………………」
刀はついに、自らの肉体へ、膝を折ることを許しはしませんでした。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月14日
参加申し込みの期限
2016年01月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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