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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~実験島ネコジマ
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【あなたの夢は、なんですか?】
矢萩 咲
の、
御剣 刀
の死……あるいはその魂の、終わりが輝かせた光。灯台から放たれる原理不明の光が波動となり、周囲に群がる殺戮者たちをことごとくに消滅させていく様を横目に。
少しばかり浮いた心の片隅で、
壬生 由貴奈
は思い出していました。おぼろげな記憶。つい数時間も前、いつもと同じ夜に、いつものようにラジオをつけっぱなし。机につっぷしたままにまどろみ……。
そのさなかに、聞いた気がするのです。ラジオのスピーカーから唐突に流れ出る、男の声を。
「……おっと。お前さん、随分と退屈そうにしてるじゃないか? ならどうだい、ここはひとつ、ちょっとした実験に付き合っちゃあくれないかね。何、そう手間は取らせないさ。ほんの少し、俺のために時間を割いてくれるだけでいい。それだけで……」
「どーっかで、聞いた気がするんですよねー。あの声!」
ご、がん、と盛大な破壊音で、由貴奈はふと我に返ります。
「やっぱり、あの人なのかなー……まー今はとにかく、生き延びることが先決ですけど!」
屋敷野 梢
の能力は、こういった状況に直面しては、なかなかに万能であると言えました。蝶に姿を変えてひらり、身をかわしたり、ちょっとした瓦礫を蝶に変えては頭上高くへ飛ばし、能力を解除し落下させれば、死角からの攻撃手段ともなりました。
再び波状となって押し寄せ始めた着ぐるみたちを前にしつつも、梢はあっけらかんと、不敵に笑みを浮かべてみせます。
「みんなで頑張って、生き残って! あの声の人をフルボッコにしちゃいましょー、ねっ、壬生先輩!」
「……うん。そうだねぇ」
もっとも、この後輩とは付き合いの長い由貴奈には、それが無理に絞り出したカラ元気であることが分かりました。
周囲には、瓦礫の山。自分が今踏みしめている、この大地……かつては寝子島を構成していたはずの、懐かしい残骸たち。あたりにはそこらじゅうに死があふれていて、見渡せば武器の類も容易に見つけられたものの、抗う手段としてはあまりに貧弱なものに見えました。
あの赤い月を穿つほどには、とても。
「まるで、世界終焉のシナリオだねぇ」
拾い上げた小銃は、最初から赤黒く血塗れ。セレクターをセミオートに、こちらを向いた熊顔の脳天めがけ狙いをつけ、引き金を絞ります。機械いじりの趣味や、集中力や、繊細かつ精密な感覚が幸いしたのか、由貴奈には狙撃の才があったようです……赤い花が、ぱあんと儚く散りました。
由貴奈も梢も、揃って身体能力に優れているわけではなく、自然と灯台の側へと身を寄せながらに、他の仲間たちがどうにか着ぐるみたちに抵抗する横合いから、敵の群れとは距離を取りながらに攻撃を仕掛けます。
「散り散りになっては総崩れとなってしまう、皆で協力し合うんだ!」
手にした機関銃から放つ銃弾を的確にヒットさせながら、周囲へ呼びかけることも忘れない
八神 修
などは特に頼もしく見えて、ふたりは彼とも協力しながらに、銃弾で貫き紅花を咲かせ、瓦礫を降らせ圧し潰しました。
「うん……思いっきり、死ぬまで足掻いてやろうかな。それじゃ、うちらも頑張ろっかぁ、こずえちゃん」
「もっちろんですよー!」
梢は襲い来る狼たちの肉切り包丁から蝶となって身を離し、半ば砕けた学校の机や、寝子島駅前と書かれたバス停や、どこかの家で使われていたのだろう壊れたパソコンを脳天直下へ落下させ、動きを止め。由貴奈はそれらへ小銃による狙撃で確実な止めをもたらしながらも、足元に転がっていたオートマチックの拳銃を拾い上げ、至近に飛びかかろうとする虎頭へと連射し吹き飛ばします。
「……ああ。そういえば」
身をひねり、トリガーを引き絞る傍らにふと、灯台へ記銘された言葉が目に入り、由貴奈は、
「こんな名前、あったよねぇ。囚人が、監獄か何かから脱走する映画。トンネルの……」
三つの灯台にはそれぞれ、なぜだか、名前がつけられているようです。北側にそびえる一本は、『トム』。すぐ側の南西の一本は、『ハリー』。南東側は、『ディック』。記憶のどこかで、聞いたような響きでした。
「確か、脱走に成功したのは、『ハリー』だったっけ? ならここは、験を担ぐにもちょうど良かったかもね……」
「……壬生先輩!!」
梢の叫びに緊迫の色が混ざったと意識が追い付く前に、脇腹に激烈な熱。痛み。金切り声のような機械音に気付いたのは、直後のことです。
暗がりの死角から伸びたチェーンソー、刃にこびりついた赤い模様が自らの身体から噴出したものであることに思い至り、由貴奈はぼんやりとしながらも自然と腕は動いて、拳銃の銃口をぴたり、狐面のらんらんとぎらつく瞳へと向け。
「痛いなぁ。まったく、もう」
弾倉が空になるまで、引き金を絞りました。
嫌なものです。当然のごとく、見知った誰かがこんなにも、不気味な着ぐるみなんかに殺されていくところなんて。カラ元気は得意な梢だって、沈み込んでしまいます。みんな、誰にだってひとりひとり、大切なものがあるのに。彼にも、彼女にも、あったはずなのに。
胸をえぐられるようなこの痛みは、芯から凍えてしまうような心の寒さは、手足に負った削ぎ取られるような荒い傷がもたらすそれよりも、何倍も辛い苦しみでした。
それでも。
「……よしっ! そーいうの、終わりっ!」
ずるり、ずるりと、感覚の無い足を引きずりながら、重たくのしかかる由貴奈を支えて、梢は歩きます。
「こういう時は、弱みを見せたらダメです。こういう時こそ、しっかりしてないといけないんです。だから、ほら、元気出していきましょー!」
「……うん。でも…………うちの前、では……泣いても…………いいんだよ?」
ずるり。ずるり。飛び跳ね翻弄し、暗がりに潜り隠れ、再び飛び出し襲い来る狐の頭蓋を砕くのにひどく苦労をした末、満身創痍の由貴奈を肩に担いで、梢はゆっくりと歩きます。激戦の真っ只中に飲まれた灯台からはいくらか離れて、灯りは届かず周囲は暗いものの、不気味な月がほんのかすかに足元を赤く照らして、どうにか前へ進むことはできました。
「……私が、ですか? いいえー、泣いたりしませんよー?」
声が、震えていませんように。梢は祈ります。もっともこの先輩にはとっくに、見透かされているのかもしれないと思いつつ。
梢の弱虫は、決して表には出ないものです。出すものかと心に決めたものです。弱みを見せてしまったら、優しい誰かが、また傷ついてしまうかもしれないから。
本当は怖くて、今にも泣き出しそうで、震えてうずくまってしまいたいのに。甘えて、すがって、泣きじゃくってしまいたいのに。こんな時にまで、自分は強がって……甘えるのは、どうしても、どこまでいっても、下手くそなのです。強がって、強がって、虚勢を張って、張り続けて……だから可愛げが無くて、モテないんでしょうねー! そしてまた梢は、自分をそんな言葉で、苦々しくも笑うのです。
「そーやって、ずっと……もう死ぬまで、きっと。治らないんですよ」
「…………そっ、かぁ……」
がくん、と由貴奈の身体から力が抜け、ふたりはへたり込むように、ひしゃげた金属塊に背を預けながら、その場へ腰を落とします。振り返れば、それは千切れて転がった、あの大観覧車の成れの果てであるようです。
真っ青に血の気を失った由貴奈の頭を膝に乗せ、梢もまたぴくりとも動けずに、ただ、空を眺めて。ぽつり、つぶやきます。
「私ねー……言ったことありましたっけ? 大きくなったら、お医者さんか研究者にでもなって、どんな病気でも治しちゃうような、すごい薬を作って……たくさんの不幸を、やっつけたいんですよねー」
「……うん……うん」
「それに、他にもいっぱい、したいこと、やりたいこと、あるんです。友だちといっぱい遊んだり、行ったことのない場所に行って、やったことのないことを楽しんで、それでそれでー……」
死んでいった彼にも、彼女にも、あったと思うのです。やりたかったことが。やり残した、そう……夢が。
梢は心の中でにこやかに笑う友人たちへと、問いかけます。
あなたに、夢はありますか……?
「だから……ね? ほら。簡単には死ねませんよね。壬生先輩だって。先輩とだって、これからも、色んなこと……」
「こずえちゃん」
突然に、やけにはっきりとした声。由貴奈が重たい首をもたげて示した先に……光。無数の、ぎらつく瞳。足音。はあ、はあと、生温く荒い呼吸音。そこらじゅうに。
すぐ側に、回転する刃の駆動音。
由貴奈の冷えた手が、ふと、梢に何かを握らせました。丸くごつごつとして、金属の冷たい感触。まるで小さなパイナップルのような、
「……!! これ……」
「うち、言ったでしょ? 最後まで……」
「死ぬまで足掻いてやる、って」
束ねた手榴弾のピンをぐるりと通した紐を託し、ひとつ、ふんわり。梢へやわらかく、微笑んでから……由貴奈は、ぴくりとも動かなくなりました。
「…………先輩」
託されたのが単なる紐であったのか、あの着ぐるみたちへの反抗心か憎しみだったのか。あるいは、希望か……願いであったのか。今となってはもう、尋ねる相手もありません。
だから、梢は。
「先輩。知ってますか? 夢ってね……時には人を傷つけたりもするけど、その分、同じだけ。助けてもくれるんです」
そう思うことにしました。願いであると。これは、彼女の……願い。あるいは、一抹の夢。何でも構いません。できる限りに引きつけ、なるべく多くを巻き込んで、そうしてこのピンを引き抜いたなら、その行いは結果として、他の誰かが足掻くための、わずかながらに貴重な時間へと変わるでしょう。
「少しだけ。不幸は、やっつけられそうです」
梢はいつものように眉を吊り上げ、いつものように不敵に笑い、紐の先端を握り込んだ手を、思い切り引きました。ぴーん、と鳴った音は、ざわつく獣たちの鳴らす喉音よりも確かにはっきりと、どこか澄んで小気味良く、月明りの下へと響き渡りました。
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3人まで
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ホラー
SF・ファンタジー
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20人
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20人
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シナリオガイド公開日
2016年01月14日
参加申し込みの期限
2016年01月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月21日 11時00分
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