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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~実験島ネコジマ
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【望むも望まぬも】
「……別に、ま。ウチはさ、ここで死んだって、構わないけどさ」
三方の灯台、そのうちの一角……遠く南東のひとつが音を立てて傾き、やがて姿も見えないほどに崩れ落ちた頃には、
七緒 璃音
もまた諦めの境地に至り、そんな風につぶやきます。もとよりドライな気質ではあり、いかにも救いの無いこんな状況へと放り込まれたところで、一体何の冗談かと愚痴のひとつもこぼしたくらいで、璃音はすぐにも諦観へ達しました。
「しかし、『女の子はヒーローに守られるヒロイン役で』……なんて言われたって、ねぇ」
といって、あの着ぐるみたちの前へと自ら身体を投げ出しされるがまま、早々に終わらせてしまおう……などと思うわけでもありません。いずれ訪れるのだろう結末には目をつぶるとしても、まるっきり抵抗を放棄してやるほどには、彼女は単純では無いのです。
「守ってくれるヒーローっつーか頼れるオッサンでもいりゃ良かったけどさ。これがいないんだわー……つーまーり!」
腰には拳銃。両手に構えた小銃のサイトに狼の左胸を収めて、ぐ、と引き金を引きました。
「自分の身は自分で守るしかない、ってわけね」
ど、と肩に当てたストックへ響く反動を抑え込み、向こうの熊にも一発。思いのほか至近に見つけた虎顔には、落ち着いて拳銃を引き抜き、二発。
腕に覚えなどありません。ことさらに、がむしゃら、是が非でも生き抜いてやろうという意思も。それでもこうして銃を拾い上げ、構えてみたなら案外と、銃弾は狙ったところへ飛んでくれました。死に焦らず、芯は冷えたままの頭や、あるいは好きなマンガやゲームにも多少なり、救われたところはあったのかもしれません……実際そうしたもので、銃器の扱いは見たことがあったはずです。
「……!」
加えて璃音には、いくらか周囲へ気を配ることができる程度の、精神的な余裕もまたありました。
「い、いやあああッ!!」
つんざくような金切声。見れば大きなリボンを頭につけた、恐らくは同年代と思われる少女……
毒島 虹子
が、足をもつれさせながらに駆けてゆくのが目に入ります。
後ろには当然、追いかける着ぐるみたち。
「いやっ、いやああァ……来ないで! 来ないでぇッ……」
「っ、しゃがんで!」
はっとしてちらとこちらを見た虹子、その向こうの暗がりに潜む、狐顔。咄嗟に頭を低く屈めたところに覗いた脳天へと、璃音は小銃の狙いをつけ、一発。外れ。二発、三発……弾倉の残り一発が貫通し、狐は瓦礫の壁へと赤い染みをぶちまけました。
「君、こっちへ! 協力してこいつらを……」
「いっ、やあッ……やああ、あああああ!」
替わりのマガジンを銃へ突っ込みながらに璃音は叫ぶも、虹子はリボンを揺らしながら、青い顔で、泡を食ったように見当違いの方向へと逃げていきました。
追いすがる着ぐるみへと、再び狙いをつけたものの、
「……ありゃ。行っちゃったよ」
にわかに訪れた、気の遠くなるような静寂。長くは続かないだろうその中で、璃音は、苦く笑います。
「結局、ひとりっきりかぁ……」
別に、一時の連れ合いが欲しかったわけではありません。ただ、たとえば彼女が目の前で、あいつらに食い散らかされたりなんてしたら、いかにも嫌な気分になるだろうと思っただけ。
「単なる、ウチのエゴ。そんだけ」
言い切ってやったのは、誰に向けた言葉だったのか。璃音にも、良くは分かりません。
ただ、少しだけ……寂しさが、胸をよぎりました。
(ああ、もう! 最悪のタイミングだよ……)
ロベルト・エメリヤノフ
が投げつけたのは、トランプ……でありながら、それはマジック用の小道具で、投げれば木版程度なら容易く食い込むほどの切れ味を持ち、当然、着ぐるみの頭部へめがけ投擲すれば、動きを止めるに充分な殺傷力を備えます。最悪の、と言いつつも、そんな武器ともなるグッズを携帯していたことはひとつ、生にしがみつく彼にとって幸運であったのは確かです。
「危ない、スカラムーシュ!」
「っうわ!?」
咄嗟に名乗った偽名ながら、傍らで共闘する
日暮 ねむる
にそう呼ばれても、どうにか反応することができました。足元に打ち込まれた銃弾を派手に飛び越え、放ったワイヤーは高所で傾く民家の梁を捉えて彼を支え、振り子のように飛翔しながらに、トランプを一投、二投。颯爽と着ぐるみたちを屠る姿は、燕尾服にシルクハット……マジシャンたる彼の戦う様は、こうして周囲へと満ちる死の香りさえ無かったなら、華麗なショウにも見えたかもしれません。
「コスプレ姿で戦う羽目になるなんてさ。ついてないよ」
「はは。でも似合ってるよ、それ……っと!」
ねむるの銃さばきは達者で、血濡れの小銃を撃ち放てば狙い違わず。ロベルトはその頼もしさ、彼と居合わせたことに感謝しながら、同時に正体がバレませんように、と祈りながら、ハートのエースを狐顔の真正面へと投げ込み、倒します。
(はぁ……美少年と夜遊びなんて、するんじゃなかったよ。浮かれて調子に乗って、こんな格好まで披露して……)
スカラムーシュ。ある喜劇役者が好んで演じた、女と酒をこよなく愛する男。身分は低いがプライド高く、分不相応な見栄っ張り……似合いの名前だと自虐を込めて思うものの、かといって、ロベルトはこれが番組のさなかであることを知っています。幾度となく被写体となり、思うところはありながら、コスプレ趣味までも大っぴらに人目へ晒そうとは思いません。
(これ、生放送なのかな。試験放送、とか言ってたけど……)
ふと、思い出すのは冒頭、テレビから聞こえてきたあの声。幾度か聞いたことがあり、恐らくは知った顔の、あの男の声。
それに、
(……胡乱路は、どうしたんだろう。試験放送なんて、知ってるのかな。本放送じゃないから、いなかったとか……? それとも……)
思えば彼女とは以前に、ロベルトも持つ美少年嗜好について、
大いに語った
などということもありました。
その名が示す通りに胡乱な存在でありながらも、自分とはどこか近しいものとして目に映る、彼女。もはや見慣れた番組に、彼女の姿が見えないことには、何だか心がざわつくような感覚を覚えます。
(っ、余計なこと、考えてる場合じゃないや。今はとにかく、この場を生き残らないと……!)
そんな思考の流れの中でも、ロベルトは跳躍しつつ伸ばしたワイヤーを高所へと絡ませ、弧を描き滑空。宙から残るトランプの全てを円周上に投げ放ち、群れた狼たちをまとめて葬ると、着地ざまに地面へ突き立っていた小刃を引き抜き逆手に構え、反転。まさしくサーカスのマジシャンのごとくに、軽快な体捌きとともに立ち回り、流れるように敵を沈めていきます。
「どうせなら、思いっきり。魅せてあげるよ!」
あたりには、奇怪な着ぐるみたちの死体。武器を食い込ませれば、そこにははっきりと、肉の感触。噴き出す血はどこからどう見ても本物……彼らによって受けた傷の痛みも、また。
(あんまりにもリアルで、現実と区別がつかなくなりそうだ。それとも、これは実際にどこかに作られたセットみたいなもので、僕たちはそこに移動させられてる、とか? いや、それとも……)
数えきれないほどの敵を倒し、浅くは無い傷をいくつか受けながらも、身構えながらも、それでもロベルトは、ともすれば思考へと傾いていく自分を止められません。
気になることは、いくらでもありました。
(何にしても……そのうち境目も無くなって、これを番組だとも思えなくなりそう…………、……?)
そして彼は、ふと、ある考えにたどりつきました。
番組。現実では無いはずの光景。そのはずなのに……肌にまとわりつくような、このリアリティ。
(……それが、目的? そうなのか? 番組を、現実のものに……確か、言ってた。多くの人の興味を惹くには、どうすれば良いか、って……そのために?)
ただ、ロベルトにとっては不幸なことに、もっともらしい考察を思うさま深めるのには、残念ながら今この時がふさわしい場であるとは、到底言えなかったようです。
ぱぱぱ、ぱん、と断続的な射撃音。熊面の機関銃、その射線が切り裂いたのは、ロベルトが緊急回避手段として伸ばし、宙へと飛び退き滑空するための、ワイヤーそのものでした。
「あ……」
「スカラムーシュッ!」
ねむるの叫びも、惜しみない援護射撃も、救いとはならず。奇しくもロベルトが落下したのは、ひしめく狼たちの頭上、真っ只中。
「う、あ……や、やば……」
間近に、生温い吐息。ぼたぼたと床へ滴る唾液。餓えているのか、血走った瞳たちに囲まれて。
「や……いやだ! やめてよ、離し……ッ、離して! 助けて、助け…………痛ッ!! ………………!!!! …………」
彼の姿は、すぐにも群がる着ぐるみの海に沈み、見えなくなりました。
幾度か空を駆け巡った、あの光。灯台から迸る閃光の特性に、璃音とてとうに、気付いています。
「……そう。そうよね。あいつらに好き勝手されて、食べられて、そんなのよりはきっと、ずっとマシ」
小銃の弾倉は既に空、拳銃でどうにか場を凌ぎながらに持ちこたえてきたものの、残る弾丸は、チャンバーに装填された一発きり。
「そうすれば、さ。あの子だって……もしかしたら。ひょっとしたら」
生き延びられるかもしれない。助かるかもしれない。
灯台からは少しばかり離れたところ、目に付く誰かの姿は無く、着ぐるみたちも一時やり過ごして、璃音はひとり、ぺたん。地面へ腰を落とします。
手の中の拳銃を、まじまじと眺め……ゆっくりと。静かな面持ちで、こめかみへと銃口を添えました。
馬鹿なこととは思いながらに、願わずにはいられません。
「もし、生まれ変われるなら……次は、歪んでなくて、屈折してもなくて。ごく普通の人間に……」
死ぬ間際に何を思うのか、なんて想像しないわけでは無かったものの、驚くほどに平坦で、誰かへの恨みや儚い人生への悲しみや、理不尽な怒りも無く、それどころか全てが終わり楽になれるのだと、穏やかな安らぎすら感じている自分の心に、
「やっぱりウチ、ひねくれてるかな。ま、いいや」
躊躇いもなく。
「さよなら、クソったれた世界」
ぱん。
乾いた銃声、ひとつきり。
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SF・ファンタジー
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20人
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20人
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シナリオガイド公開日
2016年01月14日
参加申し込みの期限
2016年01月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月21日 11時00分
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