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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~実験島ネコジマ
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【夜明け】
残景は……あまりにも。もはや手の届かないところへと、遠ざかってしまったように思えます。
「……修、ちゃん」
事切れた
八神 修
は、それでもどこか満足そうに、まるで悔いはないとばかりに。あの狼たちに喰い荒されることもなく……
後木 真央
の目の前で、静かに、微笑むままに。
灯台から灯台へ。あの暗がりを、怯えながらに、真央はここまで進んできました。召喚した三毛猫がおーは頼りになり、いくらか先行しては見張り役をこなしてくれて、着ぐるみを見つければやり過ごし……時には拾った短刀や香水瓶でどうにか危機を脱しながらに、この場を目指して、一心に進んできました。友人との再会を夢見て。
それなのに。
「こんなのって、ないのだ……」
笑みを浮かべる彼は、最後に何を思ったのでしょう。あの高い塔の上に、何を見たのでしょう。死を前に笑うことができるほどの何かなど、今の真央には、想像もつきません。
足元にすり寄って、みい、と鳴いて心配そうに見上げたがおーを振り返り、こぼれかけた目元の雫を慌てて拭って、真央は、
「……知りたい。知りたいのだ」
思います。あまりに理不尽な、こんな状況に。知りたいことは、いくつもありました。
修は灯台の上、何を見たのか。なぜ、微笑みながらに宙へと身を投げ出したのか。そこには一体、何があるのか。
あの光は一体、どんな仕組みなのだろう。あの光を自分で輝かせる方法が分かれば、救われるのだろうか? もう、仲間たちも死なずに済むだろうか?
こんな思いをしなくても、良くなるだろうか?
「そうなのだ……全部全部、まだ、諦めちゃダメなのだ。真央ちゃんまだ生きてるのだ、がおーだっているし、他にも誰か友だちが生きてるかも、頑張ってるかも。助けなくちゃいけないのだ、そのために」
みゃあ! と、強い鳴き声。それが警戒と警告の響きであることを、先ほどに暗闇をともに潜り抜けた経験からも、真央は分かっていました。
肩から胸、腹へとかけて斜めに、激しい衝撃。熱が迸り駆け抜けた後に、痛みを自覚し始めてからようやくにして、真央はチェーンソーの甲高い叫びを聞きました。
ねこシールを自身に貼り付け重力を軽減、限りなくゼロへと近づけ、高機動を確保。加えてシールを射出し、着ぐるみへぶつけて重力を増大させ、動きを止めたところへ短刀を投擲。刃物を扱う技術は拙いながらも、
恵御納 夏夜
はそうしてどうにか、まだこの場に立っています。
(あの男は……胡乱路先輩に、何かしたんだろうか。無事だと良いけど。夏朝もきっと、心配してる……)
テレビから聞こえた胡散臭い、大いに聞き覚えのあるあの声は、試験放送、などと言っていました。これは、実験であるのだと。
瓦礫。殺戮者たち。多くの死。誰しも目を背けるような、この光景。
(本番で、寝子島を本当に、こうするということか……? 壊滅させる気、なのか? 『FO(Freaky Object)』を使えば、それも可能ということか)
気配に瞬間、跳躍。振り下ろされた木槌が瓦礫を砕くのを見下ろしながら、数本のナイフを直下へ一度に投擲。そのうちの二本が虎顔の肩を、片目を捉えて倒し、着地ざまに。
「いずれ必ず、対処する……覚えてろよ? 新出府」
この破壊は島のみならず、夏夜の依代にして大切な姉妹のような存在である夏朝や、彼女の大切なものを、軒並み失わせる蛮行です。今でこそ周りの影響か、いくらか丸くもなったとはいえ、かつては夏朝に『冷徹な僕』と言わしめた存在である夏夜は、当然にして、その要因を突き止め阻むことに躊躇いもありません。
夏朝を、守ること。それこそが本来あるべき、至上の存在理由。
そのためにも今は、とにもかくにも、この場を生き延びなければなりません。夏夜はねこシールの残数を逐一確認して把握しながら、手頃な長さの刃物も適度に拾い集め、慎重さを軸に立ち回ります。
「……!? あれは!」
そんな折でした。こちらへやってくる、彼女を見つけたのは。
「夏朝……ちゃん? やっと、見つけたのだ……」
ゆらり。ふらふらとよろめきながら。胸元はべったりと赤く染まって、顔に血の気は無く、精彩を欠いた、それは夏朝の友人たる真央でした。
その後ろから追いすがる影、チェーンソーを振り上げる狐をも目にして、夏夜は即座にシールを射出。あまり高いとは言えない命中率に、数枚を無駄撃ちしたものの、一枚が毛皮へと張り付き、最大の荷重をかければ狐は地へと伏して、夏夜はその首へとナイフを突き入れました。
ゆらり、倒れ込む真央の身体を受け止めて、
「真央! この傷は……手当を、すぐにっ」
「あ、夏夜ちゃん、なのだ……? あはは、良かったのだ~、探してたのだ……灯台、階段、崩れちゃってて……」
半ば血で固まりつつある、裂けた服の隙間を覗いて、夏夜は……言葉を、失くしました。
傷跡。今は動かない狐の、あの武器につけられたのでしょう。
(……ッ、!! これじゃ、もう……僕に、できることなんて……)
「夏夜ちゃん……お願いが、あるのだ~」
力なく。それでも笑みを浮かべて、真央は言います。
「夏夜ちゃんのシール、一枚だけ、分けて欲しいのだ。真央ちゃん、軽くしてほしいのだ……」
「こんな時に、何を……」
ふにゃりと笑い、真央は重たげに頭を上へ、まぶしそうに見上げて。指差します。そびえる、灯台の最上部を。
「灯台、きっと上に、何かあるのだ。あの光……あれ、どうにかすれば、みんな助かるかも……だから、真央ちゃんを、上に……届けて欲しいのだ」
儚い希望であると。夏夜にももちろん、分かりました。そんなことが可能なら、誰かがとうにやっているはず。それこそ、あの修なら真っ先に思いついて、実行していたはず……その彼の姿も、先ほどから一向に見えないまま。もしかしたら、既に……予感がありました。
けれど。
「…………ああ。分かった、貼るよ。シール」
「うん、ありがと、なのだ~」
夏夜は取り出したねこシールを、真央の背中へと貼ってやりました。傷ついた彼女でも、崩落した階段を使うことなく外壁を登っていけるよう、重量は最小に、羽のように軽く。
「……夏夜ちゃんも……こないのだ? 一緒に……上まで」
「ああ。僕はここで、あれを食い止めなきゃいけないからね。その間に、真央は上まで行くんだ」
狼。虎。熊、狐も。全てを薙ぎ倒すかのような怒涛の群れへと目線を寄せて、夏夜もまた、笑います。心配はかけないように。どうにかなるのだと思わせて、振り返ることなく、彼女が登っていけるように。
「無理しちゃ、ダメなのだ。夏夜ちゃん……真央ちゃんが、何とかするまで……死んじゃ、ダメなのだ……絶対、絶対……」
「うん、分かってる」
渾身の力を振り絞り、地を蹴ったなら、真央の身体はまさしく羽のようにふわりと浮かび上がり、たゆたいながらに、上昇していきます。
それを見送り……夏夜は。
「……ごめん。夏朝……」
夏夜をここまで生き永らえさせてきた頼みの綱、ねこシールの残数は、ゼロ。最後の一枚がたとえ真央の願いを叶えたとしても、夏夜があの着ぐるみたちを退ける望みはもはや、ひとつとて無いでしょう。
それでも……夏夜には、確信がありました。優しい夏朝もまた、同じ状況にあれば、きっと同じことをしたはず。夏夜を責めるどころか、ありがとう、そうしてくれて。さすが、夏夜ちゃん! そんな風に、言ってくれるはず。
手に何も武器が無いことに気付いて、そのあたりの瓦礫に立てかけてあった片刃の斧を両手に握ると、細身の身体で勢い良く振り上げて、
「さあ……! こっちだ、化け物ッ!!」
吠え、駆け出しました。群れへと、全力で。
(…………ああ。次に目が覚めたら、交換日記、書いておかないと。夏朝に、伝えておかないと……)
悪夢は覚めるのだと、そう固く、心に信じて。
かすむ目に映る闇を見つめて、真央は、つぶやきます。
「…………朝日が、見たいのだ」
よろけて壁に背を預け、そのままずるずると腰を落とし、座り込みながら、空を見上げます。赤い月を。
夜が明ければ、あれは消えるのだろうか。月も、瓦礫の島も、着ぐるみたちも、全部まとめて消え失せて、いつもの日常が戻るのだろうか。
その瞬間が、見てみたい。
「あはは。真央ちゃんやっぱり、自分のこと……ばっかり、なのだ……」
思います。いつも自分は、自分のことばかり。それに比べて、修や、夏朝や、みんな……躊躇なく人を助けられる彼らは、なんて強いのだろう。
灯台の最上で静かに眠る、安らかな表情の少女。修は結局、彼女を、最後まで守り通したのでしょう。
夏夜もまた、きっと自身の命を切り分けるかのように、真央の最後の我がままを聞いてくれたのでしょう。
誰かの命を守ることを誇りに、誰も彼も、命を投げ出していったのでしょう。
「……………………」
こぼれた雫を、今度は拭うことなく……その余力も、とうに無く。
首を垂れた真央は、そのまま。
こんな結末を、決して、望んだわけではありません。
ゆっくりと見開いた瞳。身を起こし、見上げた空の闇はいつしか薄らいで、赤い月は地平へと沈み、オレンジがかってまぶしいほどに輝き……ひとり。
回田 はつな
は、たったひとり。
差し込む光の帯を見つめて、締め付けられるような胸の痛みに耐えながら、ひと言。ぽつり、と。
「………………綺麗、だなぁ」
あふれ出した涙の粒を、はつなは、止める術を知りません。
ただ、ゆるやかに吹いたぬるい風に、長い髪をはためかせ。雫は止めどなく、いつまでも、震える頬を伝い、こぼれ落ちていきました。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。MFS!第八夜『実験島ネコジマ』のリアクションをお届けいたします。
今回はバトルなアクション! でありました~。バイオレンスな描写も、いつもよりはちょっぴりマシマシで。
それで、えー……ほとんど皆さま、死んでしまわれましたけれど……そこは番組の中の出来事ですので! どうぞご安心くださいませ。恐らくはこの後に、どこかではっと目が覚めることになるのでしょう。その際に、この夜のことを覚えているのかどうかは、きっと人それぞれですけれど。
続けてご参加をいただいている方には、ガイドやら何やらをご覧になれば感じ取っていただけるかもしれませんが、MFS!そのものにも変化があり、実のところ取り巻く状況、進行は、そろそろ終盤へと差し掛かっております。よろしければ、どうぞ皆さま、最後までお付き合いのほどを。
併せて今回よりご参加いただいた皆さまにも、多少のご不便はあるかもしれませんけれど、同様に以後のお付き合いをいただけましたら、幸いです。
それでは、今回もご参加をいただきまして、誠にありがとうございました!
次の機会にまた、お目にかかれることを心よりお待ちしております。
お疲れさまでした!
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ホラー
SF・ファンタジー
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20人
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20人
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シナリオガイド公開日
2016年01月14日
参加申し込みの期限
2016年01月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月21日 11時00分
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