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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~実験島ネコジマ
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【歪の島】
ひび割れ、壊れた仮面を外せば現れるのは、うつろな瞳。そこに映るのは親しい誰かではなく、ましてや不穏に迫りくる敵どもですらなく。ぽう、と暗がりに灯る小さな炎……たったひとりの自分です。
灯 斗南
には、予感がありました。いつだって、いつかそうなるのだろうと、頭の片隅に想像し続けてきました。それがたった今、この瞬間に訪れたというだけ。遅かれ早かれ、どんな形であれ、こうなっていたはず……その確信が、斗南にはありました。
暗がり。どこかから聞こえてくる、遠い悲鳴。
ざり、と瓦礫を踏みしめる音が直接的な死に直結するものであると、とうに理解しています。とっさに身をかわしたところ、今しがた斗南が佇んでいたその場所へ、ご、と叩きつけられ地を砕く、巨大な木槌。
奇怪な虎顔に覗くこの瞳のようなものをこそ、本当の虚無と呼ぶのでしょう。一見愛嬌ある動物を模した着ぐるみのような尋常ならざる存在たちは、手に手に純粋なる暴力を体現する凶器を携え、追いすがります。
めきり、と着ぐるみの上腕が盛り上がり、振り下ろされる木槌をころがり避けて、斗南はひび割れた仮面で再び素顔を覆うと、
「ッ、ああァ!」
そんなものを幾体もそうしてきたように、掲げた手のひらから奔出する業火を薙ぎ払い浴びせれば、虎面の着ぐるみは身悶えしながら燃え上がり、やがて倒れ込みました。
残り火が黒煙をたなびかせ、漂う不快は、みっしりと中に詰まった肉や骨が焦げる臭い。
「……ああ。いいさ。分かってる」
もちろん敵は一体きりなどではなく、無数であるからこそ、斗南は自らを追い込みました。焼き捨てれば終わる程度の困難ならば、彼はいくらだって乗り越えて来たし、何の問題も無かったはずです。
暗闇に輝く剣呑な、殺戮者たちが瞳に灯す光を数えようなどという気は、もはやさらさら起こりません。
ごう、と手のひらに渦巻く炎で自身の頬を照らしながら、斗南はひどくつまらなさそうに、
「来いよ。いい加減、面倒になってきた」
さかのぼること少し前、斗南は誰かが何かを言い始める前に、すぐさま言ったのです。
「団体行動は、面倒だからね」
気付けば周囲は、うず高く積まれた瓦礫の山。見慣れた日常生活の残骸たるそれらを目にして、斗南は悟りました。暗がりに浮かぶ赤い月が意味するところも、テレビから聞こえたあの声の語る意味も分からずとも、ただ、理解できました。来るべき時が来たのだと。
「待ってくれ、斗南君!」
志波 武道
の制止に、彼は振り返ることなく、足を止めることすらありません。そうしてしまえば、曇るかもしれない。揺らいでしまうかもしれない。そう思ったのかもしれません。
「ひとりじゃ無茶だ。ここは協力……」
「……心配しないでくださいよ」
ぼう、と全体に光を宿す不思議な灯台の周囲へと、目に付く幾人かを振り切り孤独を選ぶことに、躊躇いはありません。いつだって、彼はそうしてきました。身を寄せてしまえば、折れてしまうかもしれない。甘えてしまうかもしれない。迷いはありません。
「これは、誰のせいでもない。僕が自分でやることです」
「はァん?」
かちり、かちゃりと、そこらに転がっている小ぶりな刃物など拾い集めては吟味している
骨削 瓢
の、
「おたくも難儀だねぇ。ま、あっしも人のこた言えんがね……楽しんだモン勝ちだよぃ」
「好きにすればいいわ……あたしもそうさせてもらうから。存分に……」
あるいは超然とつぶやいた
朝鳥 さゆる
の、全てを投げ出したようなそんな言葉には、ひらりと片手を振ったのみ。
光の届かぬ闇へと身を沈めるのは、いつだって自分自身の選択によるものであり、そこに後悔はありません。
狼面の着ぐるみたちが手にした肉切り包丁は赤錆びて切れ味鈍く、身に受ければ荒い裂傷とともに衝撃を伴って、骨の芯にまで響きます。
「……ッ!!」
その喉元をつかみ、ぐり、とねじり上げながらに着火。一体を消し炭にしてやると同時に、背中へ受けた強烈な殴打に意識を飛ばしかけるも、即座に振り向き横薙ぎに放った炎は鞭のようにしなり、別の一体を腹部から燃え上がらせ……さらに横合いから現れた熊面の着ぐるみが持つ機関銃が火を吹き、左の二の腕を銃弾が貫通するも構わず、地へめがけ放った炎が伸びて走り、熊の足元へと絡みつき、炎上。
瞬く間に数体を葬り去ってなお、敵どもが尽きる様子はありません。
瓦礫の陰から顔を見せた数体の熊面が放つ十字砲火から飛び退りつつ、眼前の狼の開いた牙の列へと手を突き入れて炎をぶち込み、銃火の音を背中に聞きながら、ちょっとしたビルの名残へと背中を預けて身を隠すと、斗南はにわかに仮面を外し、深く息を吐きます。
……孤独は彼の望みでありながらも、願いは、別にありました。気だるげな彼の瞳からそれを読み取った者は、ひとりとていなかったことでしょう。単なる面倒くさがり、生きることにすら怠惰なのだと、そう思われたかもしれません。
(最初に死ぬのは……僕がいい。誰にも、僕より先に、死んでほしくない)
誰かを、守りたかっただけ。たとえそれが、ほんの少しの間だとしても。
「ああ。そうだね」
ざり。地を踏みしめる音に彼は顔を上げ、再び立ち上がり、壊れた仮面を再びかぶると、語りかけました。
「……一緒に、逝こうか?」
少なくとも、斗南の願いは、叶えられました。
闇夜を裂くように飛翔する一羽のカラスは、
山田 勘三郎
。彼は目の前に噴き上げた炎……天にも届かんとするほどの、激しく、そして美しい火柱の放つ熱気。斗南の生命、その最後の輝きにあおられつつも、つい、それに見とれました。
あの着ぐるみたちに少しの容赦も無いことは、彼にも理解できました。追い詰められた仲間たちのうち、いずれかがやがて、そう。命を落とすであろうことも。
(……うわっ!?)
だから、火柱が天を焦がし消えた直後に、瓦礫の島の南東に立つ奇妙な灯台から放たれた、視界をひとたび覆うほどの凄まじい光と、いずれかの仲間の最期を結び付けて考えるに至るのは、容易なことではありました。
(何だ? まさか、誰かがもう……)
そして勘三郎は翼を打ちながらに、見ました。光にさらされた着ぐるみたちが、まるで蒸発するように、あるいは浄化されるように、散り散りの燐光と化して消えていく様を。
(光が、あの化け物どもをふっ飛ばして、消しちまった……助かったのか?)
けれどすぐにも、彼は自身の心に浮かんだ期待を打ち消します。そんなはずも無いのだろう、と。
何しろあの不気味な着ぐるみたちは数が多く、仲間たちが幾度退けようと、葬ろうと、絶え間なく次が現れては襲い来るのです。光は一時的にその流れをせき止めてはくれるようでありながら、きっと程なく、新しい群れが押し寄せるのでしょう。
(とにかく……出口だ。出口を探すんだ……!)
状況は良く分からずとも、いくら絶望的に見えようとも、諦めるつもりはありません。勘三郎の持つ強さのひとつはその前向きさ、ひたむきさであり、仲間たちにも与えるその影響は、決して小さくは無いはずです。
たとえば彼の言うとおり、この瓦礫の島からの安全な脱出口であったり……あるいは着ぐるみたちを根こそぎ止めてしまうような、スイッチであったり。それが何であれ、上空から何らかの希望を探す役割を担ったのなら、彼はどうあってもそれを見つけるつもりです。今なお戦いや死の恐怖の中にある、誰かのために。
勘三郎の持つろっこんがそれに適したものであったことは、幸運でした。やけに近くに見える赤い月のか細い明かりを頼りに、彼は翼を打ち、闇の中を駆け抜けます。
「う、おおおおっ!」
灯台の光に浮かび上がる仲間たち……その背を狙って肉切り包丁を振り上げた狼面の肩口めがけ、勘三郎は渾身の膂力とともに、両手に握り込んだ斧を振り下ろします。がつん、と骨にぶつかり砕ける音、刃が肉に喰い込む感触に、怖気が背筋を這い上りながらも、目の前で誰かの最期を見るよりはと、何度も振り下ろします。
「っ、山田さん、何か見つかりました? 出口とか……何か、ありましたよね……?」
尋ねた
屋敷野 梢
の期待へ、けれど勘三郎は、力なく首を振るほかありません。
何も。何も、見つかりはしませんでした。出口も、都合の良いスイッチも、安全に身を隠していられそうな場所さえ……この島にあるのは残骸に、申し訳程度の武器に、無数の殺戮者と、自分たちだけ。それだけでした。
希望など最初から、無かったのかもしれません。
「……いや! そうだ。こういうのって、アレだろ? きっと、夜明けまで粘ればセーフってヤツだ! な、そうだろ?」
それでも勘三郎は、全てを手放しはしません。たとえ何の根拠も無いとしても、自分がそうしている間は、いくらか心が軽くなる人もいるはずだと、彼は分かっているのです。
それを証明するかのように、
壬生 由貴奈
がいつになく張り詰めた顔の梢の肩へ静かに手を置き、微笑みながらに同調してくれました。
「そうだよねぇ。やれることがあるうちは、やるだけやってみないとね?」
「ああ、そうだ……! 諦めることねぇんだ。あの赤い月が沈むまでどうにか粘りゃいい、それだけだ。大したことねぇって、みんなで協力すりゃ……」
がり。ごりり、というその音が、自身の骨格の鳴らすものであると、勘三郎は、見開かれた梢や由貴奈の瞳によってそう気付きました。
肩口へ喰らいつく、狼の顎。牙の列。
「……ぐ」
不思議と、痛みは感じません。手にした斧……付随していた資料によれば、『閃光の斧』と銘打たれたこれは、扱う者の体力と生命力を吸い上げながらに爆発的な力をもたらすのだとか。そんな不可思議な武器のためだったのかもしれません。
「ああ……ッ!」
身をひねり、狼面へ真横から重たい刃を叩きつけて両断し、振り返ります。
灯台の明かりが届かぬ向こうから、次々と、無数に。暗闇に灯る、あの眼光。歯列から止めどなく溢れる唾液に、ひとたびうんざりしたような顔を浮かべながらも……あくまで勘三郎は前向きで、そして、前のめりでした。
「畜生め、だらだらヨダレ垂らしやがって。俺だってろっこん使って飛び回って、死ぬほどハラ減ってんだぜ? ったく、お前らばっか食わしてやるかっての……」
目の前に迫る一体へ、真一文字、垂直に刃を振り下ろし。弧を描くように、数体をまとめて薙ぎ払い……左腕に、牙が食い込み。大腿部を斬り飛ばして動きを止め、首を切り離し……背中に鈍い刃の肉切り包丁を浴び、右の足首へと食いつかれ。
「そうかよ、喰いたいなら……ああ! 来いよ! 俺は絶対に、負けねぇッ!! 死んだって諦めるかよ……来いよッ、お前らァ!!」
そうして彼は、自ら語る通りに、その全てを実行してみせました。仲間たちの前で。
彼の挑発めいた怒号は、体力を使い果たしても、身体がひとつも動かなくなろうとも、やがて絶叫めいて悲痛な響きへと変わろうとも、群がる狼らに喰い尽くされるその瞬間まで、止むことはありませんでした。
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ホラー
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20人
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20人
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シナリオガイド公開日
2016年01月14日
参加申し込みの期限
2016年01月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月21日 11時00分
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