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【お三夜】秋の夜の訪問者たち
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月の光を浴びた銀色のさざなみが砂利の畔に寄せては返す。
冷たい夕風に濡れた着物の袖を絞り、猩々面の男は面の奥、覇気の失せた瞳をぼんやりと月映す水面へと投げて、
「こんにちはなのです」
「うぅわ、なんっやァ」
いつのまにか傍にしゃがみこんでいた白猫しっぽと猫耳つけた銀髪の少女に奇声をあげた。水浸しの黒髪をしっぽのように振って周囲を見回し、思いがけず近くにしゃがむ幼い少女の姿に二度驚く。
「おかわりなくて何よりなのですー」
面の奥の眼を瞠る男にも構わず、
ゼロ・シーアールシー
はいつも通りの柔らかな笑み含んだ声で話しかける。
「どっから出て来た、嬢ちゃん」
「ゼロはゼロなのです」
とりあえず、とゼロは月の光と同じ白銀の光宿す大きな瞳に濡れ鼠の男を映す。
「乾かしたほうがいいと思うのです」
緩く波打つ長い銀髪とフェイクファーの白猫耳と尻尾をのんびりと山頂の風になびかせるゼロを見遣って、男は懐から水浸しの手拭いを出す。水気を絞り、面掛けた頭に乗せる。
「……風で乾くやろ」
「グレちゃん、これを使うといいと思うのだ」
砂利を踏んで駆け寄る足音と共、ふわり、男の頭に乾いたタオルが掛けられた。
「五度めましてこんばんはなのだ、グレちゃん」
男の背後に立ち、タオルを引っ張り出した赤猫リュックの口を閉じつつ、明るい茶髪の頭に三毛猫ケープを被った少女が翠色の瞳を人懐っこく細める。
「タオル、未使用なのだ」
「おおきに、今晩は」
借りたタオルを使い始める男の隣に立とうとして、
後木 真央
は男の影に隠れていた猫耳尻尾の銀色の少女に気付いた。どこか浮世離れした猫少女の姿に、猫好き真央は瞳を輝かせる。
「初めましてこんばんはなのだ、お猫さま? グレちゃんの世界のお猫さまなのだ?」
「ゼロはゼロなのです。耳と尻尾はお三夜祭仕様なのですー」
猫耳頭や純白ワンピースの肩を今にも撫でくり回したそうにじりじり近づく真央に、ゼロはそれでも動じず怖じず、いつも通りのふうわりとした口調で返す。
「ゼロちゃん。真央ちゃんは後木真央というのだ、グレちゃんは日暮というのだ」
「そう、日暮」
面の頭をこくりと頷かせる男の背後の森に現るは、
「んー、適当っぽい!」
特撮ものの派手なお面掛けた頭で小首傾げる、浴衣姿の小柄な少女。面の後から覗く、うなじ覆う深緑色した髪の上には小さな茶虎猫。
「おーい、おひさー」
お面被った頭の上にしがみつく茶虎子猫のにゃーくんを片手で支え、
桜庭 円
は元気いっぱいにもう片手を振る。浴衣の裾を揺らし、九夜山の森から宵闇迫る三夜湖の畔に移る。
「久しぶりやなあ」
のんきな声を返す、時々迷い込む記憶の街で出会う面掛けた男に近寄る。
「なにしてんのー? ボクはお散歩!」
本当は、お三夜祭の夜に三夜湖に来れば、もしかしたら伝説の鯰に会えないかなと思っていた。お祭に賑わう神社付近の屋台で思わず買った大好きな特撮番組のお面を掛けて湖まで来て、思いがけず出会った、こちらの世界で会うはずのない男の姿と、耳にした男の名に、円はもう一度首を傾げる。
「……ほんま、なにしてんのやろなあ」
困惑したように頭を掻く、日暮と名乗る男を見遣る。
男が棲み処としているらしい街をほとんど常時染める夕暮れの色を思い出す。男の名は、本当の名でない気がしてならなかった。
(でも)
あの奇妙な街は長く居れば居るほど記憶を失う。記憶を奪う『鬼』すら夜と共に現れる。
(そこは仕方ないのかも?)
「アンタは」
「あ、刀ちゃんなのだ!」
ゼロの猫耳頭を撫でることに成功していた真央が、夕暮れの山道で足を止めて呟く
御剣 刀
の名を呼ぶ。
「よう、後木。桜庭も」
「やっほー、刀くん」
お三夜祭の今日ばかりはいつも寝子島神社でしている剣の練習ができないため、三夜湖まで登り、練習前の走りこみをしていて見つけた月明かりの湖畔に集まる友人たちと、此処に居るはずのない男の姿に、刀は黒い瞳を不思議そうに細める。
少女たちと男のその向こう、空に浮かぶ月が湖面に写ってきらきら輝き、ひどく綺麗だった。
湖の美しさに近づく足を緩める刀の脇、黒髪の少女が跳ねる足取りですり抜ける。
「日暮さん!」
うなじで切り揃えた黒髪を揺らし、
宮祀 智瑜
は歓声に近い声をあげて日暮の傍に膝をつく。まだ水気の残る日暮の手を取る。
「こっちの世界でも会えるなんて嬉しいです」
無邪気な喜びを伝えたいがために異界の住人と握手して、智瑜は顔中で笑う。
「案内したい場所、いっぱいあるんです!」
「そうか、そらおおきになあ」
せやけど、と男は首を横に振る。そうして口にするのは、己と同じに此方の世界に迷い込んだ向こうの世界の物の怪たちのこと。
「って、それはちょっと拙くないか?」
フツウの世界に迷い込んだフツウでないものたちが引き起こす騒動の可能性を懸念して、刀が凛々しい眉を顰める。日暮が肯う。月が沈むまでに湖への帰還を物の怪たちに促すよう、湖畔で行き会った少年少女たちに依頼する。
「分かった、会ったら伝えておくよ」
力強く請け負って歩き出しながら、刀は運動着のポケットを探る。事情を分かってくれそうな友人に連絡をしてみよう。
「伝えるのですー」
銀色の髪と純白のワンピースを夕風になびかせ、ゼロがふわりと立ち上がる。木々の影にふわり、幽霊のように姿を消す。
「たまにはみんなでこっちに来るといいのだ、楽しいのだ」
「うん、こうして向こうの世界と行き来できたら嬉しいです」
真央と智瑜が笑み交わして頷き合うも、
「そない簡単にできひんねん。今もなあ、なんでやろなあ」
首振る日暮を見て、少し寂しげに顔見合わせる。
「お土産! お土産買って来るのだ!」
気紛れな猫の動きで、真央がぴょんと跳ねるように立ち上がる。殊更に明るい口調で言い、返事も待たずに駆け去る。
「じゃぁ、一緒に屋台回りながら探さない?」
真央に手を振り、円はお面をひょいと持ち上げる。
「この前のお守りのお返しもしたいし。何か屋台で奢ってあげる!」
神社で見た屋台を指折り数えてみせる。たこやきにいかやき、綿あめにりんご飴も捨てがたい。
「おでん屋の屋台なら、お酒とかあるのかな?」
円の提案に、智瑜は大きく頷く。この人が困っているのなら、物の怪の探索と案内に協力しよう。でも、できるなら、
(日暮さんは一緒に来れないのかな?)
「わしはここで待っとらなあらん」
智瑜の内心を知ってか知らずか、日暮は円の提案をすげなく断る。
「じゃぁ、何か買ってこよう。物を食べられないことはないよね……?」
「ないよ」
「リクエストある?」
「ほな、酒」
円に応え、
「あっ、好きな野菜や果物、ありますか?」
「柿とかよう食うけど」
智瑜に応え、日暮は盛大なくしゃみをする。物の怪たちを探すべく、山道に入ろうとしながら心配げな顔する智瑜に手を振り、真央から借りたタオルで首筋を擦る。
「その仮面って外せないの? それとも、外さないの?」
「うん?」
にゃーくんを両手に抱え直し、円は猩々面に隠した男の顔を覗き込む。
「どんな顔してるのか気になるなーって」
面の奥、どこか疲れたような黒い瞳が不思議そうに瞬いている。
前に会ったときは能に言う翁の面だった。今回は猩々。
「おしゃれで変えてる?」
「……気分、やろか」
言いながら、男は何気ない仕草で面を外す。
「あかん、内側まで濡れとるし」
ぼやきつつ借りたタオルで面の内側を丁寧に拭い始める男の横顔に、これと言った特徴はない。二十代らしい頬や瞳のその癖、染みついたような疲労感が目立ちはするものの、平凡そのものの容貌。
「翁の時は仕事やし、猩々の時は大体遊びやな」
「天狗の時もあったよね」
「あれはおとろしもんと相対するときや」
「屋台のお面とかどう? オメンライダーカチドキとかかっこいいよ!」
ボクが着けてるのがそれ!、と円はお面を被り直し拳を握り締めて力説する。
「いい大人が真面目に馬鹿やるのがいいんだよぉ」
「はぁ、そんなんがあるんやねぇ」
あんまり興味なさそうな日暮に、じゃあ行ってくるねと歩き出しかけて、
「お兄さん会いたい人居るんだよね?」
円は今度は日暮の素顔を覗き込む。
「もし、今度あっちの街に関わる事が有るなら、お兄さんと会えるように探してみるよ」
だから、と茜の色よりも尚濃い緋色の瞳に日暮を映す。
「はっきり思い出せないのも有るかもだけど、断片でも聞かせて貰えると嬉しいなぁ」
円の心からの申し出に、日暮はけれど瞳を伏せる。酔っ払いの精霊の面で再び顔を覆い、面の奥で淡く、悲しく微笑む。
「おおきに。せやけど、あの女はセカイになってもた。それに、……」
「セカイって?」
首を傾げるオメンライダーに、猩々面はひらひらと手を振る。
「ほな、頼んだでー」
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3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月16日
参加申し込みの期限
2015年10月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月23日 11時00分
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