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【お三夜】秋の夜の訪問者たち
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三夜湖から寝子温泉に至る道を、
後木 真央
は駆け抜ける。お三夜祭のおかげで、道はどこも人通りがあって明るい。月と外灯に交互に照らし出された道はいつもよりも闇が少ない気がして、
(怖くなんかないのだ)
それに今は猩々面からの頼まれごとが心を占めている。
「島外からお越しの猩々面の日暮さんツアーに参加している皆さん、日暮さんが最初の三夜湖湖畔でお待ちなのだ!」
道行く人の中に向こう側からの誰かが万が一紛れ込んでいることを考えて、真央は声を張る。
「月の道が閉じる前にお戻りくださいなのだ~」
(それにそれに、)
向こう側のみんながこちらの世界に迷いこむことなんて、きっと滅多とない。滅多とないお客を手ぶらで帰すわけにはいかない。向こうになさそうなお土産を道々に考え考え、スマートフォンを取り出す。
人ならざる姿した者の多い向こう側の住人たちを見咎めたこちら側の人々が大騒ぎをせぬよう、その一助となること願って、ねこったーアプリを立ち上げる。三夜祭りをハロウィンと勘違いして仮装して参加している人々が居る旨を書き込む。ついでに事情を分かりそうな人が察してくれることを祈って、日暮からの伝言も。
「忍者焼き!」
スマホを仕舞った途端にお土産を思いついて、真央は嬉しくなった。思わず跳ねる。そうだ、寝子島映画村で忍者焼きをたくさん買おう。保温容器入りのものを購入して、帰りにみんなに食べてもらおう。
そうと決まれば、と映画村への道をまっすぐに、けれど『ツアー参加者』への呼びかけも忘れずに辿り始める。
「日暮さんツアーでお越しの皆さんー!」
元気いっぱいの声を響かせて駆けて行く少女と擦れ違い、
大天使 天吏
は髪と同じ柔らかな金色の眉を不機嫌に顰める。
雷雲色の瞳を巡らせる。猫耳や尻尾をつけた少女や鯰のぬいぐるみを抱えた女、派手な法被を羽織った老若男女に猫のきぐるみ、鯰や鼠のきぐるみ、紙でできた猫耳つけた男。そういえばさっきの騒々しい少女も、三毛猫のケープを纏っていた。
いつも静かな神社の参道にも、商店街のあちこちにも煌々と光点した屋台が並び、たくさんの浮かれた人々が歩いている。
騒がしい祭りに、興味などなかった。神に対する畏敬の念など顕しもせず、祭りを楽しむばかりの人間が厭わしくてならなかった。
騒々しいばかりの人間の中に足を運び、寝子島神社から九夜山に至るまで祭りの様子をつぶさに収めたのは、
(三夜湖の伝説)
天吏は一途な瞳を眼前の九夜山へと向ける。
伝説に言う。かつて、この山は浮上したと。
(……お役にたちたい)
神が落ちたこの島に遺る伝承を紐解き、島に集う神々のことを知ることができれば、そうすればこれから先、あの美しい鴉の姿した神様に有利な情報を得られるかもしれない。
鳥を愛する少女は、時折まみえることのできる鴉の姿した神を瞼に思い描く。その漆黒の翼でもって気儘に天翔る彼女に出会い、有難くも言葉を交わして以来、少女は彼女をほとんど信奉していた。
だから、お祭りはどうでも良かった。祭りが内包する神事と伝承にのみ、興味があった。
祭りの熱気を、賑わう人々を避けるように三夜湖に至る山道を辿る。祭りにかこつけて、神様に自分勝手な願いを押し付ける人間がひどくちっぽけに見えて仕方がなかった。
(人間如きが神に呼びかけても答えるわけでないでしょうに……)
祭りに際して配られるお守りを後生大事に胸に抱く少女を横目に、天吏は冷たい笑みに唇を歪ませる。
皮肉な笑み消えぬ瞳を山道照らす月にもたげて、天吏は空をひらり横切る黒い翼を見た。
人間に対する冷たさばかりが宿っていた雷雲の瞳が一瞬にして輝く。
(梟? いいえ、……)
脳内に収めた夜鳥の姿を総動員させて、それでも己の知識にない鳥の姿に、少女は鳥の姿を追って躊躇いなく道を外れる。山中に入り込む。
月の空覆う梢の間に見知らぬ翼を追う。道なき夜の山中とは言え、普段から鳥を追いかけて山を歩く彼女にしてみれば、地表這う樹の根も蔦も険しい山肌も、どうということはなかった。
滑るように空を飛んで行く翼の持ち主が飾り羽のついた頭を巡らせ己を見た気がして、空行く己に追い縋る人間を見止めてくすくすと笑い声零した気がして、天吏は目を瞠る。
どれほどの距離を駆けただろう。
息切らして、それでも尚追い縋る少女の姿を見かねたように、鳥が翼を翻す。梢の隙間を抜け、山椿の枝に翼を休める。
夜気に濡れる樹の幹に手をつき、天吏は乱れる息を整える。月光浴びる鳥へと瞳を向ける。
飾り羽に見えた頭の羽根は捩れた角、長い尾羽はのたうつ蛇のかたち。それはおおよそ鳥からも、天吏の知るこの世界のどの生物とも違うかたちした、
(……妖怪……?)
くすくす、くすくす。鬼の頭持つ鳥が夜の山に笑う。笑う鳥から瞳逸らせぬまま、天吏は鳥に声かけるを躊躇う。異形の存在に、神様の次に尊い存在に、卑小な人間如きが声掛けて煩わせても良いものか。
異形の存在に恐怖よりも畏敬の念を抱いて、少女は思い切って声をかける。
「お祭りは、お楽しみいただいているでしょうか?」
異形の鳥は鳥じみた仕草で首を傾げる。腐食した鉄のように赤黒い翼を震わせ、声かけてきた少女を見つめる。
「いつまで」
鳥の言葉を、少女はこの祭りがいつまで続くのかと問うていると理解した。
「祭りの期間が終わるまで、ずっとです」
人間には見せぬ柔らかな笑みさえ湛え、天吏はすぐさま答える。
己には人間ばかりが楽しんでいるように思えるこの祭を、それでも彼らは楽しんでくれているのだろうか。
そうであって欲しい、と少女は願う。
「欲しいものはありませんか」
他人に対して距離を置き、自分の世界を堅固に構築しているいつもとはかけ離れた態度で、天吏は畏敬抱く異形の存在へ積極的に近づこうとする。
「やりたいことはありませんか」
天吏の態度を好もしく思うように、怪鳥は金色の瞳細めて楽しげに笑い、おもむろに翼を広げた。少女の頬に柔らかな風ひとすじだけを寄越して、月の夜空に飛び去る。
耳に残る笑い声を頭に焼きつかせようと、天吏は風に揺らぐ髪押さえて瞼を伏せる。
この世界にはまだ、知らないことがたくさんある。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月16日
参加申し込みの期限
2015年10月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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