夕暮れの旧市街、そのレトロな街並みの中に
すっかりと溶けこむ一軒の豆腐屋があった
古びた外観、辺りに漂う大豆の匂い
・・どこからかあの独特な笛の音が聞こえてくるような感じさえする
そんな豆腐屋の中を覗いてみると、一人の男性が笑顔で声をかけてきた
「いらっしゃい、今日は何をお求めかな?」
最近じゃあこういうお店ってなかなかないから嬉しくなるな…つまみで考えるのもいいけど今日の冷や奴用にも買おうかな…
(お店を見てつい微笑み)
>西野町くん
へ~。
毎年来てくれるリピーターさんが居るんだ。
それはちょっと凄いね。
私の所は病院だからさ。
元気になってくれたら、しばらく来て欲しくないんだけど・・・お爺ちゃんお婆ちゃんたちは「また来るよ~~」って手を振りながら帰っていくから、嬉しい反面、困っちゃうんだよね(苦笑)
ちなみにお見合い写真は今現在で13枚預かってるんだ。
だから日程を調整するだけでも結構大変なんだよ~(笑)
あはは、賑やかになるのはいいんですが・・マナーが悪い人も居ますからねー、良し悪しですね
毎年年に数回だけ来てくれるお客様もいらっしゃいますし、そういうのも楽しみの一つなんですがね
・・ははは、バレちゃいました?
常連のお婆さんから「いい人いたら紹介してあげて」って言われちゃいまして・・断れなかったんですよ(苦笑
>西野町くん
そうだよね~。
そろそろ観光客が沢山来て、良くも悪くも賑わっちゃうんだよね~(苦笑)
ほらっ、私らが学生だった頃は観光客が来たら来たで色々盛り上がってたけど、今じゃもうのんびり過ごすのが何よりの楽しみだからさ。
変なトラブルだけは起こしてくれるなよって思えてしまう(笑)
(笑いながら「めっ!」と注意するような顔真似をする)
ま、それでも飲食店の人達にとっては稼ぎ時なんだから、邪険にするわけにもいかないよね(笑)
あ、ところで紹介したい人ってのは、やっぱりお見合いとかそういうのかな?
一応話は聞くけど、逢うかどうかは別だからね!
(と冗談ぽく笑って答えます)
いらっしゃいませ・・あ、藤谷先生でしたかお疲れ様です
あはは、うちに来る方達も近くにいい病院ができたって喜んでますよ
はい、絹1丁ですね少々お待ちを
そうですね、最近すっかり夏らしくなって・・もうすぐ観光客が大勢来る時期になりすね
ところで、藤谷先生・・僕の友人で良い奴がいるんですが(お年寄りから何か頼まれたらしい)
お邪魔しま~す
夕飯にもう一品をと・・・思って寄らせて貰いました。
こちらのお店、ウチの病院に来ているお爺ちゃんお婆ちゃんたちに評判なんですよ(笑)
えっと、絹豆腐を1丁貰えますか?
少しずつ暑くなってきたから、今日は冷奴にしようと思って(笑)
(PL:遅くなって本当にごめんなさい…)
いえ、憶えてもらう為なら何度でも。それに、あたしこの名前気に入ってますから。
(名乗るのは好きなんです、なんて微笑み)
え、そんな…あ、ありがとうございます、きっと皆喜びます。
(遠慮しかけたものの、結局は領収書共々クッキーを大切そうに受け取って)
じゃあ、あたし行きますね。何から何までありがとうございました。
かなえさんによろしくお伝えください。
(ぺこっと深く頭を下げてから帰路につき)
了解(カキカキ)はい、領収書
立花深紺灯さんだね・・(メモり
あれ・・そういえばさっきも聞いたね、ごめん2回も名乗らせちゃって
これお詫びの品、よかったらみんなで食べて(クッキーを数袋、袋に入れて渡す
あっ、はい、お願いします。忘れちゃう所だった。
(自治会長に渡さなければならないことを完全に失念していたと両手をぱちんと合わせて慌てた顔で頭を下げ)
え?
(此処へ来た時…、と思ったものの笑って)
1年3組、立花 深紺灯(たちばな みこと)です。よろしくお伝えください。
(代金を確認して)はい、確かに。領収書とかいるかい?
大丈夫、ちゃんと伝えておくよ(にこ)
あ・・・・そういえば名前聞いてなかったね
僕は「西野町とうふ店」の店長をしてる西野町圭吾
娘に君のこと伝えるにも、名前がわからないとだからね・・君の名前を教えてもらえるかな
にゃんこ…?こう、です?
(首を傾げた後此処に来る途中も見た旧市街を歩き回る猫たちを思い出しつつ眼前の手の形と同じ様に手を丸めてみて)
かなえさん、ですね。あたしは3組なのでお話したことはないですけど普通科同士なら会う事もあると思うので今度お話してみます。
(…と、そこまで言ってふと気弱な所が首をもたげ)
えと…一応、あたしの事も話しておいてもらえますか?そんな一から十までじゃなくていいので、教えてもらいたがってるのが居る、くらいで。
(手渡された商品をバッグにしまいこんでから財布を覗き込み、小銭を落とさない様慎重に取り出して)
よかった、丁度ある。…はい。
こちらこそ、これからもお世話になりますっ。
(にっこり笑って一度ぺこりと頭下げ)
そうだね、いいところだよここは・・気に入ってくれて嬉しいな(にこり
そっか、慣れないと包丁はちょっと怖いよね・・
特に見てる親の方は子供が怪我しないか心配するのが当然だよ
僕のとこの娘もよく料理手伝ってくれるんだけど、つい心配で手元見ちゃうんだよね
僕より娘のほうが料理出来るんだけどねー・・(ははは)
とりあえず、怪我しない為にはにゃんこの手だよ、にゃんこの手(両手で猫の手を作って)
うーん、君・・寝子高生だよね?
1年5組の西野町かなえって知ってるかな?さっき言ってたうちの娘なんだけど
悪いんだけど、僕だとあまり時間が取れそうにないんだ
だけど娘だったら一緒の学校だし、きっと教える時間も取れるんじゃないかな?
放課後に約束して一緒に寮に行って料理作ってもいいしね・・普段放課後は家の手伝いばかりだからさ、あの子
よかったら、仲良くしてやってくれると嬉しいな(にこ
おっとそうだった、えっと・・☓○○円だね
どうもありがとう、これからもご贔屓によろしく(商品を手渡す
あたし、岩手から来たんです。此処は、とても良い所ですね。
(そっと目線を合わせてにっこり微笑み)
そ、そんなものですっ。昔からお母さんのお手伝いしてたので。
でも、未だに包丁の扱いは危なっかしいって言われます。
(ちょっと苦めの笑いに眉と口許歪め)
へぇ…あの、今度お時間ある時でいいので卯の花とかドーナツの作り方教えてもらえませんか?
あたしは台所班の中でも普通に食事作る係で滅多にお菓子は作らないけど、クッキーも作れたら皆の勉強のお供にきっと合う筈だし。
(電話番号をメモした後、電話は6時以降、とも書き加えてからお店の名前も付け足し)
…うん、これでよし。
あ、そうだ今日のお代。(メモ帳とペンを仕舞って、代わりにエコバッグの底に入れていた財布取り出し)
・・そうだね、僕も暫く島から離れてたから分かるよ
変わった物は確かに沢山あったけど、空気や雰囲気はあの頃のままだったなぁ(遠い目)
うーん、まぁ料理が君の趣味って言うんなら良いんだけどね・・
(猫鳴館に入ってるという事は何かしらの、
もしかすると金銭的な事情があるんだろうと思い、深くは言えない)
ああ、なんといっても毎日大量に出るからねー(苦笑
うちの店でも、卯の花とかクッキーとかドーナツとかを作って少しでも消費するようにしてるけど
それにも限界があるし・・産業廃棄物になるよりは食べて貰った方が
こちらとしても嬉しいよ、遠慮しなくていいからね(にこり
ああ、そうか連絡先だね
えっと、○☓○-▲○□-☓☓□○○だよ
朝は忙しいから6時以降に掛けてくれると助かるかな
そうなんですか。でもこの旧市街の雰囲気によく合う気がします。
あたし、寝子島出身じゃないから分かるんです。此処と此処の外は、何だか時間の流れも空気も違う。
…出来れば、変わらないで欲しいなあ…。
(古びない物なんてないんだけど、と苦笑交じりに呟いて笛を見つめ)
え?あぁ、あたしなら大丈夫ですよ。大した趣味もないし、制服やジャージがあるから私服もそんなに多くないし。
(まさか両親が娘の居場所を桜花寮と勘違いしている分、送金に差額が生じていることなど言える筈もなく、ただ手をひらひらさせて笑うだけで)
(相手の言葉に一度慌てて首をぶんぶん縦に振り)
も、勿論です、お金払わないのは流石にちょっとあたしも気が引けちゃうし…。
でも、これって結構産業廃棄物になっちゃうんですよね?聞きかじり、ですけど。
勿体無いし、レシピいっぱい覚えて、皆が好きになってくれたらもっと買いに来ます。
安価で沢山買って行けるのはとてもありがたいですから。
時々沢山必要になることもあるし、その時は連絡させてもらいますね。
(持っていた鞄の中からメモ帳とミニペン取り出し)
えと、此処の電話番号教えてもらっていいですか?
ははは、最近じゃこの笛の音も少なくなってきたみたいだね
結構貴重らしいよ、この笛
ああ猫鳴館の子だったのか
あそこは食堂ないから大変だね・・そっか今でも住民で分担して食事用意してるのか
でも、自費じゃ君が大変だろう?
・・・そうだな、おからだったら100円貰えれば好きなだけ持って行ってくれて構わないよ?
ほんとは無料にしてあげたいけど、無料にすると際限なくなっちゃうからね(苦笑
ああ、でも大量に必要な時は朝言ってくれると助かるかな
(少々音量に驚きはしたが故郷でも聞いた事があるような何処か懐かしい音に思わずはしゃいでぱちんっと手を合わせ)
わぁ、多分これですっ。庚くんが言ってたの。
あ、はい。皆食べ盛りだし、猫鳴館の生徒だけじゃなくてお客さんでも食費払ってくれる人には食べてもらってるからいつも大量に作らなくちゃならなくて。
あんまりお金の無駄遣いは出来ないからお肉の代わりにお豆腐使うことも多いし。足りなければあたしみたいな買い出し班が自費で出してる部分もありますけど。
えと、おからは…とりあえずお豆腐一丁分くらいでお願いします。
(ちょっとどきどきしつつ相手の手元を見て)
おや、笛がご希望だったかい?(カウンター横にひっかけてある笛を取って)
・・・最近吹いてないからどうかな?
『ぱーー♪ぷーーー♪』
おお、出た出た・・(こほん)あらためて、いらっしゃい
(注文されたものを準備しつつ)随分沢山買うんだね、家族が多いのかな?
おから?あるよー、どの位必要だい?
(店長らしき人が出てきたことに一瞬びくっと肩を震わせた後ひとつ深呼吸して)
こ、こんにちは。
知人に話を聞いて猫鳴館から来ました、立花 深紺灯(たちばな みこと)っていいます。
「リアカー引いてぱーぷーぱーぷー笛吹いてる」って言われたんですけど、此処で良かったんですよ、ね…?
(ちょっとだけ首傾げ)
えと、お夕飯の買い出しなんです。
絹ごし豆腐と厚揚げを買いに。あと、おから置いてますか。
おや、いらっしゃい
西野町とうふ店へようこそ、何をお探しかな?
(作業場からエプロンで手を拭きながら出てくる)