夕暮れの旧市街、そのレトロな街並みの中に
すっかりと溶けこむ一軒の豆腐屋があった
古びた外観、辺りに漂う大豆の匂い
・・どこからかあの独特な笛の音が聞こえてくるような感じさえする
そんな豆腐屋の中を覗いてみると、一人の男性が笑顔で声をかけてきた
「いらっしゃい、今日は何をお求めかな?」
にゃんこ…?こう、です?
(首を傾げた後此処に来る途中も見た旧市街を歩き回る猫たちを思い出しつつ眼前の手の形と同じ様に手を丸めてみて)
かなえさん、ですね。あたしは3組なのでお話したことはないですけど普通科同士なら会う事もあると思うので今度お話してみます。
(…と、そこまで言ってふと気弱な所が首をもたげ)
えと…一応、あたしの事も話しておいてもらえますか?そんな一から十までじゃなくていいので、教えてもらいたがってるのが居る、くらいで。
(手渡された商品をバッグにしまいこんでから財布を覗き込み、小銭を落とさない様慎重に取り出して)
よかった、丁度ある。…はい。
こちらこそ、これからもお世話になりますっ。
(にっこり笑って一度ぺこりと頭下げ)