祈りの家を隠すように、又は縛るように
白を纏った野薔薇が生い繁る。
入り口付近の外壁には薄汚れた小さなプレートが嵌め込まれており
「九夜山勿忘草教会」という文字が刻まれているのが確認出来る。
この教会の正式名称らしい。
そういってもらえて凄く嬉しい。
これからはきっと、こんな楽しい時間を
沢山過ごす事が出来るのだわ。
私も、貴方も。二人で沢山。
ああ、嬉しい…本当に嬉しい!
まるで魔法みたいだわ!
(そう言って、はしゃいだ様子で無邪気に笑う)
僕もこんなに楽しく話し込んだのは久しぶりかもしれない。
お嬢さんといると本当に楽しいな。
(笑いで出た自分の涙を拭いながら、そう笑いかけ)
うふふ。
夢に出てきたりなんてしたら
それこそもう本当に笑い死んじゃう。
…っ、ふふ。ケホ、ケホッ。
(再び笑いが湧き上がりそうになり咳き込んで)
こんなに笑ったのいつぶりだろう。
白露さんといると本当に楽しい。
(自分もひとしきり笑って疲れたのか、まだ微かに笑いながらも息を整え)
っ、くく、あぁ笑った笑った。
急にお嬢さんが面白いことを言い出すから……ふふっ、ツボに入ってしまったなあ!
今晩あたり夢にでも出てきそうだ。
(そう言ってまた口元を抑え、肩を震わせる)
任せてっ、私は、そういうの得意っ…!
っ…ケホッ、っ〜〜!
(少々咳き込みながらひとしきり笑い続け)
あぁ、面白い…。面白かった…。
笑いすぎて死んじゃうかと思った…。
(ようやく笑いが収まり胸に手を当て息を整える)
そうだねっ、僕は生まれてこの方化粧なんてしたことないから……っ!
お嬢さんにっ、手伝ってもらったらっ!
いい感じに、なれるだろうね……っ!
(笑いが止まらない様子で、お腹を抱えながらそういう)
…っ手伝おうか?
洋服選びとかっ、お化粧とかっ…!
お勧めのお店とか、案内するしっ…!
(同じ様に爆笑しながら楽しげに、そう)
そっ、そうかい?
なら今度僕くらいのサイズのっ、可愛らしい服にでも挑戦してみようかな……!
なっ、何人くらい誤魔化せるか楽しみだなぁっ!
(爆笑しながら楽しげにそんなことを口にし)
っ…い、いや、そんなことっ…!
白露さん、美人だしっ…!
お化粧すれば、綺麗なお姉さんに見えっ…!
ああ、面白い!お腹痛い…!
(目尻に涙を浮かべつつ心底可笑しそうに大爆笑している)
っ、ふふ、もっと可愛らしい見た目だったら似合うだろうになぁ。
じ、じつに惜しいというか、……やっぱり似合わないなあ!
(大爆笑につられたのか、同じように笑い始める)
っ…ご、ごめんなさい、本当にっ…!
私、なんて想像を…っ!
で、でも、おもしろ…、あはははっ…
(遂に堪えきれなくなりお腹を押さえて大爆笑しだす)
ぶっ……、っく、ふ、ふふっ。
僕が、お嬢さんみたいな可愛らしい服を……っ!
(想像して少し吹き出したあと、
震える手で口元を隠しながら、けれど笑いをこらえきれずに肩を震わせる)
…っ、いや…あの…ごめんなさ…。
私、貴方が私の様に、女の子の服をきてる想像をっ…。
(ふるふると肩を震わせて笑いを堪えながら
いや、既に半ば笑い交じりにその様なことを口にする)
そうそうそれそれ。
その人が思うようにしてくれる方が僕はいいからね。
考え方なんて違ってなんぼだしさ。
(笑いながら少女の言葉を肯定する)
おや?何か面白いことでも思いついたかい?
(笑いを堪える少女に楽しげに声をかけ)
あー、そっか…。
白露さんは人に自分の理想を押し付けたり
そういうことはしない様に見えるし。
誰かに必要以上の期待をしないし
面白そうなら関わって、実際に面白ければ御の字
そうでなくてもそれはまたそれで…というような…?
(軽く悩みつつ、少女からみた彼の印象を語り)
…私と真逆に見えるけど結構似てるのかなー…。
(笑う彼を見上げながらぼんやりとそう呟く。
頭の中に″恋に恋する少女″という言葉が浮かんで…。)
………っ。
(不意にこみ上げた笑いに慌てて口元を押さえ俯く。
何か妙な想像をしたらしい。)
嫌われたことがあるかどうかはわからないけど、
単純に好き・嫌いで人を見たことがあまりないかな。
面白そうかどうかとかが基本で、たまになんとなく興味が湧いたとか、不確かな理由で関わったりするくらいかな。
嬉しいかどうかはあまりわからないかな。
……でもそうだね、そういう幸せっていうのは気になるかな。
なんだかんだ言って結構僕も恋愛に夢見るタイプの人間なのかな?
(そう言っておかしそうに少し笑う)
…白露さんは誰かを嫌ったり嫌われたり
そういう経験、あまりない?
そう思えるぐらいの相手…うーん…。
理想の相手か…。
もしも、そういう経験ができたら嬉しい?
さっきもそんなことを言ってたね。
人は違う考えの人を敵とみなすと。
そんなのが平気な人はそうそういないからね。
多分僕だって平気じゃないだろうしね。
(目を閉じて、考えるような素振りをみせる)
ない、と言えば嘘になるかな。
ただそう想えるくらいの相手が思いつかなくてね。
深い関係の相手を作らなかった僕が言うのもおかしい話かもしれないけどね。
憧れはあるかな。
うん…。
(安堵の息をつき、目を閉じて)
…貴方は私を拒絶しないし、嫌なこともしないでくれる。
だから、私も貴方を受け入れられて、拒絶せずにいられるから
それが本当に、嬉しいの。
私は人が怖いけど、拒絶したりされたりだとか
そんなこと全然少しも好きじゃない…。
んー…。
じゃあ、そう言ったことをしたいと思ったことは?
へえ、それは確かに驚いた。
お嬢さんから怖くないと思ってもらえたのは嬉しいな。
初めて会ったのに、色々話をして、約束もして、そうやって心を許してもらえたのは良かったと思うよ。
告白かぁ、あまりされた記憶は残ってないな。
確かに女の人とは結構話したけどね、男とも同じくらい話したから大差はないし……。
恋愛事は基本相談される側にまわってた気がするな。