祈りの家を隠すように、又は縛るように
白を纏った野薔薇が生い繁る。
入り口付近の外壁には薄汚れた小さなプレートが嵌め込まれており
「九夜山勿忘草教会」という文字が刻まれているのが確認出来る。
この教会の正式名称らしい。
さっきもそんなことを言ってたね。
人は違う考えの人を敵とみなすと。
そんなのが平気な人はそうそういないからね。
多分僕だって平気じゃないだろうしね。
(目を閉じて、考えるような素振りをみせる)
ない、と言えば嘘になるかな。
ただそう想えるくらいの相手が思いつかなくてね。
深い関係の相手を作らなかった僕が言うのもおかしい話かもしれないけどね。
憧れはあるかな。