祈りの家を隠すように、又は縛るように
白を纏った野薔薇が生い繁る。
入り口付近の外壁には薄汚れた小さなプレートが嵌め込まれており
「九夜山勿忘草教会」という文字が刻まれているのが確認出来る。
この教会の正式名称らしい。
あー、そっか…。
白露さんは人に自分の理想を押し付けたり
そういうことはしない様に見えるし。
誰かに必要以上の期待をしないし
面白そうなら関わって、実際に面白ければ御の字
そうでなくてもそれはまたそれで…というような…?
(軽く悩みつつ、少女からみた彼の印象を語り)
…私と真逆に見えるけど結構似てるのかなー…。
(笑う彼を見上げながらぼんやりとそう呟く。
頭の中に″恋に恋する少女″という言葉が浮かんで…。)
………っ。
(不意にこみ上げた笑いに慌てて口元を押さえ俯く。
何か妙な想像をしたらしい。)