月光が差し込む静かな夜。
白い月の光に照らされた泉は
より神秘性を増して見える。
ある少女は静かに語る。
「夜になると月の女神様も時々ここへやってくるのよ。」
*夜の雑談トピックです
*独り言や探索にもどうぞ
(少女の細い手をしっかりと握り)
よろしくね、お嬢さん。
(握った手をゆるく上下させ、彼女に笑みを向けた)
……。
(小さく頷き
貴方さえ良ければ…。
(緊張した様子でそっと片手を差し出し握手を求める。
その手を握るなら白く細い、綺麗な手であることがわかるだろう。
お嬢さんさえよかったら、ぜひそうしたいんだけれど。
僕と友達になってくれるかい?
(にぱっと嬉しそうな笑みをみせながら、
姿を現した彼女に近付こうとする)
…………。
(やがて、草木をかさりとかき分けて
闇の中から月光の下へ姿を現した。)
……それは、私とお友達になってくれると。
そういうこと?
(内気な瞳をためらいがちに伏せ、気恥ずかしげにそう尋ねる。)
……今後も仲良く……。
…………。
(慣れぬ異国の言葉を口にする様に彼の言葉を繰り返し。
口元に手を当て、何事か悩む様な雰囲気で黙りこくる。)
はっはっは!
いやぁ、まさにその通り。
だからこそ色々な楽しみを感じれるんだよね。
(とても嬉しそうに笑いかける)
ん?(空から視線を戻しながら)
いやいや、不意に他のことを考えてしまっただけだよ。
(そうしていつもの笑みを浮かべ)
お嬢さんのことを僕はとても気に入っているんだよ、今後も仲良くしたいほどには。
確かに天使やら悪魔やらとは違うけれど、そんなこと当たり前のことだからね。
(なんでもないようにそう少女に言う)
なにも思い通りにいかないのは辛いけど
なんでも思い通りになったらきっと退屈。
苦があるから楽がある。
そういうものでしょう?
″フツウ″と″普通″は違うけど
もれいびは不思議な力が使えるというだけで
普通といえば普通だからね…。
″フツウの存在″ではあるけれど妖精や悪魔や天使といった
『隣人達』とはきっと、根本的な在り方が違う。
…私が普通の人間でガッカリした?
その考え方、僕は嫌いじゃないよ。
自分の思うまま、感じるままに行動したりする方がいいだろうしね。
できることならそれでらくーに過ごせれるのが一番だけれど、なんでも思い通りにはいかないものだからね。
(苦笑する少女をみて、表情を変えぬまま肩をすくめる)
……もれいび、かぁ。
お嬢さんはもれいびだったんだね。
確かちょーっと不思議な力が使える、普通の人達だろうからねぇ、もれいびの人達。
(そう言いながら少しだけ視線を空へと向ける)
他の人にも似たような事をよく言われる。
「自分をもっと大切にしろ」って、毎回のように。
だけど、自分の心に嘘をつく方が私にとってはずっと苦しいから。
(微笑む彼に苦笑を返し)
…私は花風冴来。
化物以外を名乗るとするなら、もれいびの、フツウの高校生。
お嬢さんも楽しいと思っているのならよかった。
せっかくできた話し相手にあまり嫌われたくないからね。
随分と優しい化物さんだ。
ありがとう。
(少し優しく微笑みかけ)
僕へと向けてくれるその優しさを、
もう少し君自身にも向けてほしいと少し思ってしまったけど。
まぁその分君の周りの人物が優しくしてくれるだろうし、大丈夫かな。
……あ、そう言えばここまで長々と話しておいて自己紹介がまだだった。
僕は薄羽白露、旅の陰陽師だ。
………。
(意外そうに目を丸くし)
…貴方が楽しいのなら良かった。
私も貴方とこうして話しているのが楽しい。
(そう言って、嬉しそうにふわりと微笑む)
………。
(彼の言葉をただ静かに受け止めて)
それは正しいと思う。
正しいとは、思うけど。
私以外の誰かが、そんな風に思われるのは嫌。
私自身の事は別に構わないけれど、それは嫌なの。
少なくとも、私にとって貴方は化け物ではないし
尊ばれ尊重されるべき人。
僕だけの話をするなら、君との会話を楽しんではいるのだけれど……。
会話というものは難しいものだね。
言い方一つ違うだけで全然違うようにも聞こえてしまう。
なぁに、僕だって根掘り葉掘り聞くだけの奴だ。
お嬢さんが謝る必要はないさ。
(にこりと口元に笑を浮かべる)
……ふむ。
(顎に手を当て、しばし考えを巡らせるようにし)
君がそう答えるのなら甘えさせてもらおうかな。
お嬢さんの優しさに感謝、感謝。
なるほど、一理あるね。
人は理解できないものは恐れたり、徹底的に排除しようとしたり、まぁ色々するからね。
面倒なところは人によって微妙に“ 普通”のさじ加減が違うところ、かな。
そういう考え方からすれば、お嬢さんはお嬢さんという人だー、という風にもとれる。
(自分の思った言葉を、躊躇いもなく口から出していく)
僕のことも、誰かにとったら化物のように思える人もいるだろうし。
(自分の胸に手を当て、にこりと微笑む)
…いいえ、貴方は何も。
会いたいけど、会いたくないの。
会えば下らない話ばかりをして
今の貴方の様な顔をさせてしまいそうだから。
本当は、貴方にも、誰にも
そんな顔をして欲しくはないのだけれど、私はどうにも不器用で。
人を楽しませるのは、不得手だから。
(ごめんなさい、と謝罪を口にし目を伏せる)
大丈夫。
貴方がそうして欲しいと望まない限り、私は此処にいる。
話し相手が欲しいのでしょう?
ならば、私はそれを叶えるまで。
私はそう思うようなことをしたし
例えそうでなくても、私は化け物だわ。
…人は、自分と違う考えを持って、自分が持たない力を持って
自分の理解を超えた行動をする存在を
″化け物″と、そう呼ぶでしょう?
だから私は化け物なの。
…そう思おうと決めたの。
(ほんの少しだけ同じように沈黙し)
僕の口が滑ってしまったのかな?
そうだとしたら申し訳ない。
(そう言いながら眉根が少し下がる)
…………化け物、か。
僕はお嬢さんがどのように今までを過ごしてきたか知らない。
通りすがりの僕からはそのようには見えないけれどなあ。
化け物のように見えないからこそ恐ろしい一面を隠せれる、なぁんてこともあるだろうけれど……。
……答えたくなければ黙するなり、この夜の森に紛れて僕から離れることを勧めるかな。
好奇心で人の心に土足で踏み入っているようなものだしね。
お嬢さんは自分が化け物だと思うようなことでもしてしまったのかい?
……………。
(弱々しい苦笑を浮かべて沈黙し)
……。
………。
…………ーー化け物。人の姿を象った化け物。
……まあお嬢さんがいいというのなら、それでいいんだろう。
その彼女が早く君の前に姿を見せてくれるといいね。
話したいこともあったりするんだろう?
…………。
(笑みを浮かべたまま、しばらくの間黙り込み)
お嬢さんが人ではない、ねえ……。
実は人形でした、とか言われると納得できなくもはないけれど。
……もしよければ、お嬢さんが人でないなら何なのか、聞いてもいいかい?
(変わらぬ笑みを浮かべているが、
少女に対する期待か、ほんのわずかの困惑か。
どちらともとれる笑みで少女を見つめる。
(彼の言葉にそっと微笑み)
…それは無理。何処にいるのか分からないし
私はこの島から長く離れるわけにはいかないから。
彼女がこの島に帰ってきた時にまた会えたらそれでいいの。
詳しくはないわ。
少し識っているだけ。
私も貴方の言う様に、人ではないから。
(揶揄う訳でもなく、少女にとっての事実を
穏やかな口調で、淡々と。
ならお金と時間に余裕のあるときにでも会いに行くといい。
突然の引越しで住所がわからないっていうのなら、何を言ってるんだって話かもしれないけどね。
占いで評判の少女なら聞き込みをすれば多少なりとも会える可能性はあると僕は思うよ。
へえ……それはそれは、いろんな噂話を聞きはしたけれど、そんな存在とも出会えるのかぁ。
お嬢さんは随分とそのへんの事情に詳しいようだね。
実はお嬢さんも人ではない何かだったりするのかな?
(少しだけ茶化すように、軽くそう口にする)
そう。
本土の方に引っ越しをしたからこの島にはもういないの。
私も会える事ならまた会いたい。
優しくて可愛い、良い子だった。
幽霊や妖怪以外にも、神様に小人。
妖精に天使に悪魔。人の言葉を話す動物。他にも沢山。
この島は異世界に繋がっているから
彼方の住民が此方へ訪れることも
此方から彼方へ訪れることもそれ程珍しいことではないの。
へえ、その彼女にはぜひ一度会いたいけれど、君の口ぶりだとその子は引越しでもしたのかい?
他の占い師にあまり出会ったことないから、場所によったら見に行くのも良さそうだけれど。
どちらも嫌いではないかな。
……まあどちらかを選べと言われたなら、僕は迷わず普通じゃない方を選ぶだろうけどね。
……ところで人ではない存在ってどんなのだい?
妖怪やら幽霊やらとは関わりはあったけれど、それ以外なのかな?
(期待するように瞳を輝かせる)