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終焉狂想曲 NO.222
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寝子島大橋の先は霧にも似た赤い光に呑み込まれて見えない。
「俺はここで食い止める」
運転手に告げ、修は停車するバスから橋の上に降り立つ。
「君達は橋を越えろ。米軍基地か自衛隊駐屯地を目指せ」
希望失わぬ明朗な声で告げて手を振る修に続き、僅かに蒼白い顔をしたアリーセがバスを降りる。
「行かないのか」
「私にはまだ、出来ることが有るわ」
微かに笑み含んだ視線を交わし、ふたりは走り去るバスに背を向ける。
寝子島から脱出すべく、スピードをあげた車が脇を掠める。荷物を抱えた人々が必死の形相で駆け抜ける。
車や人々を追って来た大蟻の群や大百足に向け、修がろっこんの力を揮う。そうしながら、祈るように愛する人を探す。
橋に辿りついたはいいものの、道すがらに傷を負い動けなくなった人々にアリーセが己の歌と血を与える。
橋柱を引き繋ぐケーブルに腐った鱗の竜が空から降り立ち、橋が揺れる。墜落する格好で堤防に落ち、橋によじ登ろうと腐り落ちそうな翼を羽ばたかせる。竜の腐肉から生まれた粘性の魔物に襲われ、橋を渡ろうとしていた人々が悲鳴をあげる。
腐肉に牙と目玉つけた魔物に齧りつかれた老人が地面に倒れる。老人を助けようと魔物に掴みかかった修が魔物の牙を腕に受ける。
(肉弾戦はキツイ、な……)
腕に刺さる魔物の牙の痛みと、魔物の粘性を厭い、修は顔を顰める。橋の欄干に魔物を叩きつけようとして、視界の端、釘バットと鉈を手に駆ける茶髪の少女を見た。
(真央)
親友の
後木 真央
の姿を見つけて、歪む瞳が僅かに和む。生き抜け、と願う修の心に反して、真央はその場に足を止めた。
「修ちゃん」
魔物に襲われる親友の名を叫ぶ。
家族のもとに帰るため、誰が襲われていようと通り過ぎるつもりだった。けれど、
(そうして辿り着いて……)
家族に胸を張って会えるのか。
瞬きの間、視線が彷徨う。橋の上から空を見る。海を見る。
空も海も、繋がっている。
その事に気付いて、真央は笑む。
(真央ちゃんはおじぃたちと同じ場所に居るのだ)
家族も、友達も。みんなきっと、今自分が出来ることをしている。ならば、
(真央ちゃんは――)
釘バットを握り締める。
「真央ちゃんが殿務めるのだ!」
修のもとに駆け寄り、修を傷付ける魔物に釘バットを叩きつける。柔らかく見える腐肉の身体を抉るようにバットを振り切った途端、魔物が赤黒い舌にも似た触手を伸ばした。
鋭い牙すら生えた触手に胴を貫かれて、真央は血を吐く。
「真央!」
修の悲鳴を耳にしながら、真央は触手に鉈を振るう。鉈に切り取られて尚絡みつく触手に血塗れの口で噛み付く。
「真央! 駄目だ、死ぬな!」
真央に絡みついたまま動きを止める魔物の触手を血に濡れた腕で引き剥がし、修は喚く。胴に大穴空けて事切れる真央を抱き、治癒の力持つアリーセを探すも、アリーセの姿は近くに無い。
橋が揺れる。生きながら腐る竜が橋柱にその脚をしがみつかせ、橋の上によじ登ろうとしている。欄干より上に竜の頭が覗く。白く濁った巨大な目玉に見据えられ、修の心に観念の文字がちらつく。
真央の遺体を抱きしめ目前の腐った竜をただ睨み返す修の前、白い影が横切る。恐ろしげな魔物の眸にものの見事な飛び蹴りを食らわせ、人影は橋のワイヤーを掴んで橋の上に戻った。
眸に攻撃を受け、竜が橋の下に再び落ちる。
「ヒーロー、だ……」
修の呟きを受けて、テレビの戦隊もののアクションヒーローそのものの格好をした人影が、――ろっこんの『戦衣着装』で自作ヒーロー『ザ・ストレイト』に変身した
風雲児 轟
が、肩越しに振り返り親指を立てて見せる。
絶望の世界の最中に凛と立つヒーローの姿に、
(希望、……ああ、希望だ)
修の胸に灯が燈る。諦めてはならぬと唇を引き結ぶ。真央の身をそっと寝かせ、立ち上がる。
「橋を守り抜くぜ」
「……ああ」
轟の隣に並び立ち、修は顎を引く。
不気味な血色に染まり沸き立つ海に落ちた竜が吼える。もがいて沈む竜の身から生まれた腐肉の魔物たちが小さな翼を羽ばたかせる。人の倍ある不定形の身を揺らし、橋を渡ろうとする人々に襲い掛かる。
「再会の喜びは後だ! 支援頼む!」
「ああ!」
魔物の姿に些かも怖じず、轟は魔物の群に飛び込む。魔物たちが群がる乗り捨てられた車が『分解』されて砕け散る。足場失いアスファルトに落ちる魔物の群に突っ込み、獲物を狙って伸びる触手を軽いフットワークを駆使し次々とかわす。撹乱しつつ、魔物同士の触手と触手を絡み合わせる。互いに互いを貫かせ同士討ちさせる。
派手な動きで魔物を惹きつけ、逃げる人々から引き離し、修の援護を受けながら己の力で以て化物と戦う。
戦い続けるうち満身創痍となりながら、
「やったか」
「……とりあえずは、な」
ふたりの周りに立つ魔物の姿はなくなった。
魔物の死体に囲まれ、轟と修は背中合わせにその場に座り込む。
同時に息を吐き出し、肩越しに握手がわりの拳を合わせて笑うふたりの耳に、アリーセの歌声が届く。
逃げ遅れ倒れた人々の傷を癒しながら、血を与え続けながら、アリーセは修と轟の前に辿り着いた。人々を助けるうちに化物の一撃を受け、胸からとめどなく流れる血を掌に受け、ふたりの傷に垂らす。
「黒依」
「俺よりお前自身の傷が」
止めようとする修と轟に向け、アリーセは血に濡れた指先を自分の唇に当てて黙らせる。自身から流れ出る血の最後の一滴まで誰かを救う事に使わんが為、ろっこんを発動させる為、傷ついた身体で歌い続ける。
灯が揺れる 嵐に軋む 小屋の中で
目を閉じる 外の世界を 見たく無くて
赤い雫は 誰の為に
暗い嵐に攫われるなら アナタの炎で焼いて欲しい
灯を守る いずれ屋根が 飛ぶとしても
肩を抱き 俯く君が 縋れるなら
救う事が 出来ぬとしても
アナタを想い焦がされるなら 別れの炎も熱くは無い
灯が消える 例え何も 残せずとも
アナタとの 時間までも 消せはしない
絶望に 涙枯れても 振り返れば きっと笑える
最後の一息までを歌にして、糸が切れるように倒れる。
「黒依!」
轟に抱き止められるアリーセの黒髪から、木製のバレッタが外れて落ちる。地面に転がるバレッタを追いかけて、アリーセの胸から血が滴る。
蒼白い指先を伸ばす。同級生の友人が選んでくれた大切なバレッタを拾い上げたいのに、もう指にも力が入らない。
(ああ、……汚してしまった)
血濡れた宝物も、もう瞳に捉えられない。
(洗剤で、落ちるかしら?)
途切れそうな意識の内に呟いて、思わず自嘲を洩らす。とても大事にしていたのに、こんなことで汚してしまうなんて。それを詫びることも出来ず、こんなところで――
「黒依……!」
笑みにもならぬ笑み浮かべて事切れるアリーセを前に、修は端整な顔を歪める。アリーセが最後に触れたがったバレッタを拾い上げ、轟が横たえたアリーセの手に握らせる。
深く深く、息を吐き出す。赤い空を仰ぐ。
「……フツウ崩壊なら、魔物の発生もありうるが」
低く、囁く。
「テオの思念波がない。恐らくこれは現実ではない」
自宅で視たテレビを思い起こす。原因の提示さえない、突然の『世界の終焉』。あれもきっと、これが現実ではない証拠。ならば、
「現実に戻る方法が必ずある」
推論を語りながら、修は橋の上に斃れた人々を見遣る。
「どう見たってこんなの現実的じゃねえよな」
アリーセの血を戦衣に纏い、轟は立ち上がる。命救うことを諦めず、幼い頃から憧れたヒーロー像そのままに笑ってみせる。
修はテオの声が聞こえぬが故にこれが現実に有り得ぬと言うが、
(ろっこん絡みじゃねえってことは、つまりこれが現実に島中で起こってるって事じゃねえのか)
「……いっそ悪夢だったって言われた方がマシだったぜ」
意見を相違させながらも傍らに立つ轟を修は見る。
(或はそれは死ぬ事かもしれないが……)
言葉には出さず呟き、希望捨てぬ強い笑みを瞳に湛える。
「だとしてもだ、いまここに俺達は居る」
旧市街を破壊しつくして、狼の頭持つ巨大な獣人が近づいてくる。
「戦おう」
「おう!」
不合理で不条理な死を前に、轟は勇み立つ。
例え立っているのが己一人になろうとも、前を向いて戦い続けようと誓う。島の人々を外に逃す為に、最後の希望であるこの橋を護らなくてはならない。アリーセや真央の戦いを無駄にしないためにも、
(退かねえ、……退くわけにはいかねえ!)
「行くぞろっこん! お前が『神魂』と呼ばれてるなら今こそその魂全て焼き尽くす時だ!」
戦衣に隠した素顔に笑みさえ浮かべて、
(安心しろ。お前の魂が燃え尽きても、今度は俺が魂焼き尽くして戦うさ)
轟は吼える。
「行くぞ、ここからが本当の戦いだ!」
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月06日
参加申し込みの期限
2015年06月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月13日 11時00分
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