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白霧のその向こう
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まるで雲の中を進むように、刀は歩く。足元さえ覆い隠す白霧を押し退け立ち上がる巨木を仰ぐ。樹皮に埋まる色とりどりのおはじきや町で『鬼』と呼ばれていた異形のものたちを横目、夢に潜りこむに似て進んだその先、――白霧を瘴気じみて纏うた、薄暗い墓所。
入り口を示して、刀の背よりも高い石燈籠が幾つか並ぶも、そこに灯る火はひどく朧に頼りない。
「奥の院に何か御用?」
灯を揺らす燈籠の台座にちょこんと腰掛け、翁面を掛けた頭を傾げる袴姿の少女を見つけて、刀は淡く微笑んだ。
「今日は」
「うん、こんにちわー」
巫女姿の少女の傍に片膝をつき、刀は己の名を口にする。次いで少女の名を問う。
「んー……じゃあ、カンナ」
思い付きのように名乗って笑うた少女は、記憶を対価に故人と言葉を交わせる旨を刀に告げる。
ちょうだい、と小さな両の掌を差し伸べられ、刀は首を横に振る。
「俺には不要だ」
思いを伝えたいと願っていた祖父とは、あの夏の日、夕暮れの鳥居で会った。
言葉を交わしたわけではなかったけれど、
(……あれで十分だよ)
穏かに微笑む刀に、少女は呵呵大笑する翁面で小さく頷く。空の手を袴の膝に乗せる。
刀は霧の空を見上げて立ち上がる。
思い出すのは、此方の世界で邂逅したものごと。
記憶を食べる鬼、気持ちや記憶を金銭のように使っての取引、故人との会話。
「ここでは人の心や記憶、人そのものを形作っているものを扱っているよな」
「いけないー?」
「俺は俺にとって大切なものを守れればいい」
刀は、いっそ吹っ切れた笑顔を浮かべる。けれど、もしも。
「ここが俺の居場所を侵す可能性があるなら、その時に対処できるよう色々と知っておきたい」
だから、と刀はもう一度少女と向き合う。この世界の成り立ちや決まり事、奥の院と少女が告げたこの場にあるものや翁面の意味、思いつくままに少女に問いかける。
翁面を傾けたまま黙する少女に、
「それとも対価が必要か?」
少年は己の心に一途なまま、問いを重ねる。翁面の奥の幼い瞳を見つめてそれを拒む。
「悪いが俺は俺を譲れない」
「自分勝手だけど、少年らしくて嫌いじゃないよ」
面の奥の瞳を瞬かせ、少女は酷く老獪に笑む。
「刀は刀、カンナはカンナ。ひととき交わることは侵すことー?」
唄う口調に言い、舞うような動作で立ち上がる。刀が視線に追ううち、少女の姿は霧に紛れて消える。
霧に惑う刀の視線を感じつつ、少女は霧に黒く立ち上がる墓石や卒塔婆の間を軽い足取りで歩く。
霧に溶ける己の足音に、己のものでない軽い靴音が混じって、少女は翁面を巡らせる。燈籠の光に照らされ、ほんの少し不安げに立つ青いリボンを黒髪に飾った少女の姿を見つけ、弾む足取りで近づく。
(こんなところに一人で?)
跳ねるように近づいて来た幼い少女に、
宮祀 智瑜
は黒い瞳を丸くする。燈籠の淡い光に、少女の顔を覆う面が日暮の翁面と同じと見て取る。
「えっと、日暮さんの知り合い? お名前は?」
「カンナだよー。ひぐれってだあれー?」
「あの、カンナさんと同じお面のひとです」
言ってから、智瑜はあっと声を上げる。慌てた仕草で頭を下げる。
「私は
宮祀 智瑜
っていいます」
「うん。智瑜、日暮とカンナは知り合いなのー」
「やっぱり」
柔らかな笑み浮かべる智瑜に向け、少女は此の場の力を述べた。定められた動作の如く両の掌を揃えて差し出され、智瑜は黒い眼を瞬かせる。
「もしかして」
呟いた途端、智瑜の瞳は喜びに輝いた。
「以前に両親と会えたのってカンナさんの力?」
少女の両掌を取る。あの時感じた嬉しさをそのまま伝えれば、少女はくすぐったそうに声をあげて笑った。
「お勤めを果たしているだけだけど、そう言えなくもない、かなー?」
「ありがとう」
少女の言葉を欠片も疑わず、智瑜は顔中で笑う。せめて何かお礼をしたくて、けれど今持っているのは、さっき鳥居のところで日暮と一緒に作ったお守りのみ。
「ありがとう、カンナさん」
それでも、精一杯の感謝をこめて手渡されたお守りを着物の袂に隠し、少女は智瑜に手を振る。
訪なうものを捜して、再び奥の院を彷徨い始めて、間もなく。
「こんにちはなのですー」
「うん、こんにちわー」
波打つ長い銀髪を纏うた少女がいつの間にか数歩先に立っていた。いつも通りの挨拶をする
ゼロ・シーアールシー
に、少女も動じず返礼する。
「ゼロはゼロなのです。お名前はなんとおっしゃるのですー?」
「カンナだよー」
純白の少女と巫女姿の少女は霧の墓所で対峙する。
「貴女は何なのですー?」
「ゼロは何なのー?」
「ゼロはゼロなのですー」
「カンナもカンナなのー」
そこまで話して、翁面の少女は務めを思い出したかのように墓所に起こる事象を語る。少女はゼロに向け両掌を差し伸べるも、
「ゼロには捧げてもよい記憶はないのですー」
ゼロは銀髪と純白のワンピースの裾を波打たせて首を横に振る。そんなことよりもとふうわり微笑む。
「お話しましょうなのです」
「おはなしー?」
惑うでもなく拒むでもなく、少女は平坦な声で頷く。霧をぼんやりと照らす巨大な石燈籠の台座にふたりで腰掛ける。
「どうやって死んだ人とお話ができるのです?」
「そういうところだからだよー」
「なぜ記憶が対価なのです?」
「そういうところだからだよー」
好奇心のままに問うゼロに、少女は応じるように小さな指を霧の向こうへと向ける。霧に滲む世界に、ぽつり、人影。
「求めるひとが来たのー」
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ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
前回シナリオ
黄昏空のその向こう
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年05月20日
参加申し込みの期限
2015年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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