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白霧のその向こう
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鳥居を潜ったときと変わらぬ顔で、泣き腫らし疲れ果てた顔で、絶望に呑まれた顔で、どこか清々しい顔で、神木や奥の院より戻り着いた人々が鳥居を潜る。各々、鳥居の柱の傍に座す翁面の男に武器を返し、目礼し、再び霧の中に迷い込んで行く。
「この街と記憶の因果ってなんなんだろうね」
先に元の世界に帰り行く人々の背中を黄昏色の瞳に映し、
桜庭 円
は巨大な鳥居の柱に華奢な背を預ける。掌に握り締めていたはずのおはじきは、鳥居を潜った瞬間に僅かな温もりを残して溶けて消えた。
視線を落とし、相変わらずお守りを作り続ける翁面の男に問いかける。
「あんたはあんたの世界の因果を知っとるんか」
「うーん……」
問いに問いを返され、円は腕を組む。
「わかんないことばっかりだ。でも、だからこそ知りたいと思うんだよね」
ひょいとしゃがみこむ。面に隠れた男の瞳を覗き込む。
「……あんたの世界のことは知らへんけど。わしらの此処は記憶を素としとる。やさけ此処に住む限り奪われるんはしゃあない」
「それを解ってて此処に残る魅力もなんなんだろう」
「わしは此処にしか居られへん」
「お兄さんの時は記憶取り戻せたの?」
男の手が止まる。ついでに針で指先を突いて、小さく舌打ちする。
「……戻せとったら、此処には居らん」
「日暮さんが会いたくても会えない人っているんですか?」
小さく血の滲む日暮の手を、鳥居を潜り抜けて戻ってきた
宮祀 智瑜
がそっと取る。素早く絆創膏を取り出し、慣れた手つきで指先に巻き付ける。
「ずっと奥で、巫女さんに会いました」
「ああ、そない奥まで行ったんか」
指先に巻かれた絆創膏を物珍しげに見つめ、日暮は小さく頭を下げる。僅かの間考え、低く呟く。
「……おるよ。会いとても会えん人。やさけ今も此処でこないしてお勤めしとる」
「いつか会えるのかな?」
祖父との記憶を取り戻し得た円に問われ、以前亡き両親との邂逅を果たした智瑜に見つめられ、日暮は面の奥で淡く笑う。
「せやな、会えたらええな」
絆創膏の手を伸ばし、少女達の背を軽く叩く。
「いつまでもこないなとこ居らんと。もうお帰り」
少女達を見送り、面に隠れた視線を鳥居の向こうへと振り返らせる。霧に滲んで、ふたり分の影と足音。
「戻ったな。何よりや」
「……グレちゃん」
八神 修
に手を引かれる格好で霧の帳から現れた
後木 真央
は、翠玉の瞳を哀しく歪めた。
肩を落とし項垂れる真央の手を引いたまま、修は鳥居を潜る。翁面の男の前に跪き、借り受けた弓一式を返す。
「あの場所は何なのです? 何故記憶を集めているのですか?」
「何や言われてもな。……記憶集めて世界の素とする。神木はそのカラクリの親分や。『鬼』は言うたらそのカラクリの腕や。やさけな、」
真央、と呼ぶ。
「『鬼』共は、あんたがそない情掛けるような存在やない」
日暮の言葉に、真央は駄々をこねるように首を横に振る。
ここまで連れて来てくれた修の手を遠慮がちに引き剥がし、日暮に詰め寄る。
「この世界の対価が記憶なら、ここを守る神木のゴハンだって記憶だと思うのだ」
「まあ、そない違とらんかな」
「自分の大事な記憶が永遠の一瞬を支えるなら、それは悪くないって思うのだ」
己が心の思うままに突き進もうとしながら、真央はほんの少しだけ怖じた色を瞳に見せる。
「……選べればもっと怖がられなくて済むと思うけど」
失いたくない記憶は確かにある。
真央は傍らの修をちらりと見遣る。その視線を気付かれない間にもう一度日暮に視線を移す。
「影ちゃんが、……他の鬼さんも、寂しくなくて怖がられなくて、お腹を減らさなくて済むように、そう思ったのだ……」
それなのに、日暮は『鬼』を機械のように言う。空腹など知らぬと。感情など持たぬと。彼らはあんなにも懸命に何かを求めて見えるのに。
寂しいのは嫌だ。怖がられるのも、お腹が空くのも、だってとても辛い。
「それはあんた自身のことやないんか」
切り付けるような日暮の言葉に、真央は目を瞠る。違う、と首を振りかけて、修に手を取られた。
「真央。俺は、真央が真央の記憶を失くすのは嫌だ」
日暮は面の奥で笑み浮かべる。着物の袂から、先に真央から貰った飴玉を取り出し、包紙を除いて真央の口に押し込む。
「手ェ、離さんように帰り。このまんまやとその子、こっちで迷てまうかもしれん」
飴玉の甘さに言葉を封じられ、親友の少年に手を引かれ、真央は足元さえ霞ませる白霧を踏む。
元の世界に帰ろうとする少年少女に、翁面の男は手を振る。
「まだ帰れるんやさけ、あんじょうお帰り」
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あとがき
担当マスター:
阿瀬春
ファンレターはマスターページから!
お待たせいたしました。
『白霧のその向こう』、お届けにあがりました。
みなさま、とても熱いアクションでした。
その熱に少しでもお応えできていればいいのですが……。
少しでもお楽しみ頂けましたら幸いです。
ご参加頂きまして、読んでくださいまして、ありがとうございました。
またお会い出来ますこと、楽しみにしております。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
前回シナリオ
黄昏空のその向こう
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年05月20日
参加申し込みの期限
2015年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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