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満月の夜に
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寮の窓に空の茜が映る。
青空の下の海の色した瞳に鮮やかな夕日を映し、
小山内 海
はふうわり笑んだ。左右、明るさの違う瞳に夕焼けの光を宿したまま、腰掛けていた椅子から立ち上がる。机の上に広げていたクロッキー帳を閉じ、鉛筆を仕舞う。
このまま寮で絵を描いていてもいいけれど、そう言えば今日は中秋の名月。高く晴れた空に雲は少ない。秋の夜空には何よりも眩しい月の光がきっと満ちる。月が明るければ、色んなものがいつもと違って見えるかもしれない。
(せっかくの機会だから)
今日は、前に見つけたとっておきの場所から月の絵を描こう。細い路地と勾配のきつい九十九折の階段の先の、小さな秘密の場所。あの日の朝、彼と素敵な景色を見ることが出来た、お気に入りの場所。
一生の宝物と心に刻んだあの眩しい朝とはまた違った絵が描けるに違いない。
よし、と頷く。片側に高く結い上げた明るい栗色の髪が大きく揺れた。
目的地までの道筋を頭になぞりながら、上着を着込む。秋の入りとは言え、夜は冷える。こんなに天気がよければ、尚更。
いつものスケッチブックと画材を鞄に詰めて、帰りの時間に暗さを思って懐中電灯も忘れず持って。
(そうそう)
寮の食堂であったかいお茶を貰おう。魔法瓶に入れて持っていけば、寒さを凌ぐ助けになる。
窓の外には九月の茜空。月が空高く昇るまでにはまだ時間があるけれど、階段を登りきるには結構時間が掛かる。少し余裕をもって早いうちから出かけた方がいい。
鞄を片手に部屋を出て、食堂に立ち寄る。魔法瓶にお茶を詰めて、準備は出来上がり。
(さぁ出発だ)
足取りも軽く桜花寮を出る。刻々と暮れ行く夕陽を瞳を細めて見送り、紅と黄金の色に染まる街並を眺めながら足を早める。
秋の日暮れは早い。
黄昏に滲む細い路地に入り込む。懐中電灯を使うにはまだ明るく、けれど心細くなるような薄暗がりに唇を引き結ぶ。足早に路地を抜ける。
濃紺へと色合いを変える空に背中を押され、緩やかな坂を小走りに過ぎる。足を緩めて息を整え、最後の関門、急勾配の石段に挑む。
赤く錆びた見た目の割には頑丈な手摺を片手の支えに、石段を一段一段、確実に足に踏んで登る。幾度か道を折れ、前はこの辺りで、と携帯電話を潜ませた上着のポケットにそっと触れる。着信の気配のない携帯電話に息を吐いて、ちらり、笑む。先を見据え、足を休めず登る。
昼間の熱が残る空気に汗を流し、息を乱し、疲れた足を持ち上げて辿り着いたそこは、長く人の手が入っていない、雑草と木々に覆われた更地。
大きく息を吐き、汗の滲む額に貼りついた髪を指先で払う。夕陽の光の最後の一筋に瞳を瞬かせて振り返れば、眼前に広がるは宵の色に染まる街並と寝子島を包み込んでどこまでも広がる宵の蒼よりも深い色した海。
さざなみに似て寄せる涼やかな風に火照った頬を撫でられ、海は思わず唇に笑みを刻む。石段の一番上に腰を下ろして、石の心地よい冷たさにまた少し笑う。
鞄から魔法瓶を取り出す。温かいお茶で乾いた喉を潤して、一休み。ここでこうして、月がいいところに来るまで風景を眺めていよう。
宵の町に明りが灯る。
秋の海に月が光を落とす。
東の空をゆっくりと翔るまん丸の月を見止め、海はスケッチブックを広げる。満月とその明りに照らされる街の風景を、白い紙の上に描く。
白銀の月明りを、街に灯る人工の光を、月と街灯が映し出す影を、瞳に映るその美しさを、一枚の紙に写し取ろうとする。
一気呵成に月の町を描き上げ、現実の街と紙に切り取った街を並べて見比べる。スケッチブックを閉ざし、描き始めた頃よりも更に高い空に昇った月を仰ぐ。
夜風に冷えた身体をお茶で温めながら、静かに静かに、月を見つめる。月に照らされる街を見つめる。
(せっかくなんだからちゃんと楽しまないとね)
月の光を浴びて、少し眠たくなった瞼を擦る。持って来たお茶もそろそろ尽きそうだ。
(いい絵も描けたし)
お月見も楽しめた。
遅くなれば、寮の友達をきっと心配させてしまう。
鞄に魔法瓶とスケッチブックを仕舞い、代わりに懐中電灯を取り出して立ち上がる。急な階段を踏み外さないよう、ゆっくりと足を踏み出す。電灯がなくても自分の影が見えることに気付いて、月をもう一度見上げる。
そっと、空へ指先を伸ばす。
(触れられるかな、触れられないかな――)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月01日
参加申し込みの期限
2014年12月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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