せんせいといっしょ：浅井先生編｜リアクション

せんせいといっしょ：浅井先生編

・夕食を作ろう！！
　散策の時間も終わり、休憩を挟んで夕食の準備に取り掛かる。テントに残っていた４人がある程度準備を整えてくれていたので、スムーズに調理する事ができた。また、火に関しては轟と礼二郎のお陰で比較的楽に起こす事が出来た。
　料理は簡単なモノしか出来ないから、と耀は率先して火の管理をきっちりと行い、そのお陰もあって飯盒のご飯がふっくらと丁度よい加減で炊く事が出来た。

　調理場では、柳司が片っ端から野菜の皮を剥き、流れ作業的に複数のメンバーで切っていた。羽衣はといきからアドバイスを貰いながらまな板に向えば、テキパキと切っていく。
「いい調子だにゃ！　羽衣ちゃん、スジがいいにゃよ」
「えっ？　ホント？」
　そんな風にといきに言われ、羽衣は嬉しそうに目を細める。その傍らでは時子も手際よく材料を切り進めていた。
「カレーのルーが数種類……。なるほど、シーフードカレー用にビーフカレー用だな」
「そういう事だ。抜かりはない」
「鶏肉は浅井先生が持ってきているそうだよ」
　材料を取りに来た勇が、揃った具を見て頷く。刀は色々なカレーを食べられたらと思い甘口・中辛・辛口と３種類のルーを持ってきていたのだ。因みに下ごしらえ用として修が持ってきた調味料も大活躍している。３人は出来上がるであろうカレーに思いを馳せ、表情を綻ばせる。
　また、今回は量が量なので分担して切る事で作業効率を上げた。材料の大きさをそろえたり、女子のことも考えて少し小さめに切ったり、と刀の提案に時子たちも乗る。
　サラダの準備では、空音がるんるんと綺麗に盛り付ける。食欲をそそるようなサラダにしよう、と張り切っているようだ。

　一方、猯利と士、冥はテーブル等をセッティングしたり、食器を出したりと準備を進める。真央もまた料理の準備の傍ら、配膳準備を整える。
「そろそろ出来上がりかしら？」
　すぐ食べられるように、と席の前にスプーンを置きながら調理場を見れば、ヤマメも塩焼きにされていた。余った分は明日、炊き込みご飯にもなるらしい。
「実は数匹修ちゃんと猯利ちゃん先輩に貰ってて、燻製も作っているのだ」
「……そつないな」
　真央がにゃふっ、と楽しげに言えば士が感心したように唸る。そんな様子の後輩たちに、猯利は自然と小さく微笑んでいた。

1日目・夕食の献立
カレー３種（チキンカレー、ビーフカレー、シーフードカレー）、サラダ、焼き魚、西瓜、炙ったかまぼこ

「「いただきます！！」」
　皆で手を合わせて、感謝を込めて食べれば味は最高だ。
「これもどうぞ」と、といきが持参した小田原名物のかまぼこも炙って食卓にならび、焼き魚やサラダと食卓は賑やかになった。
「それにしても、米を四合も持参した人って多いんだな」
　轟が大盛りにしたカレーを食べつつ感想を漏らす。彼の他に真央、勇、耀、礼二郎が大めに持ってきてくれた為余裕もあり、夜食用にとおにぎりも用意される。
「これは軟らかくていい肉だな……」
　礼二郎が目を丸くする。彼が食べているビーフカレーだが、牛肉の提供は修である。よい肉というのもあるが、下ごしらえもよく出来ているからだろうか。
「こっちのシーフードカレーも丁度いい辛さだな」
　冥が持ってきた魚介類が新鮮だったのも勝因の一つだろう、と刀はにこにこと食べつつ生卵とまぜまぜ。興味深そうに勇がみれば「こういう食べ方が好きなんだ」と刀は言う。