せんせいといっしょ：浅井先生編｜リアクション

せんせいといっしょ：浅井先生編

転：夜もキッチリ遊ぼう！

・温泉でまったり
　一行が温泉に到着すると、早速ロビーで男子と女子に分かれる。
（男湯と女湯、別れていてよかった……）
　ほっと胸を撫で下ろす鮫ノ口礼二郎。その傍らでは浅井幸太が次のスケジュールについて連絡する。
「就寝の午後１０時半までは基本自由行動だ。ただ、ハイキングコース方面は午後１０時になると門が閉まるから、注意する事。ホタルを探しに行く人もいるかと思うが、暗いから懐中電灯は忘れないようにな」
　生徒たちが返事をすると幸太は安心したように笑った。
（温泉の後にでも、川に涼みに行こうか）
　橘勇が眼鏡を正しながら考え、男湯のほうへと歩いて行った。

「はにゃ？　冥ちゃん、女湯はこっちだよ～？」
「……残念だけど、あたし、男よ？」
　桃原空音は、秋風冥を女湯に呼ぼうとして訂正されていた。彼とクラスが一緒である青物といきが「そうなのにゃ」とうんうんと頷く。
「おーい、秋風！　何してるんだ？」
「先に行くで」
　工藤耀と浅沼柳司に呼ばれ、冥は「直ぐに行くわ」と返事をし、踵を返す。その背中を見送って「あんなに可愛いのに」と溜め息を吐く空音にといきは苦笑した。

　女子は５人しか居ないため、温泉がより広く思えた。御巫時子は湯煙に目を細めながら夜行性の鳥との会話ができそう……、と窓の外を見つめて少しわくわく。そんな彼女を鴇波羽衣は少し羨ましそうに見つめている。小柄な彼女としては、時子のスタイルが気になるらしい。
「ふぅ、いい気持ちだなぁ」
　のんびりお風呂の中で伸びをしつつもちらり、と時子を見るとちょっと胸の中がもやもやしてしまう羽衣だった。

夕食の片付けの後、日課としている鍛錬をしていた御剣刀は、その汚れを丁寧に落としてから湯船に浸かる。程よい温度に心地良さを覚え、彼は普段よりもほっこりとした笑顔を見せる。
（身も心も綺麗になる温泉はいいよなぁ）
　なんとなくぼーっとしていると、風雲児轟や八神修もまたのんびりとした笑顔で湯に浸かっている（因みにカーキーはというとオーナーに預かってもらっている）。邪衣士は「やっと本調子に戻ってきたな」と呟きながら肩を回している。
　因みに、一足先に上がった亜魚隈猯利は、早めに休んで明日も朝からひと釣り行こう、と考えていた。