せんせいといっしょ：浅井先生編｜リアクション

せんせいといっしょ：浅井先生編

・テントを張ろう！
「それじゃ、早速テントを張ろう！」
　少し休憩した後、風雲児轟の号令でテントの設営が始まった。亜魚隈猯利は黙々と手際よく道具を出し、慣れない者には轟の他探検部である邪衣士が的確なアドバイスをしながら作業を進める。ちなみに士は相変わらず熊の毛皮を被っており、かなり目立っていた。
　礼二郎と御剣刀は協力し合ってしっかりとポールを立てる。礼二郎はこの日の為に天と設営などキャンプの知識も学びなおしていた。そのお陰で刀もスムーズに設営に取り掛かることが出来た上、解らない部分は幸太に確認を取る事で的確なアドバイスを受ける。
「力仕事は、俺たち男子に任せておけ」
「なんか頼もしいにゃー」
　刀の言葉に青物といきがそう言えば他の女子たちも頷く。そうしながらも彼女たちもまた、役割分担しつつテントを張っていた。水はけ用のシートをぴん、と張ったり、ワイヤーを入れたりとこちらも大変だ。こっちも探検部の一人である後木真央がアドバイスしつつ立てている。
「テント標準４名だけど……まさか女子４：１？　２：３じゃないのだ？」
「今回は男子で２つ、女子で１つのテントを使うぞ。あと、食事用のだな」
　真央が首を傾げていると、幸太が説明を加える。因みに今回は人数の都合上、女子がドーム型、男子が山形のテントを使用する事となった。

（そういえばだが……浅井先生、大丈夫だろうか）
　ふと、士はそんな事を思いながらペグを斜め４５度に打ち込む。ちらりと見たのは同じようにペグを打ち込む作業をしている空音。彼女がちょっと（かなり？）変態的な行動を起こすので場合によっては肉体言語での説教（？）を行っているのが士だった。
　ぱっ、と観た限りでは空音はといきと一緒に幸太からアドバイスを受けたり、「そういえば昼の自由行動、何するか考えてなかった」と我に帰ったりしている。
（何事も無ければいいがなぁ）
　なんて考えていると、轟に肩を叩かれる。我に帰ると、
「士、ペグはそれぐらいでいいと思うぞ」
「ああ、強くやりすぎたかな？」
　少し土にめり込んだペグを見、２人はとりあえず撤収時に抜ける事を祈った。その傍らで、猯利は傍らの土に触れて恐らく抜けるだろう、と考える。

（ロープは、これぐらいなら大丈夫か。ペグもきっちり打ち込んだな）
　勇が指差し確認をし、辺りを見渡すと男子用のテントも女子用のテントも全て出来上がりつつあった。知識のあるメンバーのお陰で特にトラブルも無くスムーズにテントが張れたと言える。
「そっちは、大丈夫かい？」
　と女子に問えば、といきと羽衣が「大丈夫」という。ドーム型のテントは山型のテントに比べて張り易いというのもあり、スムーズに作業は進んでいく。
「何かあったら言ってくれ」
　勇はそう言うと、他に手間取っている作業が無いか見て回った。

　テントが全て設営されるのを見計らって、幸太が希望者の寝袋を持ってきた。それを受け取ると早速テントに入れる。初めてテントで寝る時子は、受け取った寝袋を抱きしめて嬉しそうに微笑む。
「テントは初めてなので、ドキドキしますね」
「にゃっふ～♪　これから楽しみなのだ」
　彼女の言葉に真央が猫のような笑みで相槌を打ち、皆も頷く。幸太は片付けも終った事を確認すると笑顔で向き直る。
「それじゃあ、自由行動だ。皆、気をつけて遊ぶこと！　では、解散！」

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