数多の夜を超えし腐敗の王（アサリ）｜リアクション

数多の夜を超えし腐敗の王（アサリ）

●ろっこん発動！　ポロリあり！

　泳ぐのをやめ、海の家で休憩しようと海から出ようとする常闇月の肩に何かが触れた。
　肩を見るとそれは触手で、水着の中に潜り込もうと動いている。
「一体どこから……？」
「ごめんなさい！　わざとじゃないの！　ろっこんが発動しただけなの！」
　謝る朝野未沙の両手両足は、触手に変化していた。
「そういうことでしたら、早く海から出てください。他の皆さんに知られるとまずいです」

　忠告通り海から出ようとする未沙は後木真央の側を過ぎようとしたが、真央が気になり、つい立ち止まる。
「何かが真央ちゃんのお尻をナデナデしたのだ！」
　ごめんなさい！　と心の中で謝りその場を去ろうとしたが、海には可愛い女の子がいるので出ようにも出られない。
　女の子達と一緒にいたい気持ちを堪えて出ようとするが、誘惑には勝てず。
「……気持ち悪い」
　恵御納夏朝は、触手に太ももとふくらはぎを撫でられた。
「どうしたの？」
　夏朝を心配した椿美咲紀が近づくと同時に、何かが水着の中に潜り込んだ。
「やんっ！」
　蠢く触手が、水着の隙間に入り込んだようだ。そのどさくさに紛れ胸を揉んでいる。
「椿さん、早く出てください」
　駆け寄る月だったが、水着の紐が触手にひっかかり解けた。
　波と戯れている八神修、他の男性陣に見られないよう慌てて両手で胸を隠す。

　周囲の騒がしさに気付いた桜崎巴が泳いで近づこうとするが、月に「来ないでください」と制止される。
　その間、月以外の触手の被害に遭った女の子達は未沙から離れ、海から出た。
　どういうことか説明しろと詰め寄ったその時、触手が巴に襲いかかる。
「何だいこの触手は！　ビキニのブラ取って、あたしの胸をポロリさせようってのかい　いい度胸だねぇ」
　触手を素手で掴み、強引にエロ行為を阻止。
「触手だろうが容赦しないよ！」

（このままじゃ『らっ！倫』にひっかかっちゃう！　そんなことになったら、あたし、どうなるの！？）
　うっかりろっこんを発動させてしまった本人は、ラキスケ状態な海でそんなことを考えていた。
「ご、ごめんなさい！」
　興奮を抑えようと頑張るが、触手に好き勝手に襲われるダイナマイトバディの巴を見て更に興奮。
　それにより、触手の動きが早くなっている。

　泳ぎに来た御剣刀は、海が騒がしいので何事だ？　と見ると、巴が両手両足が触手と化した女の子に襲われているのを目撃した。
「止めないと！」
　刀に続き、修が急いで駆け付けて未沙を羽交い絞め。
「何をやっている！」
「早く上がれ！」
　月と巴の側にもっといたい気持ちもあるが、興奮を抑えられそうもないので彼らに大人しく連行される未沙だった。

　触手騒動で水着の紐が解け、あわれ、ポロリ状態になってしまった月。
　脱げたところを男性陣に見られたので、そっぽを向き、恥ずかしさのあまり赤面して海に潜って身を隠す。
（……恥ずかしい？　何故でしょう？　今までは、そんなことはなかったはずなのに）
　八神さんがいるから……？　と修のほうをチラ見する。
「なるほど、そういうことか。ろっこんが発動したとはいえ、皆に迷惑をかけたんだ」
「俺も八神と同意見だ。あの子達が海から出たら、ちゃんと謝れよ」
　修と刀にお説教され、しゅん……となる未沙。
　水着を着直した触手の被害者達は、とんだ目に遭ったと海を出た。
「ごめんなさい……。あたし、可愛い子を見ると興奮しやすくて。興奮している時に水分が身体に付着すると、ろっこんが発動して、両手両足が触手化するの……」
　事の成り行きを説明して、頭を下げて迷惑をかけた女の子達に謝る。
「あの触手、未沙ちゃんのろっこんだったのだ？」
「……そうだったんだ」
「そういう事情なら仕方ないわね」
　真央、夏朝、美咲紀は、未沙が泣きそうなのに気付いたので許すことに。
「あんたのろっこん、いい根性してるじゃないか。悪気があったわけじゃないから、今回だけは見逃してやるよ」
「事情はわかりましたが……恥ずかしかったです……。これからは気をつけてくださいね」
　月、巴も未沙を許した。
「ありがとう、皆……本当にごめんなさい！」