数多の夜を超えし腐敗の王（アサリ）｜リアクション

数多の夜を超えし腐敗の王（アサリ）

●今回の勝敗は？

　勝負は、水着ポロリ作戦を実行するマフィアチームが優勢だった。
「ろっこんを使わなくても……えっ……ポロリ！？」
　チラリズムに気を取られた御剣刀の連続ミスで、点差は開く一方だ。
「……刀くんのエッチ」
「……違うんです！　仕方ないんです！　男の性ってやつなんです！」
　北原みゆきに冷たい目で見られ焦る刀を、響タルトが冷やかす。
「御剣くんはムッツリだねー」
「あんたは、やっぱりムッツルギ刀だ」
　桜崎巴の言葉に反論できず。反論する気がすっかり失せ、何も言えずな刀。

　マフィアチームサーブ前に、タルトが巴を呼び出す。
「何だい？」
「あのね……」
　巴にだけ聞こえるよう、コソコソ作戦内容を話す。
「……ほほう、なるほどね。やってみるよ。いくよ！」
　刀狙いのサーブの後、「おっと、パンツがポロリしそうだ！」と慌てたふりを。
　サーブ前にビニキパンツの紐を緩めたので、下手するとポロリのピンチに。
「もうそんな手にはひっかからない！」
　ポロリ作戦でこれ以上の失態は見せられない刀は、気合いを入れボールを追いかけるが……。
「巴ちゃん、紐！」
　タルトの声に反応してしまい、思わず見ると……本当に解けかけてポロリになりかけていた。
　赤面し、顔をそらしたのが災いし転倒。
「どうだい、これが作戦勝ちってやつさ！」
「き、汚いぞ……」
　コートに突っ伏したまま呟く刀を見て、勝ち誇る巴。
　気を取り直した刀、ねむるは倍返しだ！　と挑むが、ポロリ作戦に翻弄。

　コートの側を椿美咲紀、常闇月と通りがかった八神修は嫌な予感がした。
「八神さん、どうしたんですか？」
「なぜか寒気が……」
「ぶちょー、夏風邪ですか？」
　女の子に心配させてしまったな、と苦笑する修。
（次のサーブは、外野に誤射といくか）
　少し飽きてきたので、巴は側にいる誰かにわざとボールをぶつけようと目論む。
「桜崎達がビーチバレーをしているな。どっちも頑張れよ」
　勝負の最中に応援する修の顔面に、コートからそれた巴のスパイクが直撃。
「リア充でもないのに何故っ……！」
「ごめんよ、わざとじゃないんだ」
「あ、ああ……」
　ボールが当たったショックで鼻血が出てしまった修は、鼻を押さえながら俯き加減に言う。
「リア充じゃないと言ってましたけど、傍目には今日も両手に花のリア充ですよ、ぶちょーは」
「そんなことない」
「ビアガーデンで常闇さんとデートの目撃情報ありですよ？」
　ボソリという美咲紀は「新聞部は、ぶちょーの行動もお見通しなのです」とキッパリ。
「椿さん、八神さんを介抱しましょう。鼻血を止めないと」

　捜査官チームは奮闘するも、マフィアチームの作戦に勝てず。
「って、え！　ポロリ？　ぎゃっ！！」
　顔面レシーブで崩れ落ちてしまった日暮ねむるは「そ、そんなんあり……？」と気絶。
　ねむるがリタイア、刀が戦意喪失したので、ここで試合終了。マフィアチームの勝利が決まった。
　やった！　とハイタッチして勝利を喜ぶマフィアチームの面々。
「お互いの健闘を讃えてラムネで乾杯しない？」
　みゆきの提案に賛成！　と手を挙げる勝者達。
「御剣くんに奢ってもらおう」
「あたしらが勝ったんだ。それくらいは当然だよねぇ？」
「えっ？　俺が支払い！？　……はい、喜んで奢らせてもらいます」
　５回も反応したので、気持ち的に弱い刀はビーチバレーをした全員に奢ることに。

　美咲紀と月に支えられて海の家に来た修を見た檜扇唱華は「どうしたんですか？」と心配して駆け寄る。
「鼻血が出ただけです」
「鼻血が出ただけです、じゃありません！　上体を起こし、床に座る姿勢をとって顔をやや下に向け、血液が喉に流れないようにしてください」
　３人を壁際の席に案内し、修を壁によりかからせる。
「鼻血が止まるまで、その状態で座っていてください」
　檜扇さんには敵わないな、と修は、おとなしく言うことをきくことにした。