【＃16　話題のネコトピアへ行ってきましたニャ】

　みニャさん、海は好きですかニャ？　ボクはあんまり、ですニャ。ボクが泳げないから言ってるんじゃあニャくって、猫ならだいたいみんな、海なんて好きじゃあニャいですよね？
　ところが世の中には、こんな海の上に、猫用のリゾート施設を作っちゃう『ねこ』もいるんだから驚きですニャ。
　今日は週刊かぎしっぽのヘルプで、取材ですニャ。ボクのほかにも、『ねこねこ新聞』とか『週刊にゃーご』とか、『にゃんにゃんタイムス』とか、記者猫さんがいっぱいですニャ。
「明日は～、明日のォ～、風が～吹くゥ～ニャァ～ン♪　やあやあ記者猫のみニャさん、お揃いで！」
　こちらのねこが株式会社ネコトピア代表取締役、オーナーのレオ・オブリーオさんですニャ。胸に輝くメダルには万年筆、スパナ、剣が組み合わされた紋章がついていて、総責任者の証なのだそうです。
　あ、猫じゃなくて、二本足で立って歩く『ねこ』ですニャよ？　ねこについては、このへんの映像が分かりやすいですニャ。リンクを張っときますニャ。
「猫とねことおさかなのための海上リゾート、『ネコトピア』へよ～こそだニャ！　楽しいアトラクション、スリル満点の乗り物、美味しいグルメニャどニャど、ネコトピアにはお楽しみが盛りだくさんニャ！　夢の世界を思いっきり、楽しんでいっておくれニャ～！」
　というわけで今日は、このたびオープンした巨大海上リゾート施設から生配信をお届けして、
「おお～～～っ！」
「あーーー！」
　うん？
「アヤカーーー！　久しぶりだニャア！」
「レオ！　会いたかった……！」
　むぎゅうとオーナーを抱きしめたのは、綾辻 綾花ちゃんですニャ。お隣には、早川 珪くんもちょっぴり困惑顔で立っております。
「レオ、お招きありがとう！　みんなといっしょに来ちゃいました♪」
「おおー、あの時手伝ってくれたみんニャといっしょに来てくれたんニャ！　ありがとニャー！」
「ついに完成したんですね、ネコトピア！　イルカのルフィは元気にしてる？　あれからテオとは連絡取ってるの？　なにか困っていることはない？」
「ニャっはっは、まあ落ち着くニャ、アヤカ。施設の案内がてら、教えてやるニャーぜ」
　そうそう。綾花ちゃんとレオ氏は、お友だちなんでしたニャー。詳しくはこれとかこれとか、この動画を見てくださいニャ。リンク張っときますニャ。



　きらきらの海！　白い雲！　ビーチに寝転ぶ、ミズギを着たたわわな美猫たち……！
　こ、ここは最高のリゾートですニャ！
「珪先生、こっちこっち！　こっちです～！」
「あはは。元気だね、綾辻さん。それにしてもここは、不思議な場所だね……」
　レオ氏にひととおり施設を案内してもらったあと、ボクたちが案内されたここは、ビーチですニャ。ボクも綾花ちゃんのお誘いで、いっしょにお邪魔させてもらいましたニャ。
　綾花ちゃんも珪くんもミズギを着て、ネコトピアを楽しんでおります。

ミズギ姿の綾花ちゃんの画像も張っときますニャ　※まとめニャログ『ネコ速』から転載
「ジョニーくん、『ねこまんマグロ』食べる？　レオもどう？」
「いただきますニャ～。ふおっ？」
　ボクの目の前の透明なチューブを、でっかいお魚が通り過ぎていきましたニャ！　びっくりですニャ。
「綾辻さん、これ、どうなってるんだい？　魚が機械やらなにやらを動かしてる……のかな？」
「はい、＜おさかなサイエンス＞っていうんですよ。レオが発明したんです」
「へええ。すごいもんだね」
「えっへんニャ」
　動画を見た方はご存知ですニャけど、ネコトピアはもともと海に沈んだ街でした。それを綾花ちゃんたちがアレコレして、ニャんだかんだあって、海の上の猫用リゾートに改装されることになったのです。
　ニャんとも、スケールのでっかいお話です。
「いろいろあったニャけど、アヤカたちのおかげで、ここまで来れたんニャ。ホントにオレ、感謝してるんニャぜ？」
「綾辻さん、ずいぶん大冒険だったんだね。よく頑張ったね」
「えっと。そんなに褒められても……なにもでないですよ？　もう」
　綾花ちゃんの『てれがお』、いただきましたニャ！



　いやはは。さすがに遊び疲れましたニャ。ビーチバレーにスイカわり、ひなたぼっこに、おさかなバスに乗っての海中散歩に……クタクタですニャー。
　金色の夕日に照らされて、綾花ちゃんと珪くんの横顔がきらきら輝いておりますニャ。
「珪先生……突然、すみません。こんなところに連れてきちゃって」
「いや、僕もいつの間にかここにいたからね。むしろ、綾辻さんがいてくれてほっとしたよ。その……」
「はい？」
「水着。似合ってるね」
「えっ？　あ。えと……ありがとう、ございます……」
　おおっ。ニャんだか、いいフンイキですニャ！
　これは、しますかニャ？　交尾しますかニャ？　カップルは交尾するものですからニャ！
「……ジョニーくん。聞こえてるから……」
「な、なにを言ってるんだ君は！　綾辻さんはほら、大切な生徒なのであって、僕が……するなんて、そんなこと……！」
　あー、はいはい。どー見てもカップルなのにカップルじゃニャい、ってあれですかニャ。人間の『カップル』は猫のつがいと違って、複雑なんですよニャアまったく。
「おーし、みんニャ！　晩メシにするニャぜ～。今日はビーチでバーベキューニャ！　マタタビドリンクもあるニャーよ」
　ニャッホー！　タダメシですニャ！
「はは。本の中の物語みたいな、こんな貴重な体験……きっと、綾辻さんのおかげだね。ありがとう」
「いいえ。珪先生だけじゃ、ないですよ？　私だって、ほら。こんなにドキドキしてる……」
　マタタビドリンク！　バーベキュー！　おさかなに乗っての海中散歩にスイカわり、美猫たち！
　みニャさん、話題のネコトピアは、サイコーに楽しいリゾートですニャア～よ！