<これまでのあらすじ>
まぼろしの『ねこだい文明』を求めて寝子島を訪れた、旅ねこのレオ。
彼とともにたどり着いたのは、なんと海底に築かれた巨大都市。その名も、『ネコトピア』!
不思議な技術、『おさかなサイエンス』によって今も動き続ける海中の楽園。
けれど、訪れたみんながその内部を探索するうちに、さまざまなことが分かってきました。
楽園に見えたネコトピアを、住人であるねこたちは出ていきたがっていたこと。
そのために内紛が起こっていたこと。
さらには工場の深部に、戦闘用のロボットまで発見してしまったのです。
やがてみんなの前に姿を現したネコトピア宰相、しゃべるイルカのルフィは、旅ねこレオへと告げました。
『あなたこそ、ネコトピア王……レオーネ・オブリヴィオン・デ・ネコトピアさま!』
そしてついに、宰相ルフィの計画が動き出します。
『今こそ、世界中の全ての<ねこ>と<猫>を、このネコトピアへと連れてくるのです!』
ねこだい文明を巡る冒険は、果たしてどんな結末を迎えることとなるのでしょうか……!?
ネコトピア王宮にて、相対する来訪者たちと、ネコトピア宰相・イルカのルフィ。
車輪つきの大きな移動水槽の中で、イルカがつぶらな瞳を瞬いた、その瞬間。
しゅどどどどどど……!!
「こ、この音は……!?」
地響きとともに聞こえてきた激しい空気音に、
綾辻 綾花は、窓の外を見やります。
大きな大きな空気ドームの、その外側。ネコトピアから発射されたなにかが、ぶくぶく泡の尾を引きながら海上へ昇っていくのが見えました。それもひとつではありません、たくさんです。
右手には斧、左手には盾。背中には大砲を背負った、金属の塊。胴体の真ん中でちゃぷんと揺れる水槽の中には、パイロットであるイルカがすっぽり収まっています。
それは工場の地下で目にした、あのロボットたちだったのです。
「な、なにをしたんですか? なにをするつもりなんですか!?」
『うふふ。栄光のネコトピア、その復活の時が来たのですよ』
ルフィは水槽の中でくるりと翻り、悠然と言ってのけました。
『ネコトピア王の帰還により、都市の全ての機能が覚醒したのです。ねこと魚の楽園、その真の姿を、今こそ取り戻すのです……うふふふふ、ふふふ!』
「はニャ!?」
しゅるるるるん! 外へ気を取られた隙に、ルフィの移動水槽から飛び出した無数の細い機械の触手が、あっという間に旅ねこレオを絡め取ってしまったかと思うと、
「ちょ、ニャんニャこれ、動けニャい! ニャにすんニャー!?」
『ここはねこと魚のための都市ですから、人類の皆さまは、早々にどうぞ引き取りを。それでは、ごきげんよう』
「うニャーーー」
床にぽっかり空いた穴は、エレベーターでしょうか。レオを捕らえたルフィは床の中へするりと潜りこみ、あっという間に消えてしまいました。
「レオが、さらわれちゃいました……!
そ、それにあのロボットたちを放っておいたら、大変なことに……!!」
海を昇っていくロボットたちは、世界中の『ねこ』、『猫』を根こそぎ(シャレてる場合じゃありません!)捕らえ、ネコトピアへと強制連行するつもりなのです。
そんなことになったら……寝子島には、一匹の猫すらいなくなってしまうではありませんか!
それにそれに、あんなロボットが世界中で暴れ出したら、大混乱です。フツウが大ピンチです!
「なんとかしなきゃ……!」
……と。
その時でした。
『……聞け。お前ら』
どこからか、声が聞こえてきたのは。
「……えっ? もしかして……」
『あのロボットを、地上に行かせるな。面倒なことになる』
「もしかして、
テオ!?」
声の主はなんと、テオ!
いつものちょっぴり不愛想はそのままに、
『ヤツらを追撃し、撃墜しろ。そのための戦力は揃ってる。
海中戦だ! 時間を稼ぐんだ、そして……』
彼の声はどこか遠く、なにかを懐かしむような響きをにじませながら、告げたのでした。
『全ての鍵は……ネコトピアの各地に分かたれ封印された、
王の記憶に。探せ! 王の記憶を託された、
三匹の護りねこを……!』
「寝子島から、にゃんこがいなくなっちゃうなんて。
そんなこと、絶対させません!」
墨谷幽です、よろしくお願いいたします~。
ガイドには、綾辻 綾花さんにご登場いただきました。
ありがとうございましたー!
(ご参加いただける場合は、ガイドのイメージに関わらず、自由なアクションでどうぞ!)
このシナリオの概要
大っ変お待たせいたしました!
謎の『ねこだい文明』を紐解くシリーズシナリオ、その第三弾です。
『ネコトピア』に渦巻く陰謀、そして最後の謎を、皆さんで解き明かしてください!
ちなみに、二本の足で立って歩いてしゃべる『ねこ』は、こんなシナリオやこんなシナリオ、
こんなシナリオにも登場していますよ。かわいいかわいい。
<今回よりご参加の方へ>
前回、前々回のシナリオに参加していなくとも、まったく問題ありません。遠慮なくご参加くださいませー。
その際は、「前回は登場していなかったけどみんなといっしょに行動してたよ」とか、
「気づいたらいつの間にかネコトピアにいたよ」などなど、
きっかけはなんでもOKです。お気軽にどうぞ!
あらゆるものがお魚の力を利用して動く巨大都市、ネコトピア。
レオは囚われてしまい、宰相たるイルカのルフィは、恐るべき野望(?)を発動させました。
その目的は、この世に存在するすべての『ねこ』『猫』を、強制的にこのネコトピアの住人とすること!
猫にあふれた寝子島を、ねこが暮らす世界を守るため、立ち向かいましょう!
アクションでできること
今回の目的は、主にふたつ。
ひとつは、ネコトピアから発進した無数の『猫ねこ強制誘致ロボット』を撃墜すること。
もうひとつは、かつて封印された『ネコトピア王の記憶』を持つ、
『三匹の護りねこ』なる存在を見つけることです。
ご参加の際は、どちらに参加するか、以下の選択肢の中からお選びください。
ネコトピアの発進ドックには、戦闘用の『おさかなファイター』たちが多数スタンバイ中です。
いずれも鎧をまとい、水中銃や魚雷などの武器を備え、
そして皆さんが乗り込むためのコックピットを装着しています。
気に入ったお魚に餌をあげれば、皆さんの操縦のとおりに泳いでくれます。
お魚の種類は、なんでも構いません。武器や装備なども適当に設定してOK。
すでに絶滅してしまったお魚も、もしかしたら海底では生き残っているのかも?
<おさかなファイター例>
・サメ ・シャチ ・クジラ
・マグロ ・カジキ ・マンタ
・巨大ウナギ ・巨大タコ ・巨大イカなどなど
<ロボットについて>
ロボットは近接戦闘用の斧に盾、背中には魚雷にもなるロケット砲二門、
そして猫ねこ捕獲用のネットやケージを搭載しています。
操縦しているのは、お腹の水槽に乗り込んでいるイルカです。
ロボットの動きはそれほど早くないものの、頑強かつ強力です。上手にお魚を操り、撃墜しましょう。
なおロボットを破壊しても、パイロットのイルカたちはもちろん泳げるので、大丈夫。
思い切りやっつけてしまって構いません。
テオいわく、全て見つけることができれば、レオを救出し、このピンチを打破できるなにかが起こる……とのこと。
なお、道に迷ったときなどは、テオがナビをしてくれます。
ただ、どうやらなにか思うところがあるようで、あまり詳しい質問などには答えてくれないかもしれません。
●生体サーキュレーター管理区:居住区長『プレハブ』
ドーム内の空気を循環させ、清浄化するための施設。
直径10メートルの巨大水槽の中に植えられた特殊なイソギンチャクが外部の空気を取り込み、
綺麗にして泡として吐き出しています。
水槽の中をくまなく探せ、とテオは言っています。
ただし水槽の中には、イソギンチャクを管理する体長2メートル程度のタコがいます。
タコは賢く、異物にぬるぬると絡みつき水槽から排除しようとするため、注意が必要です。
●おさかなサイエンス技術棟:工業区長『スパッタ』
ネコトピアで運用されている、お魚を使ったさまざまな技術を開発する施設。
いくつもの小部屋と、お魚用のチューブが縦横に張り巡らされた、まるで迷路のような区画です。
テオはこの小部屋を片っ端から探せ、と言っています。
中にはロックの掛かった扉やパズルのような仕掛けがあり、チューブの中を行き来しているお魚を、
何らかの方法で誘導することで、スイッチを入れさせる必要があるようです。
●イルカ族の秘密研究室:騎士団長『ケン』
薄暗く雑然とした、遠い昔に廃棄・封鎖された区画。
テオによると、ここでは生き物の知性や精神に関する研究が行われていたのだとか。
この区画にはどうやら不思議な力が働いていて、
暗闇の中にねこや魚たちの奇怪な幻影が浮かび上がったり、
またPCさん自身の記憶、思い出に関する幻を見たり、ホラー的な現象が起こるようです。
区画の一番奥を目指せ、とテオは言っています。
なお、ケータイ・スマホの通話機能やインターネットは使用できません。(圏外)
写真の撮影など、その他の機能は使用可能です。
NPCについて
○レオ・オブリーオ
二本足で歩く『ねこ』。顔、耳、手足と尻尾が黒くて身体が白い、猫種としてはシャムに似ています。
ねこだい文明を探してずっと旅をしているそうで、出身は『忘れてしまった』とのこと。
人当たりは気さく。でも皮肉屋なところもあり、クールねこを気取っています。
機械の類に強いようで、スマホで各地の写真を撮ったり、ニャンスタにアカウントを持ってたりします。
イルカのルフィに捕らえられてしまいました。現在地は不明です。
○イルカのルフィ
ネコトピアの宰相を務める、しゃべるイルカ。
一族は代々宰相を受け継ぎ、ネコトピア王に仕えてきたのだとか。
海中都市を愛するあまりか、壮大な野望を叶えようとしています。
○テオドロス・バルツァ
声はすれど姿は見えず。
けれどその存在はどこか近くに感じられる……かも?
以上になります。
物語はいよいよ(ようやく)佳境へ……! 最後まで、よろしくお付き合いくださいませ~。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております~!