トライアド・ディフェンダーズ｜リアクション

トライアド・ディフェンダーズ

【ネコ島城・３】

　逆巻天野、八神修、日月透の３名の声掛けにより、準備を進めながらの意見交換と配置の相談が行われる。

「ゲームにしては難易度高そうだね」
　逆巻が得られた情報を整理しながら呟いた。
　今の彼は冷静そのもので、自分が何をすべきかよく理解している模様だ。
　各城の兵装や敵勢力の情報をここで全員が共有することとなる。
「サクラの塔に卵はないか？　なければこの城の卵を持てるだけ持っていきたい。出来るか？」
　東中居陽二が兵士の１人に何やら頼み込んでいる。
　兵士によればサクラの塔は分からないが、この城になら卵はあると聞き出せた。
「唐辛子、若しくは塩も分けてほしい。卵の殻に詰めて卵爆弾を作るんだ。対巨人用の即席兵器になるからさ」
　兵士はヤヨの了解を得た上で、東中居に頼まれた品物を荷車に載せていく。
　鮫ノ口も塩と小麦粉を調達してもらい、意見を聞きながらその場で必死に作業を行っていた。
「よし、グルテンを抽出した小麦粉ガムの完成だ」
　彼のろっこんの発動にガムは必要不可欠。
　召喚された際にはガムを持っていなかったが、機転を利かせてガムを作り出したのだ。
　兵士たちにも「集中力が増す」といってお裾分けすることも忘れない。
「俺は何をすれば……」
　桜井ラッセルは次々に繰り出される意見のスピードに狼狽えるばかり。
　そんな彼に八神が声を掛けた。
「桜井、カナリアになって島中の戦況をみんなに伝えてくれないか？」
　この提案に逆巻も同調。
「鳥になれば敵に見つかりにくいし、走るよりも早く移動出来そうだね」
「カナリアは時速70km出るそうです。万が一攻撃されても、小さな体なら回避も容易でしょう。伝令役には最適です」
　日月も賛成する。
　桜井は息を呑むと、力強く頷いた。
「分かった、伝令役、やってやるさ！　で、具体的に何を……？　情報って言ってもイマイチ……」
　弱気になる桜井に、八神が『知りたい事』を紙に書いて手渡した。
「桜井、これを『全部』調べてくれないか？」
「お、おぅ、さんきゅ、八神。結構あるな……。でも、俺にしかできないなら！」
　桜井は用心のために剣を背負ったあと、首に掛けたオルゴールの金の鍵を強く握りしめる。
　すると、ろっこん『黄色いピヨコ』の効果で、１羽のカナリアに変身する。

　彼はそのまま三塔周辺の亜人の進行状況を偵察・斥候に向かっていった。
　意見交換は滞りなく終わり、配置は以下のようになった。

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＜サクラの塔＞
　折口ゆづき
　北原みゆき
　小刀祢雫
　桜井ラッセル（伝令・斥候）
　鮫ノ口礼二郎
　ゼシカ・ホーエンハイム（治療役）
　東中居陽二（副官）
　姫神絵梨菜
　風雲児轟
　壬生由貴奈
　八神修（指揮官）

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＜ネコナキの塔・地上部隊＞
　後木真央（斥候）
　小山内海
　クロウディア・W
　桜庭円（指揮官）
　花村チカ

＜ネコナキの塔・地下部隊＞
　尾鎌蛇那伊
　佐藤英二（偵察・斥候）
　御剣刀

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＜セイガ対空部隊＞
　浅沼柳司
　天満七星
　澪乃澄佳

＜セイガ白兵部隊＞
　市橋誉
　逆巻天野
　橘勇
　日月透（治療役）
　望月神無

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＜ネコ島城駐留＞
　吉祥寺黒子

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＜？？？＞
　桜崎巴

　こうして彼らは各塔へ赴く。
　既にここに召喚され、40分程が経過しようとしていた。