this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
寝子島の風にのって、ほーわほわ
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
12
つぎへ >>
アクア・アルタとひと言でいっても、その様相は時によりけりだ。水の高さが海抜110cmを越えるものをそう呼ぶが、まれに140cmを越えることもあって、そんな日はヴェネチア旧市街の実に6割が水に没するという。
ぱしゃりと水を跳ね上げ、
吉住 志桜里
はそんな自然の壮大な営みに思いを馳せる。水の都と呼ばれる街での暮らしや、住人たちの心持ちを想像する。
「なんてスケールが大きいんでしょう」
志桜里が蹴り上げた飛沫は、この街に押し寄せる水量の何憶分の一だろうか。そんな数字では測れないと理解しながらも、空想は翼を得て飛躍した。何度蹴り上げたら、この水を全て吹き飛ばせるだろう。この広場を水槽に見立てて、いっぱいの金魚や鯉が泳いだらどんなに壮観だろう。
「なんて、ね」
「アクア・アルタって、いろいろな要因が重なり合って起こるんですってね」
年上のお姉さんが披露してくれる博識がありがたい。
建築学を専攻する
マリエッタ・ラシュリエ
にとって、ヴェネチアの建築様式やそれに伴う気候、風土の全てが興味をそそる対象だ。学ぶべきことは多い。
「潮の満ち引きや低気圧、それにシロッコっていう南風が同時に起こると、ヴェネチア湾で高潮が起こるの。その水が街の中にまで入り込んで……このサン・マルコ広場はヴェネチアでも一番低いところにあるから、こうして真っ先に浸水してしまうのね」
「壮大な偶然が、この光景に繋がっているというわけですね」
青い水に浸した素足が冷たく心地良い。
広場をぐるりと見回せば、ドゥカーレ宮殿やサン・マルコ寺院、ことに印象的な鐘楼など、長い歴史が築いてきた多くの遺物が目に入る。幾度となく街が水に飲まれてもなお、先人たちの生きた証は変わらずここに鎮座し、広場とそこを行き交う人々を見守ってきた。気の遠くなるほどに、遥か時間の彼方から。
志桜里やマリエッタの想像も及ばない重みだが、しかし現代人には現代人なりの楽しみというものもあろう。
「マリエッタさん、他にももっと教えてもらえませんか? ヴェネチアについて」
「ええ、もちろん」
歴史を俯瞰して気軽に楽しむ、この贅沢よ。マリエッタの語る含蓄あふれるエピソードの数々が、志桜里にそれを実感させてくれた。
カナル・グランデ(大水路)をゆったりと進むゴンドラはまるで、優雅に泳ぐ白鳥だ。あくまで麗しく、決して水面で忙しくかく両足を見せたりはしない。
「わあ。やっぱり綺麗ナノ……!」
御薗井 E セレッソ
がついつい縁から身を乗り出しがちなものだから、
早坂 恩
ははらはらしてしまう。
「とっても気持ちがいいワ! ね、恩センパイ!」
「ふふ……ええ。本当にね」
けれどセレッソの、小さくて愛らしい恋人の喜びようを眺めていたら、自然と微笑みが心からまろび出た。
イタリア出身のセレッソだから、アクア・アルタも見慣れたものかと思いきや、いつ見ても感動は変わらないらしい。もちろん、恩といっしょであることだって大きいのだろうけれど。
「水面がこんなにも輝いて。浮かんでいるみたいな建物たちも、まぶしいほどに白くて素敵ね。でも場所によっては、水害や地盤沈下が問題になっているんだったかしら? とてもそうは思えないのにね」
「んー、そうナノ。こんなに綺麗なのニ」
セレッソの眉尻が少しばかり下がった。観光ガイドを眺める折に見かけた情報だったが、セレッソには人事ではないのだろう。
確かにヴェネチアには立地上、都市機能上のいくつかの問題が併発しているという。多くの古い建造物の基礎部が海水に侵食され、倒壊の危機にさらされていること。工業用・生活用に地下水を利用してきたことが原因で、地盤の沈下が顕著になりつつあること。その影響で、他地域への人口の流出が加速していること。どれも無視を決め込むには、状況が進み過ぎているようだ。
とはいえ、明るい兆しもある。
「でもそういう問題を解決するために、今、街のみんなが努力しているのよね?」
「そうナノ! そう聞いたワ、防潮堤の造る計画があったり、地下水の使用を控えたり……少しずつ、みんなができることを探しているんだワ」
解決のため立ち上がったプロジェクトには、生粋のヴェネチアっ子からは賛否両論あろう。しかしいずれにせよ、何もしないという選択肢はない。
少なくとも今、二人に胸震わせる感動をもたらしてくれるのは、人々が守り繋いできた風景や暮らしがもたらす、この街の美しさがゆえだ。これからも方法の模索を続けていく、その意思に変わりはないのだから。
「そうねえ。差し当って、私たちにできることは」
「できることハ?」
「この街でめいっぱい、観光を楽しむことね!」
「きゃあ♪」
恩が不意にセレッソを抱きすくめると、恋人たちは無邪気に浸る。
二人を乗せたゴンドラはそのまま、時が止まったかのようにゆっくりと水路を下っていった。
サン・マルコ広場に連なるアーケードの一角に、カフェ・フローニャンはあった。
オープンはなんと数百年前。世界最古のカフェであり、またカフェ・ラテの発祥の地でもあるのだというから、これはもう頼まないわけにはいくまい。
佐藤 英二
はカップに広がるきめ細やかな白泡や心躍る乳白色に口をつけ、上品にいただく。ほのかな苦味とミルクのマイルドな甘味が引き立て合い、彼の胸へともたらしたのはこれまでに感じたことのない、確かな感動であった。
「う~ん、さすが世界最古。歴史を感じるなぁ」
「どれどれ? 私にもひと口ちょーだい!」
と
野々 ののこ
は屈託なく言うのだが、英二はもちろんちょっぴり躊躇ってしまう。
だってこれは、ほら。あれだし。間接……。
「う、うん。いいよ」
「わーい」
さりげな~く飲み口を紙ナプキンで拭う気遣いもののこは気付くことなく、くいっとひと口。
「んおっ。これは……おいしーかも! 私はもっと甘いのが好きだけど、たまにはこういうのもいいね。口当たりが滑らか~♪」
「でしょ?」
美しく整然と並ぶ石畳に設けられたテラス席は、サン・マルコ広場の名物とも言える。ヴェネチアっ子も観光客たちもみんなが集い、さんさんと降りそそぐ陽光を浴びながらカフェラテの妙味を楽しむのだ。
二人が座った席はことに日当たり良く、英二は目を細める。もちろんまぶしいのは太陽ばかりではないと、彼は知っている。
「おーいしー! このケーキの絶妙な甘さ、やみつきだな~」
「あ、野々さん、ほっぺに……」
「え? なにかついてる?」
ん~、とののこは頬を英二に寄せる。取って、というジェスチャーだろうが、英二は思わず赤面した。何だか……恋人同士みたいじゃないか。
おそるおそるに指を伸ばして、ののこの頬にくっついたケーキのスポンジのかけらをつまむ。
「ありがとー。ん? 英二くん、どしたの?」
「あ、や。えと、なんでも……!」
英二の頬はますます朱に染まったが、対するののこはとけろりとして、ケーキの残りを平らげるのに忙しい。
少しは照れるとかしてくれたら良かったのに、と思いつつ口へ入れたスポンジは、やわらかくほどけた。
「まあ、このくらいが野々さんっぽいかな……」
「もしかして、このケーキも食べたかった? いいよ~ひと口! はいっ、あ~ん」
何気なく伸びてきたフォークには、甘い甘いガナッシュが滑らかに光沢を放っている。
刹那に逡巡してから、意を決してぱくり、ひと口。
「おいしー?」
「甘い……」
「でっしょー!」
にしし! と白い歯を見せた彼女の笑顔ときたら、太陽よりもまぶしいのだ。
足元を満たす清らかな水面は日の光にきらめく。
潮の香りをはらんだ風が、彼らの頬を優しく撫でていった。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
12
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
寝子島の風にのって、ほーわほわ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
蓮華・水無月
巴めろ
冬眠
菊華 伴
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
グリーンシナリオ(0)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
58人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年12月04日
参加申し込みの期限
2020年12月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年12月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!