寝子島の風にのって、ほーわほわ｜リアクション

寝子島の風にのって、ほーわほわ

　舞台は――ロンドン！
　世界で一番有名な探偵が主に活躍していた街といえば、やはりこの街だろう。旅人たちは謎を解くべくロンドンの街へと繰り出した！

「さあ！　どんな謎もかかってこいっ！　マガレちゃん、いっくよーっ！」

「行きましょう、タルトさんっ！」
　びしっ、とキメた響タルト。その傍らには虫眼鏡を持ったマーガレット・ライカーの姿が。仲良しコンビはお揃いの色にしたリボンを弾ませ張り切って捜査開始。インバネスコートの裾を風に揺らし、颯爽と歩く少女たちは普段と違う街並みに心躍らせる。
　特にルーツをイギリスに持つ上ミステリー同好会に所属するマーガレットのテンションはちょっと高めのように思えた。
「あの有名な探偵も、相棒と共に捜査したんだよねっ」
　タルトが胸をきゅんっ、とさせながら呟くがそれは小説のファンとしてのドキドキかそれとも……？
「探偵の方が相棒のお医者さん振り回してるイメージがありますね……現代版のドラマだと……」
　と、マーガレットもちょっとドキドキしながら呟くが……二人の脳裏で探偵と医者がどんなことになっているのか察してはいけない。
　ふと我に帰ったタルトとマーガレットは、捜査を再開。その虫眼鏡で証拠を探していくのであった。

「パパぁ、なんか探偵になった気分だねっ！」
　一方、滝原ましろは純粋におしゃれなスーツと『パパ』と慕う滝原レオンのインバネスコート姿にはしゃいでいるようだ。

「そうだな。『気分は探偵！』といったところか……。ましろ、似合っているよ」
　レオンがそう言って笑うと、ましろも嬉しそうににっこり。二人もうきうきとした様子で謎解きに向かう。
　双眼鏡をのぞいたり、道を調べたり……２人でやるととても楽しい。だが、ここでビッグ・ベンを見上げたレオンがぽつりと言った。
「そろそろティータイムの時間だな。ましろ、スコートと紅茶はどうだい？」
「！　食べたいなぁ！　ぼく、ミルクティーがいいな♪」
　そういいながら寄り添ってカフェに向かう姿は親子のよう。ほのぼのと楽しい時間を共有できるのは、なんとなく嬉しい事である。
「パパ、もっといっぱい楽しい事しようね！」
　ましろの言葉に、レオンは「ああ」と目を細めて頷いた。

「とりあえずヒントになりそうなのをメモしてみましたけど……」

「倉前、この謎は案外あっけないものなのかもしれないよ」
　ヒントを書いたノートを手に悩む倉前七瀬に、ウォルター・Bはふむ、とわずかにうなりながら言う。もしかしたらウォルターの頭の中では推理が出来上がっているのかもしれない。
　だが、七瀬にはなにがなんだかわからない様子。おもわず
「？　それはどういうことですか？」
　と自然に問いかけてしまった。それでもウォルターは少々飄々とした具合でノートに目を向ける。
「難しく考えすぎていないか、という事だよ。ビッグ・ベンに観覧車。それから……」
　ウォルターは自分の推理を語り、七瀬はそこでようやく何かに気付く。

　タルトとマーガレットがビッグ・ベンの近くで、レオンとましろがカフェでそれぞれ答えにたどり着いたのは、同じころ。

　はてさて、６人は謎を解明できたのであろうか……？