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寝子島の風にのって、ほーわほわ
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高度上空3000メートル。熱された空気は天への尽きぬ渇望となって球体を押し上げ、ゆるくなびく気流がやがて空の桟橋を代行し揺らがぬ安定をもたらした。
二台の気球に分乗し、彼らは優雅な旅を堪能する。かつて天上におわす神への傲慢な反逆の象徴であった熱気球が、今では微塵の憂いもなく空への遡上を謳歌しこうして客をもてなしさえするのを目にしたら、哀しきパイオニアたちは何を思うだろう。
「ふははははは!」
……まー少なくとも、併走する気球から気球へ飛び移ろうなどという勇気を通り越した無謀を、ふと頭に思い描いたとしても実行へ移すには至らなかったはずである。
折河 樹
のことだ。
「我、天を征せり! 背に戴く黒翼、我が身に秘めた焦熱の魂をもって反逆の意思と成し、神なる領域を手中に収めてくれよう、ふっははははは。おお、どーした盟友? そんなに慌てた面をしおって」
「ちょっまっ、あんたなにやって、この……このバカーーーっ!!」
うっかりテンション上がっちゃって、フツーは思ってもやらない危なっかしいことをいともあっさりやってのける幼なじみを、どうにかこうにか制御するのは
観月 光
の役割である。生真面目な彼女はいつからかそんな感じの役回りに甘んじている。はなはだ不本意なことである。
※樹の相手をしてない時の
穏やかな光さん
「ああああ、危ないでしょー!? 落ちたらどうするのっ、早く戻って! そっちの気球に戻りなさいってば!」
「ふっはっは、まあそう心配するな光よ。黒魔の王たる俺がこの程度の高みから落下したとて死ぬものか、太陽に翼を焼かれたイカロスでもあるまいに」
「それはあんたが書いた小説の設定か何かでしょどーせ、あんたはそのイカなんとかじゃないし背中にハネの一枚だって生えちゃいないのよ!」
不本意なことではあるが、このワケわからんことばかり口走る幼なじみが天空の支配を脱し心の翼を広げて地面と自由を抱きしめた、などとワケわからん死に方をされてもかなわないので、必死に彼を制するわけなのである。
ここはトルコ、カッパドキア。日本を遠く離れても、やることはそんなに変わり映えしない二人だった。
そんな幼なじみコンビの愉快な漫才を眺めて、
狗民 きとり
はけらけらと笑う。
「あはは、仲良しだなぁ。ね、みみみん!」
傍らの
狗星 みみみ
はいつもと違う風景、みんなの楽しげな様子に、何とも嬉しそうにぱたぱたとしっぽを振っていた。
夕暮れに日が落ちていくにつれ、眼下にそびえ立つ奇岩たちはその表情を変えてゆく。雄大。壮観。そんな言葉では言い表せない感情は、きとりの胸をじんわりと熱くした。物言わぬみみみもまた想いはきっと同じはずだ。
ギョレメ国立公園およびカッパドキアの岩石遺跡群。奇岩たちの並びをそう呼んでいる。
『妖精の煙突』と言い表される不思議な岩の塔に挟まれるように、ギョレメは佇む。それがすなわち、カッパドキアの町並みだ。奇岩をくりぬいて作られた家々や教会。修道院。地中深くにまで達する居住空間は、地下都市を形成する。中には深度50メートル近くにも達するものさえあるそうだ。
「どんなふうに暮らしてたんだろうねぇ」
きとりがふとつぶやくと、みみみはくりん、と首を傾げた。
岩を加工して作られた古代都市で、住人たちはどんな暮らしを営んでいたのだろう。生活は豊かだった? それとも大変だったのかな。みんな笑って、一日一日を大切に過ごしていたのかな。きとりの空想は膨らんでやまない。
「何だか、わくわくしちゃうんだよー!」
思わずきとりは、みみみをむぎゅっと抱き締めた。
トルコと聞いて思い浮かべる食べ物は?
そう、ドネルケバブだ! スライスした薄切り肉を積み重ね、くるくる回しながら香ばしく焼き上げ、削ぎ落したそれをピタ・パンに挟んでいただく、トルコの伝統料理である。
「嬉しいねぇ。故郷のトルコで、こうしてみんなにケバブを食べてもらえるなんてさ」
バルシュ・コルテュルク
の瞳は活き活きと輝いた。
ケバブは彼の生業であり、人生だと言っても過言ではなかろう。トルコに生まれ、寝子島でケバブを売る男は今こうして古里へと凱旋し、仲間たちへ手ずから用意したドネルケバブを振る舞っている。
ひとえに感無量であった。
「よう、カメラマンの兄ちゃんも食ってくれ。撮ってばかりじゃあつまらねえだろ?」
「ありがとうございます」
獅子唐 ケンジ
は物腰穏やかに、カメラを置くとケバブの包みを受け取った。
「飲み物もあるぜ。こいつはどうだ? トルコのヨーグルトドリンク、アイランだ。ケバブにも合うぞ」
「いただきます。何だか贅沢ですね、空の上でこんなに美味しいものをいただけるなんて」
「ははは、最高だろ!」
気持ちの良いバルシュの笑みに促されてかぷりと頬張ると、パンの食感とあふれる肉汁の香ばしさが相まって、とろけるような味わいだ。
思わずほうっと、安堵の息を吐く。
「いつぶりでしょう。こんなにも穏やかな心持ちになれるのは」
ケンジがカメラマンを買って出たのは、自身が写り込まないためである。どこに宗家の追手が目を光らせているか分からないから、下手に情報を残すわけにはいかない。
寝子島では常に身を潜め、気を張って暮らしていたが、気球に揺られながら見つめるこの雄大な空はどうだ。ケンジには今この瞬間、全てが解放されたようにも思えた。カッパドキア。巨岩の並びとそこに生きた人々の人生へ思い巡らせれば、あるいは自分の抱える大小の問題あれこれも何だかちっぽけな些事のように感じられ、気分が良かった。
「兄ちゃん、カメラ貸してみな。お前さんちっとも写ってないだろう。おっさんが撮ってやるからよ」
「あ、い、いえ! ありがとう、でもお気になさらず。写真に写るのは苦手なんです」
「そうかい? そんじゃ、もひとつケバブ食べな。そんで悩みごとやらなんやら全部、今だけは忘れっちまえばいいさ。こんなにも空が広いんだからよ!」
そう言って、にかっと人懐こく笑う。なんて大人だろう。ケンジはバルシュの心遣いに感謝した。
カッパドキアの地はかつて、かのシルクロードも含む長大な交易ルートの要所であった。それが故に集まる資源、開かれる市場はしばしば、ならずものや他国から略奪や侵略の的になったという。
人々は身を守るため、岩塊をくり抜き地下へと住居を作り広げた。
気球が地上へ戻れば、彼らも目の当たりにするだろう。無骨な奇岩たちが身の内に擁するのは、驚くほどに緻密で壮麗な地下都市の意匠だ。
カッパドキアはこれからも、いつまでも、人々のちっぽけな営みを大らかに包み込み、見守り続けるだろう。
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グリーンシナリオ(0)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
58人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年12月04日
参加申し込みの期限
2020年12月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年12月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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