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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
彷徨える寝子原人
８.鍾乳洞、後半
多くの洞窟参加者が探検を重んじる中、彼女は１人別の目的を持って洞窟へとやってきていた。
「……うん」
作業着姿の天吏はそれぞれのルートの入り口周辺の地面を注視していく。
（人の出入りが多ければ多いほど……）
彼女の想像通りであった。今回ではなく以前探検した人々が置いていったであろう目印やプラスチック片。ビニール袋の端切れや千切れたロープ片など。
エチケットとして、ゴミは持ち帰っている人々が多いはずだがそれでも見落としなどは発生する。
天吏はそれを危惧して探検を兼ねた掃除を行う。あくまでも奥には行かず、入り口から少しずつ丁寧に。
ライトで照らし、１つ１つ回収していく。
「ゴミ……？」
修が設置したケミカルライトや五月のメモも回収していく。もちろん、しおりの猫グッズもである。崩落ルートの方へも向かい、放棄されたカラビナやビレイデバイスと呼ばれる登攀器具なども片づけていく。
「綺麗になった？」
天吏はわずかに首を傾げ自問自答をする。彼女の手に握られたビニール袋には大小様々なゴミは分別されて纏められていた。
鍾乳洞内。昼食を終えた団十郎と寝太郎は、気楽に探検を行っていた。
既に浅い層は探検部を中心とした面々が探索を終えており、目印も含め安全に彼らは楽しむことができていた。
「軍隊で要人を連れて行く時の方法らしいんだが、俺の腰のベルトを掴みな」
ライトで鍾乳洞の各所を照らしては、面白そうに見ている団十郎が寝太郎に提案する。ベルトを掴むことによってはぐれないようにするつもりらしかった。
「ベ、ベルト？」
いくら男性的な性格をしているとはいえ、団十郎は女子である。彼女の細い腰を見ないようにしつつ寝太郎はベルトを掴んで共に歩く。
「おう、しかし綺麗だなぁ。この石柱とか持って帰ったらダメか？」
団十郎は鍾乳石などにそっと触れていく。
「うーん、ダメなんじゃないかなぁ……。折ったりしたら不味いと思うなぁ」
ぼんやりと寝太郎が注意する。彼も興味深そうに地層などを観察していく。
「しょうがない、写真だけで我慢しとくか。冷たそうですべすべしている気がするけどな」
カシャリ、カシャリと団十郎は鍾乳洞内を写真に収めていく。
「ネタロー、荷物重かったら言えよ。いつでも持ってやるぜ」
団十郎は洞窟内の段差や傾斜などを物ともせず進む。
「大丈夫だよー。ありがとう」
２人はマイペースに鍾乳洞を観光気分で楽しんでいた。
「待て……」
鍾乳洞の探索を進めていた豪たちのグループは、分岐を抜けた先のＴ字路を曲がり、修の声で立ち止まる。
「邪衣、ロープは？」
思案顔の修が、ロープを延伸しながら進んでいた士に訊ねる。
「ああ、ここに……。って、おい……」
ロープを少し引っ張った士が言葉を失う。引っ張ったロープの先はあっさりと千切れていた。
「ねー、これおかしいと思うんですけど」
シルベが地図と通路を交互に指さして疑問の声を上げる。Ｔ字路を曲がったはずなのに、今通った通路を照らすと、『曲がり角がない』。
「え、あれ……？」
不安そうにみゆきが呟く。これまで順調であった分、動揺しているようだ。
「やー、不思議だねぇ」
逆にのんびりとした雰囲気を崩さない伸幸。
「みんな、落ち着いてまずは点呼を取ろう」
豪はリーダーシップを発揮して、はぐれたものがいないかを確認する。
「１０人、全員いるよー」
お茶を飲みながら寿美礼が報告する。
「一度引き返してみてはどうでしょうか」
安全を第一に考え、蓮が提案する。
「Ｔ字路に戻れればよし、戻れなければその時考えましょう」
五月も小休止ついでにお茶を飲んでいる。彼女も慌てていない様子だった。
「君は進んでもよいし、引き返してもよい」
月詠はそう呟いて、地図に書き込んだＴ字路と今いる通路を『繋げないように』描きなおす。
「……方位磁針も役に立たないな」
磁場が狂っているのか、神魂の影響なのかこの十字路付近ではぐるぐると磁針は回り続けている。
「よし、行こう」
彼らは周囲の様子を確認しながら慎重に通路を引き返した。
すると。いつの間にかＴ字路に戻っていた。
「隊長……ワーブ？」
みゆきが豪を見て、確信を求めるように質問する。
「そう認めるしかないだろうなぁ。……別のルートを進もう、いいか？」
腕組みをした豪が同行メンバーを見渡す。
「これも神魂の影響か……一時的なものか永続的なものかわからないが」
修が周囲を確認しながら呟く。特に変わったものは見当たらない。
「次に来た時はワープしなくなってるといいですねー」
この状況を楽しみながらシルベが笑顔でそう言うのだった。
多くの洞窟参加者が探検を重んじる中、彼女は１人別の目的を持って洞窟へとやってきていた。
「……うん」
作業着姿の天吏はそれぞれのルートの入り口周辺の地面を注視していく。
（人の出入りが多ければ多いほど……）
彼女の想像通りであった。今回ではなく以前探検した人々が置いていったであろう目印やプラスチック片。ビニール袋の端切れや千切れたロープ片など。
エチケットとして、ゴミは持ち帰っている人々が多いはずだがそれでも見落としなどは発生する。
天吏はそれを危惧して探検を兼ねた掃除を行う。あくまでも奥には行かず、入り口から少しずつ丁寧に。
ライトで照らし、１つ１つ回収していく。
「ゴミ……？」
修が設置したケミカルライトや五月のメモも回収していく。もちろん、しおりの猫グッズもである。崩落ルートの方へも向かい、放棄されたカラビナやビレイデバイスと呼ばれる登攀器具なども片づけていく。
「綺麗になった？」
天吏はわずかに首を傾げ自問自答をする。彼女の手に握られたビニール袋には大小様々なゴミは分別されて纏められていた。
鍾乳洞内。昼食を終えた団十郎と寝太郎は、気楽に探検を行っていた。
既に浅い層は探検部を中心とした面々が探索を終えており、目印も含め安全に彼らは楽しむことができていた。
「軍隊で要人を連れて行く時の方法らしいんだが、俺の腰のベルトを掴みな」
ライトで鍾乳洞の各所を照らしては、面白そうに見ている団十郎が寝太郎に提案する。ベルトを掴むことによってはぐれないようにするつもりらしかった。
「ベ、ベルト？」
いくら男性的な性格をしているとはいえ、団十郎は女子である。彼女の細い腰を見ないようにしつつ寝太郎はベルトを掴んで共に歩く。
「おう、しかし綺麗だなぁ。この石柱とか持って帰ったらダメか？」
団十郎は鍾乳石などにそっと触れていく。
「うーん、ダメなんじゃないかなぁ……。折ったりしたら不味いと思うなぁ」
ぼんやりと寝太郎が注意する。彼も興味深そうに地層などを観察していく。
「しょうがない、写真だけで我慢しとくか。冷たそうですべすべしている気がするけどな」
カシャリ、カシャリと団十郎は鍾乳洞内を写真に収めていく。
「ネタロー、荷物重かったら言えよ。いつでも持ってやるぜ」
団十郎は洞窟内の段差や傾斜などを物ともせず進む。
「大丈夫だよー。ありがとう」
２人はマイペースに鍾乳洞を観光気分で楽しんでいた。
「待て……」
鍾乳洞の探索を進めていた豪たちのグループは、分岐を抜けた先のＴ字路を曲がり、修の声で立ち止まる。
「邪衣、ロープは？」
思案顔の修が、ロープを延伸しながら進んでいた士に訊ねる。
「ああ、ここに……。って、おい……」
ロープを少し引っ張った士が言葉を失う。引っ張ったロープの先はあっさりと千切れていた。
「ねー、これおかしいと思うんですけど」
シルベが地図と通路を交互に指さして疑問の声を上げる。Ｔ字路を曲がったはずなのに、今通った通路を照らすと、『曲がり角がない』。
「え、あれ……？」
不安そうにみゆきが呟く。これまで順調であった分、動揺しているようだ。
「やー、不思議だねぇ」
逆にのんびりとした雰囲気を崩さない伸幸。
「みんな、落ち着いてまずは点呼を取ろう」
豪はリーダーシップを発揮して、はぐれたものがいないかを確認する。
「１０人、全員いるよー」
お茶を飲みながら寿美礼が報告する。
「一度引き返してみてはどうでしょうか」
安全を第一に考え、蓮が提案する。
「Ｔ字路に戻れればよし、戻れなければその時考えましょう」
五月も小休止ついでにお茶を飲んでいる。彼女も慌てていない様子だった。
「君は進んでもよいし、引き返してもよい」
月詠はそう呟いて、地図に書き込んだＴ字路と今いる通路を『繋げないように』描きなおす。
「……方位磁針も役に立たないな」
磁場が狂っているのか、神魂の影響なのかこの十字路付近ではぐるぐると磁針は回り続けている。
「よし、行こう」
彼らは周囲の様子を確認しながら慎重に通路を引き返した。
すると。いつの間にかＴ字路に戻っていた。
「隊長……ワーブ？」
みゆきが豪を見て、確信を求めるように質問する。
「そう認めるしかないだろうなぁ。……別のルートを進もう、いいか？」
腕組みをした豪が同行メンバーを見渡す。
「これも神魂の影響か……一時的なものか永続的なものかわからないが」
修が周囲を確認しながら呟く。特に変わったものは見当たらない。
「次に来た時はワープしなくなってるといいですねー」
この状況を楽しみながらシルベが笑顔でそう言うのだった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年09月02日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年09月09日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年09月09日 11時00分
