彷徨える寝子原人｜リアクション

彷徨える寝子原人

１０.寝子島タブロイド

　後日、寝子タブの紙面は鼻岬洞窟特集が組まれていた。

　『鼻岬洞窟に眠る神秘の世界！　現代の秘境に若手特派員が挑む！』
　そんな見出しから始まる記事は、どこか月詠が今回書いていたゲームブック仕立ての文章の影響を受けつつも、シルベや修が作った入り口から各ルートへ向かう詳細で丁寧な地図や、すばると梢が行った生物調査のことも簡易ながら記載してあった。
　また、すばると飛鳥が必死に撮影した『猫つちのこ』の写真は暗闇の中を走ったせいか、ぶれまくっており、ぱっと見は胴長の猫、もしくはまるまると超えた蛇のような、寝子タブらしい胡散臭い写真として掲載されている。

　一方で、刀たちが見つけた水中の入り口のことや、ピエールの件、そして謎の男の件については寝子タブに報告せずに、伏せることにしたらしかった。
　ナタリアが到達したとされる九夜山へ通じる入り口は、切り立った崖上にあり危険度が高いということで、記事の中では触れないことにしたようだった。

　記事は最後にこのように締めくくられている。

　『最後に、この写真を見てもらいたい。鼻岬洞窟の奥深く、鍾乳洞の果てにある竪穴。そこには推定２ｍ以上の手足が奇妙に長い生命体がいた。これこそが私たちが探しもとめて止まない、彷徨える寝子原人なのかもしれない。私たちは、ヤツに会うために、冒険という名の見果てぬ荒野を彷徨い続けるだろう』

　それは修が最後に撮影した写真だった。そこには、彼らが遭遇した"彼"＝アダム・スメルディンとは違う、猿人とも巨人とも雪男とも取れるような存在がぼんやりとだが写っていた。

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あとがき

担当マスター：深城和哉
ファンレターはマスターページから！

大変お待たせしました。
いつもよりも時間がかかってしまい誠に申し訳ありません。

今回は洞窟探検に絡めて、様々なアクションがあり面白くもあり、苦戦致しました。
特に設定や他のシナリオとの伏線に関わる部分などの調整に手間取りました。

この経験を糧に次回また頑張りたいと思います。
次こそはお早めにリアクションをご提供したいものです。

アクションについてですが、鍾乳洞ルートを選択された方がとても多く、行動被りが多かった為に少し描写の取り合いになっている部分があります。
自分の描写力不足もありますが、ご理解頂けると幸いです。

洞窟についてですが探索完了というわけではなく、まだまだ未探査領域も多く、地図にできた部分は鍾乳洞ルートを中心とした比較的浅い部分のみです。
他のマスターさんの洞窟シナリオなどがまたいつか発生するかもしれません。
その時までに洞窟が地盤沈下や落盤などで構造が変化している場合もあります。ご留意ください。

個々の判定や採用不採用、及びアドリブについては個別コメントをご確認ください。

ご参加頂きありがとうございました。

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