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ロンリー*ドーリー*グローリー
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学生支援部の部室に移動する。
人が押し寄せるかもしれないというような不安要素もなくなったので、
檜扇 唱華
と
笠原 ひびき
は顔を合わせてから、クマに向き直った。
「お話の続きをしてもよろしいでしょうか?」
檜扇がクマに遠慮がちに尋ねる。
クマは覚悟を決めたといわんばかりにうなずいた。
笠原が皆に質問をするように促すと
折口 ゆづき
が、クマと目線を合わせて丁寧に声をかける。
「えっとね、質問の前にお願いなんだけど、」
前置きをしてからクマの腕を掴んだ。
「首を縦に振るのと、横に振るのだけだと見間違えちゃうといけないから、
一緒に手を動かして欲しいの」
と言いながら、折口はクマの腕を上にあげ、万歳のポーズを取らせる。
「『はい』のときは、うなずくのと、万歳をお願いしてもいいかな?」
クマは手を挙げたままうなずいた。
「『いいえ』のときはお腹に手を当ててくれる?」
今度はクマの腕をお腹に持っていく。
クマは再び手を挙げて、うなずいた。
握 利平
はなにか言いたそうに二人を眺めていたが、口には出さない。
折口はそこまでして、ようやく本題に入る。
「じゃあ、質問するね?」
万歳、こくん。『はい』。
「ここのお兄さん・お姉さん達に何かお願い事があるの?
もっというなら、ちよちゃんのご病気、治して欲しいの?」
クマは『はい』の合図をする。
それから笠原が補足を入れる。
「全部治すのが難しいのは知ってるけど、ちよちゃんを少しでも元気にしたいらしいぜ?」
「えーっと、クマくん? ちよちゃんのご両親について聞かせてくれるかな?」
次は
桜庭 円
が手を挙げた。
「クマくんはちよちゃんのご両親のこと好き?」
クマはうつむくだけで答えない。桜庭が笠原を見るが、わからないと首を横に振るだけ。
「じゃあちよちゃんのご両親は病院に来てくれるかな?」
驚いたようにクマは顔をあげた。それからそろそろとお腹に手を当て、首を小さく横に振った。
八神 修
が病院での出来事を思いだす。
「そうだ。ニュースにもなっているというのに、病院には彼女の両親の姿はなかった。
その上、どうやら連絡もつかないらしいと聞いたが」
桜庭は予想通りというような顔をする。
その表情を保ったまま、クマにやさしく尋ねる。
「……ちよちゃんがいつから入院しているのかわからないけど、治療費、大変そうだよね。
やっぱりお仕事忙しいのかな?」
やんわりとした質問の仕方だったが、クマは返事をしない。
そのクマの代わりに笠原が迷い迷い口を開いた。
「その、すごく忙しいみたいだ」
やっとその一言だけ言うと、クマの黒い目をじっと見た。
クマは駄々をこねるように首を横に振る。
しかし幾分か二人が見つめあった末、クマは『はい』と言った。
「お父さんもお母さんもお見舞いに来ない。最初は忙しい合間をぬって来ていたのに、ここ最近は来たとしてもほとんど顔を合わせない。
本当に忙しいのかもしれない。
もう、ちよちゃんのことなんて忘れたのかもしれない。
ちよちゃんがみるみる弱っていくのが怖いのかもしれない。
ボクにはお父さんとお母さんのことはわからないけど、でもちよちゃんはさみしがってることはわかる」
感情を込めずにクマの言葉を伝えていく笠原。
「わかった。ありがとう」
桜庭は短く礼を述べると、苛立つように髪をかきあげた。
そこで質問が途切れる。
「悪い、代わってもらっていいか?」
重い空気を押しのけるように笠原が檜扇に声をかける、檜扇は得意の笑みを浮かべた。
「ええ、そうさせていただきますね」
二人のやり取りが終わると、八神が挙手をする。
「クマ、確認させて欲しいことがある」
クマは『なぁに?』というように首をかしげた。
「ずっと一緒にいたいというのは、つまりたとえ死んでしまっても新島の体を望むのか?
それとも生きた新島とずっと一緒にいたいという意味なのか?」
衝撃的な発言にざわめく。
八神を諌めようにも、八神の目は真剣そのもので、誰も何も言えなくなってしまう。
「病院から無理やり連れだしたということは、前者の可能性も十分考えられる。
そしてもしそうであるならば、協力はできない」
「……死んでしまっても、と考えたことはあるそうです。
けれどそれではちよちゃんが笑えないから、ダメなのだとおっしゃっております」
「そうですか。それならば問題ありませんね」
冷静な八神に対しクマは怯えていた。
幼いクマの心は他人の侵入に戸惑い、恐怖を感じていた。
そのクマの感情を汲み取り、檜扇が言う。
「少し、お休みされますか?」
クマはびくりと身を震わせ、首を横に振る。
その様子を見て、
霧谷 朧
がクマに近づいていき、しゃがんで目を合わせた。
そして、クマの怯えをやわらげるような、笑顔を咲かせる。
――内心怯えているのは霧谷も同じだというのに。
(人と話すのが怖い。
裏切られるのが怖い。
絶望するのが怖い)
霧谷の瞳の奥に恐怖がちらつく。
それは彼にとって特別なことではなく、いつものこと。
双葉 仄
と話したときは前髪を下ろしていたため気がつかれなかっただけに過ぎない。
(それでもちゃんとクマの気持ちを聞きたい。
俺にできることならなんだってする。できなくても、できることをなにかしたいんだ……!)
押し寄せる恐怖の感情に呑まれそうになるのを、霧谷はグッと堪えた。
霧谷はその思いを鎧にして、自身の恐怖を覆い隠した。
(人と話すのは怖いけどそんなこと言ってる場合じゃない。
いつも笑顔でいてほしい、俺みたいな子を増やしたくないっ)
彼の脳裏にフラッシュバックする記憶。
それでも彼は笑顔を絶やさず、クマを見つめた。
「クマ君、すごいな。えらいえらい」
霧谷は何度もクマの頭をやさしく撫でる。
「いきなり知らないお兄さんやお姉さんたちに囲まれてびっくりしてるのに、
ちゃんと質問に答えてくれてるんだもんな」
クマは撫でられるがまま。
もし目を閉じることができるのならば、気持ちが良さそうに目を細めているに違いない。
「びっくりさせてごめんな。
大丈夫、怖くないよ。誰も君を傷つけたりしないから。
みんな君の味方だよ」
単純な言葉。単純なふれあい。
ゆっくりとクマのこわばった心をほどいていく。
「ちょっとつらいかもしれないけど、お話聞かせてくれる?」
こくりとうなずいた。
檜扇は通訳の準備をする。
「特殊な力、ろっこんがあることは知ってた?」
「不思議な力があることはなんとなく知ってた。
だからボク動けるんだもん」
檜扇はクマの言葉のまま伝えていく。
「ここにそういう力を持ってる人が多いのは知ってたかな?」
「知らなかった……けど、気がついたらここにいたの。
そろそろ休まなきゃと思ったし、ちよちゃんに何か食べるものをあげたかったし」
「そっか」
お金も持たない、それ以前にクマのぬいぐるみが食べ物を手に入れるには盗みに入るしかない。
学食にいたのはそういう理由らしい。
あえてそこを言及せずに、霧谷は会話を続ける。
「ここに来るのははじめてかな? 知り合いの人とかもいないの?」
「はじめてだよ。知ってる人もいないし、はじめはここがなにかもよくわからなかった」
「病院を抜け出した理由はちよちゃんを助けるためなんだよね?」
「うん」
少しずつ核心に近づいていく。
「どうやって助けようと思ったの?」
「……わからない」
「病院じゃ、ダメだったのかな? いや、病院の何がダメだったの?」
「病院は冷たくて、さみしくて、痛いところだから」
「ちよちゃんを助けてくれるところだよ?」
突如、檜扇がびくりと体を震わせた。
「大丈夫さね? 一旦休憩するんよ?」
疲労からきたものだと思ったのか、霧谷は檜扇を労わる。
「違う」
「ん? 疲れたんじゃないんさ?」
「あ、いえそうではなくて、クマさんが『違う』とおっしゃったんです」
「……病院はちよちゃんを助けてくれないってことさ?」
檜扇は答えられない。
「クマ君。病院はちよちゃんを助けてくれないの?」
「今の病院だと治療ができないと……。
おそらく進行を遅らせたり、痛みをやわらげることしかできていないのでしょう」
ほんの少しだけ、檜扇がクマの言葉に補足を入れる。
それからまたクマの言葉だけを伝えるに徹した。
「ボクがちよちゃんと同じように話せたらほかに方法があったのかもしれないけど、
ボクはクマだから」
(ちよさんと話がしたい、そう言っているようにも聞こえるな……)
ふと
御剣 刀
がその言葉の切なさに胸を痛める。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
推理・サスペンス
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月31日
参加申し込みの期限
2013年09月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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