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晴れ、ときどき鰹節、ときどき猫?
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『にゃ!? なにこれ!? なにこれなにこれ、どういうこと~~~!?』
突然の出来事に、紫蓮は完全に混乱していた。それはまさに青天の霹靂、今まで何かおかしいような気がするとは思っていたけれども、特に決定的な何かが起こる訳でもなく過ごしてきた紫蓮の身の上に降りかかった、想定外の出来事で。
試食メニューを食べていたはずだった。鰹節をメインにしたというメニューはいつものそれと同じで、どれも確かに美味しかったのだけれども如何にも家庭の味といった風で、飽きは来なさそうだけれども、飛びぬけて美味しい! という感動を与える物でもなくて。
ちょっと変わった物もたまには出てくればいいのに、と思った。それが罰当たりで、いけなかったのだろうか。それともその後に飲んだ麦茶が……?
(どっちにしても――ついに私にもこの、異常事態が降りかかってきたということ?)
しみじみとそう考えて、がっくりと肩を落とす紫蓮である。前々から、やっぱりテストの最中に猫の声が聞こえるとかフツウじゃないと思っていたけれども、やっぱり異常事態は在ったのだ。
それを、理屈ではなく心で理解してしまったと、紫蓮は食堂の天井を見上げた。そうして混乱し、諦めている彼女の周りに居る猫達はといえばけれども、なんだか平然としている者も居て。
紫蓮の予想通りなら、あの猫達もまた自分と同じように、人間から変化したのではないかと思うのだが――こういった異常事態にも慣れているというのだろうか。だとしたら、それはそれでどうなのだろう。
うーん、と悩む紫蓮にそっと近付いて、なぁ、と話しかけてくる猫が居た。黒と白の毛並みの、特に首の周りにあるヘッドホンのような白い模様が印象的な、全体としては気怠そうな雰囲気を持つ猫だ。
『よぉ。……お前も……か?』
『お前も……って事は、やっぱりあなたも……!』
『元人間、って奴だな』
そのヘッドホン模様猫、改め優の言葉に、紫蓮が驚きの声を上げた。――互いの言葉は言葉として解るのに、同時に実際にはにゃーにゃー言ってるだけだというのが解るのは奇妙なものだと、言葉、ではなく鳴き声を交わしながら優と紫蓮は同時に思う。
猫というのは全てそうなのか、それとも自分達が元人間だからそう聞こえるのか、それはさすがに解らない。だが、猫の紫蓮の様子にどこか自分と似たような空気を感じ、声をかけた優の勘はしっかりと当たっていた訳だ。
しかし、と優は前足で耳の後ろをわしゃわしゃ掻きながら、ため息に髭を揺らした。ちなみにイメージとしては、頭をがしがし掻いているような気持ちだ。
『俺だけじゃなかったのは良いけど、どうすりゃいいんだ……? 飯か飲み物が原因なら、もう一度それを食ったら元に戻ったりしねぇかな……』
『試してみる価値はあるけど、逆に戻れなくなるかもしれないわよ?』
『あ、そっか。くっそ、じゃあますますどうすりゃ良いんだ』
『誰か、こういう事に詳しい子に聞けたら良いんだけど、猫じゃない子には言葉が解らないだろうし、猫になってる子は誰が誰だか解んないのよね』
そうして、優と紫蓮は顔を見合わせ、またため息。そんな2人の眼差しの先を、同じく猫の姿の海がてこてこと、サインペンをくわえて歩いていく。
不思議な感覚だった。いつもと同じ、見慣れた寮の筈なのに、猫の姿になっただけで視点も、何もかもがずいぶんと違って見えるのが、当たり前の筈なのに新鮮で。
寮中を歩き回って、いつもとは違うその感覚を存分に味わってきた。御伽話に出てくる小人が見ている世界とは、こんな感じなのだろうか。
(しっかり覚えて、後で絵に描こう)
せっかく滅多に出来ない体験なのだから、と海はくるくる瞳を動かして、うろうろ動き回ってこの光景を胸に刻み込もうとする。そうして戻ってきた食堂で、鰹節の匂いに奇妙なほど心惹かれる自分に気が付いて、やっぱり猫なんだな、と苦笑してみたり。
そんな未知なる世界へと、舞華もついに一歩を踏み出した。ようやく一通りの料理を終え、満足して月詠に置いておいて貰った麦茶を飲んだ瞬間、くるりと視界が回って気付けば周りのあらゆる物を、見上げなければならなくなっていたのだ。
だが舞華は、生来のフランクな性格も手伝ってか、さして驚きはしなかった。どころか「あら」と小さく首を傾げただけで、自分が猫になってしまったことを、あっさりと受け入れて。
『視線が低い。これでは何も出来ませんね』
んー、と猫の視点から厨房の作業台を見上げて、さして残念でもなさそうに舞華は呟いた。そうして、せっかく猫になったんだから、猫らしくしてみましょうか、などとうんうん頷き、猫らしく爪を出し入れしてみたり、香箱座りをしてみたり。
ぴょんと作業台に飛び乗って、ついさっきまで自分が扱っていた鰹節を、口に含んでみる。猫の味覚で鰹節を食べたなら、いつもの何倍にも美味しく感じられそうではないか。
「あ、こら! いつの間に入り込んだんだ、出てけ!」
『きゃッ!』
途端、先ほどから熱心に猫を追い払っている虎治に怒られて、悲鳴を上げて舞華はするりと厨房から逃げ出すと、食堂へと飛び出した。が、すぐに鏡を見つけて足を止め、よいしょ、とよじ上る。
いったい自分がどんな猫になっているのか、興味があった。だからひょい、と覗き込んだ鏡の中に、アーモンド型の瞳がくるんと円らな、愛らしい猫を見つけて『かわいい……!』と感動する。
『折角なので人間が萌えるポーズでも……って、あぁん、かーわーいーいー!』
自分でやった直立猫招きポーズに、自分で悶える舞華の様子を、飲ませた当の月詠は冷静に観察していた。そうして、自分の予想通り麦茶を飲んだ者が猫に変化しているのだと解って、そうか、と満足する。
長机に並べられた麦茶のポットと、麦茶が入れられていた冷蔵庫を見比べた。このどちらかに恐らく、『麦茶を飲んだ生物を猫に変える』的な神魂が仕掛けられているのだろうが――それを何とかしようとは思わない。
(どうせ、この手の神魂はほっとけば元に戻るだろう)
そう考えて月詠は、代わりに見た者が事態を察する事ができるように麦茶のラベルを変えておこうと、荷物の中から白紙とペンを取り出した。そうして最初にレタリングしたのは、『猫麦茶』の3文字。
他にも『うみゃい!』『現実を直視して正しくお飲みください』などの文字をレタリングしてから、その周りに『ごろんと横になる猫』や『ラッパ飲みしている酔っ払い猫』といった、ほのぼのしたイラストを描き散らしていく。が、あくまで抽象的にそれらを描いたラベルを貼り付けていくだけで、直接的な注意は書き付けないのが、いかにも月詠らしい。
そんな月詠に放置されている事に気が付いて、舞華がうにゃぁぁぁん、と彼女を呼んだ。訳するなら『月詠さぁぁぁぁん!』。
月詠の側に駆け寄ると、舞華は後ろ足で立ち上がって前足を月詠の膝に置き、かりかりと引っかいて注意を引こうとする。
『月詠さんちょっと絵に描いてください、カメラないんですー! 放置しないでー! ……ッて、この仕草もかわいーい!』
「舞華が何も出来ないなら仕方ないな。私が代わりに給仕するか」
『月詠さんが? って猫耳メイド服……かわいい、写メ取りたいです……!』
さっと猫耳を頭につけて、あたかも変身ヒーローものみたいな素早さで物陰でメイド服を身につけ、出て来た月詠の姿に、猫ゆえにごろんごろんと床に全力で転がり、舞華が悶え始めた。その言葉が聞こえたわけではないけれども、どうせまた可愛いとか言っているのだろう、と予測して月詠は「そうか」と頷き、ついでなのでどこからか取り出した丸い銀のトレイを可愛らしく胸に抱えてやると、舞華が悶え転がり始めた。
そんな舞華の前にしゃがみ込んで、真央は「どうしたのだ?」と首を傾げる。
「お猫様もお腹が空いたのだ?」
「そんなようなものだ」
「真央ちゃんもお腹が空いたら元気が出ないのだ。真央ちゃん、お腹がくちくなったから、貢物のお時間なのだー♪」
そう宣言しながらごそごそと、真央が取り出したのはマタタビ粉。いつも持ち歩いている、町中で出会った猫を餌付けするための煮干しも一緒に取り出して、床の上にどん! と積む。
辺りにいた猫達の瞳が、きらーん、と光った。多くの猫がマタタビをこよなく愛しているのは、良く知られている。
その誘因力たるや、猫になった舞華の鼻腔をもくすぐり、はぅぅすりすりしたいです……! という衝動をもたらす程。そもそも舞華は猫である自分を非常に前向きに受け止め、猫としての行動を楽しんでいたので、なおさらなのかもしれない。
たちまち何匹もの猫が、マタタビ粉に群がって酔っぱらったように千鳥足を始めた。うっとりした眼差しでマタタビ粉にすりすりと毛皮をすり付けているものもいれば、そんなマタタビまみれの猫にすりすりして、お相伴を預かっている猫もいる。
楽しそうだなぁ、とそんな光景をしおりは微笑ましく、嬉しく眺めた。いつもと違う光景は、なんだかお祭りの夜にも似た雰囲気で、わくわくとしてしまう。
ふと、麦茶を飲もうとしている女生徒に気が付いて、あ、としおりはさりげなく声をかけた。
「野々さん。にゃごティーの夏限定味あるよー」
「えっ、ほんと!? 飲む飲むー!!」
途端、ぱっと顔を輝かせて飛びついてきた
野々 ののこ
に、しおりはにこにこ笑って「こっちだよー」とさりげなく麦茶から引き離すべく、手招きする。何がと言うわけではないけれども、あの麦茶は何となく、ののこには飲ませてはいけない気がしたのだ。
そうして揃って夏限定にゃごティーを飲みながら、しみじみ食堂を眺め渡す。
「猫が多いね~。やっぱり、新メニューが鰹節だからかな! いっぱい食べて、お腹ぱんぱんだよ~」
「美味しかった? 私は好き嫌いはないけど、鰹節って苦手な人もいるよね」
「美味しかった~~~!」
しおりの言葉に、ののこが満面の笑みで天井に拳を突き上げて、喜びを表現した。そんな姿が微笑ましくて、良かった、としおりは頷きまたにゃごティーを飲む。
このまま、人も猫さん達も気持ちよく過ごせるように、頑張ろうと思った。
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担当ゲームマスター
蓮華・水無月
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月04日
参加申し込みの期限
2013年08月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月11日 11時00分
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