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晴れ、ときどき鰹節、ときどき猫?
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実に幸せな光景だと、必死にクールの仮面が剥がれないように装いながらも、氷華は上機嫌で食堂の中を見回した。とにかくどこもかしこも、見渡す限りに猫が居るなんて、これほどの幸せがあるだろうか。
(……ん? 気のせいかさっきよりも増えてないか?)
だが不意にそう感じて、氷華はこくりと首を傾げた。先ほどから、思う存分に猫を撫でたい、抱き締めたい、もふりたい、愛でたい、という衝動と戦うのに必死だったので気付かなかったが――
どこかから入ってきているのかと、窓の方を眺めやった。けれどもまだ6月とは思えない暑さのおかげで、窓は空調の為にしっかりと閉じられて居るから、とても猫が入ってこれるとは思えない。
まぁ気のせいだろう、と氷華は1人頷いて再び視線を戻した。が、気付くと予想外に近くに猫が居て、おわ!? と内心で歓喜の悲鳴を上げる。
猫は氷華の顔を見て、甘えるように、或いは何かを訴えるようににゃぁにゃぁ鳴きながら、ひょいと伸び上がって顔を近付けてきた。そんな可愛らしい事をされたらもう、降参するしかないではないか。
(こ、この一匹だけ……抱っこしてもいいだろうか)
ふるふると、知らず喜びに震えそうになる己を叱咤しながら、氷華はついにその猫へと手を伸ばした。そうして手に触れる柔らかな毛並みと、しっとりと人間よりも高い体温にほわり、口元を綻ばせる。
そのままひょいと抱っこして、腕の中に納めた猫のアゴの下を、指先で優しく撫でた。
「もふもふだな。うん、良い毛並みをしている」
『わわ! 私は人間だよー!』
そんな氷華に撫でられながら、その猫、改め凜はたしたし腕を叩いて訴える。が、にゃぁん、と愛らしい鳴き声が響くばかりで、どうも自分の言葉が伝わっているようには思えない。
やっぱり気付く筈もないか、と凜はしょんぼりお髭をしおれさせた。そりゃ、もしかしたらこの猫は人間かもしれない、なんて普通は思わないし、ましてそういった種類のろっこんでも使わない限り、猫の言葉が人間に解るはずがない。
それは解っていたけれども、いざそうなってみると困るなぁ、と凜は氷華に撫でられながらしっぽを揺らして考える。考えながら頭の片隅で、普段何気なく猫を撫でたりするけど、猫はこんな感じだったんだなぁ、と思ったりも、して。
(……あ、でもこれ気持ちいいかも……)
自分の意志に反して喉がごろごろ鳴り出すのを、他人事のように聞きながら、目を細めた。うん、これは何というか、猫が喉を鳴らす気持ちがよく解る。実際に鳴ってるし。
ごろごろ、ぐるぐる。
(……せっかくだし甘えちゃおうかなぁ、えへへ……)
するりと氷華の腕から抜け出して、膝に着地すると本格的に、撫でてとばかりに喉を逸らして目を細めた凜に、氷華はますます嬉しくなって、その暖かな重みを膝に感じながら背中を撫で、喉を撫でた。そうしてまた食堂を見回して、本当に色んな毛並みの子達が居るな、と目を細める。
そんな、数多居る猫達に凪もまた、嬉しくてふわふわと食堂の中を動き周り、手を差し伸べていた。
「にゃんにゃん………おい……で……?」
ゆっくりと、訥々と。生まれつき言葉がうまく話せなくて、片言でしか人とは会話出来ない凪だけれども、動物は声が出せなくても触れ合う事が出来、感じ合えう事が出来るから大好きで。
表情も余り出せないから、端から見れば無表情だけれども優しい仕草で、近くにいる猫を抱きかかえたり、もふもふと撫でたりする。そんな凪はやっぱり、ポンチョ一枚というなかなか目のやり所に困る姿で、さすがにちょっと恥ずかしいなとは思っているのだけれども、思っているだけだったり。
食堂の中だけではなく、この猫騒動に引かれたのだろうか、窓の外にも『なんだなんだ?』とばかりに、様子を覗きにきた猫達が居る。そんな猫達の間をあちらこちら、動き回っているのは猫姿の轟だ。
こんな時でなけれは猫と交流したり、話を聞いたりすることは出来ない。そうして、今ならば轟だって猫なのだから、対等に(?)友達になれる! という喜びが、轟を突き動かしているわけで。
『よう。ちょっと仲間に入れてもらって良いか?』
『うん? あんた、あの変な人間猫達と一緒だね。まぁ良いよ――ちょいと、この人間猫に場所を空けておやりよ』
そうして幾度目かに声をかけたシャム猫に、鷹揚に招かれて轟は、どうやらご近所の猫達が形成しているらしいグループにちょこんと入り込んだ。そうか、元人間だから人間猫か、と単純なのか解りやすいのか、判断に迷うネーミングセンスに純粋に感心する。
シャム猫グループには飼い猫も、野良猫も区別なく存在するらしい。聞いてみると世の猫グループの中には、飼い猫だけのグループや野良猫だけのグループもあって、やはり話が合うの合わないのがあるのだとか。
『お前らにも色々あるんだな』
『まぁ、人間ほどじゃぁないよ。ご主人や近所の人間を見ても、面倒臭そうだからねぇ』
『そうそう。私の飼い主なんて、私が面倒を見てあげないと、何にも出来ないんだから』
『僕がよく餌を貢がせてる人間なんて、しょっちゅう物をなくすからね。そのたんびに探して、届けてやるのが大変さ。でも、面倒を見てやるのは主の義務だからね』
『……そうか、色々あるんだな』
猫達の会話と、それぞれの人間観を聞いて轟は、何となく眼差しがちょっとだけ遠くなるのを感じながら、鼻をひくひく動かして頷いた。この猫グループの言っている事が、すべての猫の価値観ではないのだろうが、何となく今後の付き合い方(?)を考え直してしまいそうだ。
とはいえ、話を聞くばかりでは何となく、申し訳ない。それに聞いてみたい事もあって、そうだ、と轟は猫達を見回した。
『猫って、カラスと仲悪いよな。俺も話でしか聞いたことはないんだが、この島にはオネエ口調のやったら強いメスのカラスがいるって話なんだ。そいつは「人間」相手に喧嘩売ってるらしいんだが、猫達に被害はないか?』
『ふぅん……? 私らは聞いた事ないけれど、他のグループはどうだろうねぇ?』
『私達、縄張りからはあまり出ないしね。この島じゃないようなもんだけど、一応私達はきちんと決めて、守ってるのよ』
『そうか……いや、お前らには被害がないのなら良いさ』
猫達の言葉に、轟は満足してぴくぴくと耳を動かし、尻尾を揺らして頷く。もし被害があるのならと思っていたが、彼女達が平和に暮らせているのなら、それで構わない。
そんな食堂の外での猫達の交流には、気付かないまま夏朝はけれども、他の多くの寮生達と同様に、訳も解らないまま猫に変化してしまった自分自身に、軽い混乱とそれ以上の好奇心を抱いていた。
(鏡、どっかに鏡なかったっけ?)
『鏡どこー?』と皆に聞いて回りながら、食堂の中を歩き回る。その声はけれども自分自身の耳にも『みゃぁ、みゃぁー?』と聞こえてきて、果たしてきちんと話せているのかが解らない。
いったい何が起こっているのか、よく解らなかった。何となく訪れた食堂で、沢山いる猫に嬉しくなって、触らせて貰おうと思って。けれども喉が渇いたから、先に飲み物を飲んでから、と麦茶を貰ったら軽い眩暈とともに、猫に姿が変わってしまっていたのだ。
だが「猫さんになっちゃった!?」という驚きは、すぐに折角だから自分自身の猫姿を見てみたい、という好奇心に取って代わられた。猫好きの夏朝にとっては、何よりそれが重要な所だったのだ。
だから鏡を探し回って、ようやく見つけた夏朝は同じ様にうろうろ、きょろきょろとしている子猫を見つけて、おや、と首を傾げた。あの子猫ももしかして、自分と同じように元は人間で、鏡を探しているのだろうか。
『ねぇねぇ、君も鏡を探してるの?』
『鏡? ううん、私はどこか柔らかい土を探してるの。ろっこんを使ってみたくて……』
そうして声をかけた夏朝に、かけられた日菜はふる、と首を振ってそう言った。正確には柔らかい土ではなく、柔らかい土のある庭へ出られる所を探している、のだが。
今日はなんだかうどんの気分だなぁ、と頼んだかつぶしと揚げ玉、大根おろしがのった冷やしうどんが気にならない訳ではない。大根おろしがさっぱりして、とっても美味しかったのだからなおさらだ。
けれども、ろっこんの仕業なのかどうなのかよく解らないけれども、麦茶を飲んだら猫になってしまって。それも何だかとっても小さな、子猫サイズになってしまったのもよく解らないのだけれども、何となく『取りあえずルーくんを召喚してみよう』と、いつもろっこんを使った時に出てくる白頭鷲の事を思い出したから、こうして今、ろっこんを使える場所を探していて。
そっか、と日菜の言葉に夏朝もその事実に気が付くと、同じくそわそわと今度はねこのシールを探し始めた。猫の状態でろっこんが使えるのか、もし使えるならその場合どうなるのか――試せるのは今だけ、なのだ。
最初は制服のポケットに入っていたはず、と手を伸ばしかけたものの、さすがに猫になってしまったおかげで制服もどこかに行ってしまったらしい。その辺りも何だか不思議だけれども、まぁそういうものなのだろう。
だからうろうろとシールを探し始めると、なぜか先ほどまでは見つからなかったものが見つかるものだ。日菜と別れてすぐに夏朝は、先ほどはあんなに探しても見つからなかった鏡を食堂の隅であっさり見つけ、そう言えばここにあったんだっけ、と軽い脱力感を覚えた。
せっかくだからと飛び上がり、覗き込んでみた夏朝の姿はと言えば、子猫ほどではないけれども小柄で、オレンジの柔らかな毛並みがふわふわとしたにゃんこだった。靴下を履いているように足の先だけが白くて、短めの尻尾がほわほわ揺れる。
前足をひょいとひっくり返してみてみたら、ピンク色の肉きゅうがぷにぷにと夏朝の動きに合わせて動いた。さて、この手で果たしてねこシールを台紙からはがす事が出来るのだろうか。
『やってみなくちゃわかんないよね、うん!』
1人そう頷いて、夏朝はてとてととまたシールを求めて食堂の中をさまよい始めたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月04日
参加申し込みの期限
2013年08月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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