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晴れ、ときどき鰹節、ときどき猫?
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ずっと、思っていた事がある。円がにゃーくんを飼うようになってから、口には出さないまま、ずっと考えていたこと。
(僕の自己満足で、にゃーくんを振り回してない?)
動物を飼うのは初めてで、嬉しかった反面、本当にこれで良いのかと不安だった。一緒にお散歩をしても、本当ににゃーくんは喜んでくれているのか、こうしているのは円の自己満足に過ぎないのじゃないかって、ずっと、ずっと不安で。
通訳をできる人に、良い主人だと誉められはしたけれども、その不安が消える事はなかった。誉められたのは嬉しかったけれども、でも、それはやっぱりにゃーくん自身の言葉じゃない。
けれども――
『おねーさん、早く早く!』
『待って、待ってよにゃーくん!』
慣れない猫の身体で必死に走る円の先を、はしゃいだ様子のにゃーくんが元気に走っていく。そうして時々振り返り、おねーさん早く、と嬉しそうな声で円を急かす。
それに、ほっとした。にゃーくんが本当に、円の事を好きでいてくれるのが伝わって来て――円と一緒に、もっと一緒に遊びたいと思ってくれているのが、解って。
この様子なら、自分はちゃんとにゃーくんの家族になれているのかな、と思う。そう思うとほっとして、嬉しくなって円は必死に、にゃーくんの後を追いかけて。
あッ、とにゃーくんが声を上げた。
『迷子のおねーさんだ、また困ってる!』
『ホントだ、紫乃先輩だ! せんぱーい、試食会場はこっちだよー!』
『迷子のおねーさん、いそげー!』
そうして2匹、まるで姉弟のようにぴょんぴょん飛び跳ねながら紫乃と、それから一緒に居る渚に合図をしたのに、先に気付いたのは渚の方だった。というのも、自分が住んでいる寮の中で本気で迷っている紫乃を、どうにかして食堂まで連れて行きたいのだが性格上なかなか強気には出れず、どうしたら良いのか困っていたからで。
勇気を出して先を行く、紫乃の袖をぐい、と引っ張る。
「し、志鳥さん……あそこに、猫が……」
「え? ――わぁ、可愛いですね!」
「その……ついて来いって、言ってるみたいに見えません、か……?」
「ふふ、ほんとですね♪」
幸いにして、紫乃は渚の言葉ににっこり笑って頷き、楽しそうに円とにゃーくん――と解った訳ではないが――の後をついて歩き始めた。それに心底ほっとして、渚もその後ろからおずおずと着いて歩き始める。
そうして無事に辿り着いた、食堂で渚と紫乃はようやく、新メニューの試食にありつく事が出来た。もう終わってしまっているのでは、とちょっと心配していたのだけれども、どうやら杞憂だったようだ。
出来るだけたくさんの種類を食べたいから、量の少ないものを選ぶ。そんな渚に紫乃が、どうせだから違う種類を食べて分けっこしましょう、と提案したのに、頷いて。
食堂の片隅に向かい合って座り、食事を楽しみ始めた渚達から少し離れた場所で、ついに四月と信彦は、最後の対決(?)を迎えていた。時々は机の上に顔を出してつまみ食いをしながらも、基本は這いつくばって移動して逃げ続けていた四月の前に、猫を抱きかかえた信彦が立ちはだかったのだ。
バレた!? と身を強張らせた四月に向かって、ごくごく真剣な表情と眼差しを作って、心持ち猫を突き出すようにしながら信彦が言う。
「常盤っち、キミの(モチモチほっぺを)初めて(ムニムニする許可)が欲しい!」
「八十八旗くん……ッ!?」
四月にしか聞こえない心の声がふんだんに盛り込まれた、どこから聞いても誤解しか生まれないような、とてもはた迷惑な台詞であった。いや、聞こえていても誤解が生じたに違いはないが。
そんな、勘違いをあえて誘発するような台詞を口にしたのは、もちろん信彦の計算のうちだ。こうして彼女を口説き落とし、あわよくば周囲の皆にも後押しをされるような形に持っていって、見事四月のもちもちほっぺをゲットしよう、というのである。
(さぁ、どうする、常盤っち?)
半ば勝利を確信して、信彦は人質ならぬ猫質として確保した猫をしっかりと抱きながら、四月の動向を見守った。前々から彼女のほっぺたを狙っているのだけれども、最近は護身用の水鉄砲を持ち歩いているようなので、可愛らしい猫が居れば激しい迎撃は出来まい、と踏んだのだ。
そんな信彦と、周囲からの好奇の視線を受けて、えぇい、と四月は覚悟を決めた。こうなっては逃げるが勝ち、一か八か、だ。
「あの人痴漢です!」
そうして四月はビシッと信彦を指差し絶叫すると、そのままくるっと彼に背中を向けて猛ダッシュで逃げ始めた。――さすがにここまでやれば、信彦とて追いかけてくる事は出来ないだろう。
ちょっと可哀想かな、と思わないでもない。だが悪いのは信彦だ、と四月は走りながら頭を振って思い直す――自分のこの、自慢の柔らかな頬はいつか出会う、まだ見ぬ彼氏にしか触らせない、と決めているのだから。
だからバタバタ逃げていく、四月を呆然と見送っていた信彦は、思わぬ所から抵抗を受けて「わッ!?」と声を上げた。保険のために確保していた、手の中の猫が暴れだしたのだ。
その猫、紫蓮も実の所、ことの成り行きが解っていたわけではない。突然抱き上げられたかと思うとこの場に連れて来られて、訳も解らず様子を見ていただけだ。
けれども。
『嫌がる女の子に何してんのよ!』
「わッ!?」
持ち前の正義感を発揮して、腕の中からするりと抜け出し猫キックをお見舞いした紫蓮に、信彦はさらに驚いて目を丸くした。が、信彦の前に立ちはだかって、フーッ、と背中の毛を逆立てた紫蓮を見て苦笑する。
そうして紫蓮に向かって肩を竦めた。曲がりなりにも紳士を標榜している信彦だから、あそこまで徹底的に逃げられれば、さらに追いかけるなどもっての他、ということは、彼にも判っている。
「嫌がるセニョリータに無理強いはしないよ」
だからそう言った信彦を、ふむ、と紫蓮は前足をわきわきしながら見つめた。そうして一応、嘘はなさそうだと確かめると、なら良いわ、とこっくり頷く。
猫の視線で人間を見上げると、いつもと違って見えてはいけない部分まで見えてしまったりして、新鮮だけれども同時にちょっと危機感を覚えもしたりする。だから尚更に、盛ったオス猫の悪事をそししなきゃ! とか、いつも以上に気を配ってしまったりして。
だが萌と朝陽はといえば、そんな一部の緊張感にはまったく気付かず、食べ比べ大会に突入していた。それぞれに試食メニューの制覇に精を出しているうちに、何となく空気が通じ合ったのだ。
ゆえにいつしか向かい合わせの席に座って、互いに競い合うようにして、次から次へと試食メニューを胃に収めて、居る。
「うめー! うまくコメントできねーけど、とにかくどれもうめー!」
「あー、そっちも美味しそうだよなー。よし、次はそれにする!」
「他にもまだ、メニュー出てくんのかな……誰よりも多く喰ってみせるぜ!」
「負けるか!」
互いに互いよりも多く食べようと、ひっきりなしにお箸を動かした。とはいえ作ってくれたトシ子さんや他の皆に感謝して、きちんと味わうことも忘れない。
そんな風に食べる事に夢中になっているものだから、萌も朝陽も、周りの猫騒ぎにはまったく気付いていなかった。そうしてあおいとのお喋りに夢中になっていた、綾花も――
「あおいちゃん、お茶飲みますか?」
「うん。――まだ修君は戻ってこないね」
修が居なくなってから――正確には猫の姿になってしまってから、どこに行ったんだろうね、いつ戻ってくるのかな、と話しながら待っていた2人である。が、いつまで経っても戻ってこないし、おしゃべりをしているうちにちょっと、喉が渇いてしまったのだ。
そんなやり取りを、実はあおいの膝の上で撫でられながら聞いていた修は、ここだよ、と机の上に伸び上がり、前足で文字を書いてみた。けれども「悪戯はダメだよ」と怒られて、違うんだ、とがっくりする。
とはいえ自分でも信じられないのだから、あおいや綾花が修が猫になっていると想像出来るはずがないのも、修にだって解っていた。でもどうすれば戻れるのかと、飽きるほどに考えた事をまた考える修の頭を、あおいが撫でてくれるのに自然、喉が鳴る。
(……ッて、また! 人間のプライド捨てるなよ、俺……)
あおいに撫でられるのはそりゃぁもう嬉しいが、行動が完全に猫化しているのは、ちょっとまずいんじゃないかと思う修だ。だから必死に我慢しているのだが、猫の本能というのは恐ろしいもので、意志の力でどうにかなるようなものではないらしい。
やれやれと、ため息を吐く修の頭上で、あおいが綾花の差し出したお茶を受け取り、口をつけた。――そうして次の瞬間、そこにはびっくり眼の可愛らしい猫が、ちょこんと座っていたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月04日
参加申し込みの期限
2013年08月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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