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晴れ、ときどき鰹節、ときどき猫?
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ねこシールを求めて、夏朝は食堂中を駆け回っていた。
『誰か、ねこシール貸してー!』
だが、猫になっている夏朝の叫び声は、他の人間には「みゃあ、みゃうみゃうぅー!」と鳴いているようにしか聞こえない。なにやら大変そうなんだな、というのは響きから伝わってくるのだけれど、意味が解らないので「可愛い。お腹空いた?」「飼い主とはぐれたのか?」といった、夏朝にとっては見当違いな言葉をかけるのみで。
あぁ、と夏朝はがっくり肩を落とす。可愛いと言われるのは嬉しいし、なでなでされるのは心地良いのだけれども、そうじゃないの! と叫びたくなってしまう。
といって、叫んでもやっぱり言葉が通じないのは解っていたから、夏朝は心の中で絶叫した。
(……今しか試せないの、ねこシール……!)
猫になった状態でろっこんを、なんて絶対、今しか機会はない。というか、そうそう機会があって貰っても困る。
故にがっくりしながらも、再びねこシールを捜し求めて走り出そうとした夏朝は、目の端にねこグッズを認めてぐるん、と勢い良く方向転換した。向かう先は膝の上に2匹の猫を乗せて、何だか複雑な顔をしている綾花の所。
ねこグッズは、綾花の傍らに置かれた鞄からはみ出していた。もしかしてシールがないかと思って首を突っ込んだら、気付いた綾花がきょとん、と目を丸くする。
「猫なのに、ねこグッズが好きなんですか? ――それともあなたも、あおいちゃんと一緒なのかな」
『あおいちゃん?』
それは同じ寮の
七夜 あおい
の事だろうかと、見当はついたが訊ねられる訳もなく、夏朝はお目当てのねこシールを見つけて引っ張り出す。そうして訊ねるように綾花を見上げたのに、こっくりと笑顔で頷かれたので、にゃぁ、とお礼に一声鳴いてありがたくシールを頂戴し。
そんな夏朝を、可愛いですね、と見送ってから、綾花はまた自分の膝の上を見た。そこにいる2匹の猫は、あおいが可愛がっていた猫と、それから綾花が渡した麦茶を飲んだ途端に猫になったあおいだ。
元より猫好きの綾花だから、まして大好きなあおいが猫になったとなれば可愛くて仕方ない。けれども自分のせいでこうなってしまったのだと思うと、あおいに申し訳なくて。
「あおいちゃん、ごめんね」
『大丈夫だよ』
猫になっても言葉は解るのだろうかと、不安になりながら謝った綾花に、あおいがそう小さく鳴いた。その言葉は、みゃぅ、としか聞こえなかったけれども、何となく意味が分かった気がして綾花はほっと胸をなで下ろす。
そうしてあおいの背中を撫でながら、どうしたら元に戻るのかな、と考え始めた綾花の膝の上で、もう1匹の猫である修はぺろぺろとあおいを毛繕いしてやった。大丈夫と口では言っていたけれども、きっと内心では不安に違いない、と思ったから。
自分自身が猫になった時の事を思えば、その驚きや混乱、不安はたやすく想像出来た。だから『大丈夫だよ』とあおいを慰めて、ちょっとでも安心させようと毛繕いをして――あぁ、とふいにがっくりする。
(また猫の本能が……ッ!)
猫の姿だからまだ良いものの、リアルでやったら完全にアレである。元に戻れた時にはこの本能も消えてるよな? 消えてますように! と今から不安になってきて、修は思わず真剣に祈りを捧げた。
食堂を見回してみると、あちらこちらで今度は、猫が人間になったと騒ぎが起きている。ならばいずれ修やあおいも戻れるのだろうし――そうしたら、変な騒ぎに巻き込んでしまったと気にしているかもしれないあおいに、「色々あったけど今日は呼んでくれて有難う」と笑ってお礼を言おうと、思う。
そんな食堂の片隅では、凪が目の前の猫を愛でることに忙しい。ポンチョ1枚ではどうしても、色々と目のやり場に困ってしまう凪の傍にずっと寄り添っている猫は、これは私がしっかり目を光らせておかなくちゃ危険ね! と当たりを警戒する紫蓮だ。
だが人見知りも手伝って、出来るだけ人目に付かないようにと気をつけている渚は未だに、そんな騒ぎには気付いていなかった。もぐもぐ、ぱくぱくと試食メニューを口に運んでいる、正面では紫乃が早くも食べ終わって、お代わりをしようかどうか悩んでいて。
ふと渚へと視線を移し、紫乃がにこにこと訊ねた。
「どうですか、白浜さん。美味しいですか?」
「は、はい……美味しいです、ね。素朴な感じで、でも幾らでも食べられそうで……」
そんな紫乃に答えながら、顔を上げた渚の前髪がさら、と揺れる。そうして垣間見えた前髪と眼鏡の向こうの素顔に、あら、と目を丸くした紫乃がさらに何か言おうとするのを、渚はとっさに口を覆って止めた。
――目立ちたくないのだ。この眼鏡も、この前髪もそのためのものなのだから。
そんな渚に口を押さえられたまま、ぱちぱちと目を瞬かせた紫乃は――笑う。
「転校してきてから2ヶ月経つのに、初めて白浜さんの顔を見たなんて、何だか不思議ですね♪ でも、嬉しいです」
にこにこと、それ以上でもそれ以下でもない感想を述べた紫乃に、渚は小さく苦笑した。彼女と、同級生ではあっても同じクラスではないのが、残念で少し、寂しい。
そんな2人を無事に食堂まで案内してきた円かとにゃーくんは、けれども今は窓際で揃ってぺたんとひなたぼっこをしている。
『そうだ。にゃーくん、その首のリボン、かっこいい方とかわいい方、どっちが好き?』
『くびの……? んーと、かっこいいの!』
『そっか。じゃあ今度、かっこいいバンダナ買ってくるね』
首輪の好みを聞く事が出来て、円かは嬉しくなって何度も頷きながら、そうにゃーくんに約束した。わーい、としっぽをパタパタして喜ぶにゃーくんに、目を細める。
これも自己満足の1つかもしれないけれども、飼い猫には首輪が必要だから、ならばせめてにゃーくんの気に入るものを買ってあげたかった。その望みが叶うのだから、こうして猫になれて良かった、と思う。
「疲れたね、にゃーくんお昼寝しようか」
――にゃぁ
「……あれ?」
だからほっとした気持ちで、そう声をかけた円はけれども、聞こえてきた声がいつもの鳴き声に過ぎない事に、こくりと首を傾げた。振り返ると、さっきまで同じ高さだったにゃーくんの眼差しは、今はずっと下にある。
――戻ってしまった、のだ。それに一抹の寂しさを覚えた円を、見つけた真央が「あれー」と明るく声をかけた。
「円ちゃんも無料ゴハンに惹かれてきたのだ? それにしても猫が多いのだ、猫鳴館より1部屋1猫っぽいのだ、ちょっと真面目に転寮を検討したくなるのだ! 絶対しないけど」
「……あは」
そんな真央に、円とにゃーくんは顔を見合わせて笑う。うにゃ? と訳のわからない真央が首を傾げたけれども、何だか妙な笑いが込み上げてきて、なかなか理由を説明することが出来ない。
楽しそうですね、とその光景にしおりはほっと頬を緩ませた。ふと視線を巡らせると、やはりその光景をじっと見ている月詠が居て、同じく気付いたようにしおりを振り返る。
しばし、見つめ合った。何がどうという訳ではないのだが、なぜだかそれに満足を覚えて、しおりはにっこり笑ってぺこりと頭を下げ、緊急事態が起こっていないか再び、食堂の中を歩き始める。
いつでもろっこんを使って駆けつけられるように、実は学校や寮の周り、棚の上やロッカーの中などに、目立たないように落ち葉を猫型に切って定期的に撒いたり、透明な薄いプラスチック板を猫型に切ってこっそり置いていたりする。今日はまだそれらに触れる機会はないけれども、出来得るならこのまま普通に、フツウに時が過ぎれば良い。
そうした、皆の普通の幸いを守りたいと、しおりは思っているのだから――
●
やがて時間が経つに連れて、猫騒動に揺れていた食堂の中には、自然にぽんと人間に戻る人が現れ始めて、元に戻れるのかと不安を抱えていた人々の間に安心をもたらした。が、戻れるとなると今度は、あえて麦茶をもう一度飲む者も現れたりして。
どうやら完全に騒ぎが収まるまでには、もうしばらく時間が必要なようだった。
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あとがき
担当マスター:
蓮華・水無月
ファンレターはマスターページから!
こんにちわ、水無月 深凪でございます。
このたびはご参加頂きまして、本当にありがとうございました。
また、個人の都合により執筆が遅れ、皆様を大変お待たせしてしまいました事を、心よりお詫び申し上げます。
お誘い合わせの上でご参加下さいました皆様、偶然の出会いを楽しみにご参加下さいました皆様、桜花寮での猫騒動は、こんな形になりました。
皆様の楽しそうなアクションに、水無月も一緒に猫になった気分になったり、試食メニューにわくわくしたり。
水無月自身、小学生の頃から猫と一緒に暮らしておりましたので、もふもふにゃーな空間がとっても幸せでございました(こくり
お届けさせて頂きましたリアクションが、お待たせしてしまいました分も、皆様に僅かなりとも楽しんで頂ける物であれば、心から嬉しく思います。
またのご縁がございましたら、どうぞ宜しくお願いいたします(深々と
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月04日
参加申し込みの期限
2013年08月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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