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晴れ、ときどき鰹節、ときどき猫?
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こんなに猫が多くなると、うっかり猫と人の事故が起こりかねない、としおりは食器を厨房に下げながら考えていた。別に頼まれた訳ではないが、今日は妙にコップやお皿を片付けないまま帰る人が多いのね、と困り顔のトシ子さんを見て、ならばと率先的に動いたのだ。
それに実際、幾つも並ぶ食堂の机の上には、放置されたままのトレイがひどく多かった。それも食べ終わったものばかりじゃない、食べかけのものや、どうかしたら手もつけていないトレイまで、そっくりそのまま残されている。
「あなた達も食べられたら良いのにね」
片付けようとしたトレイの前、まるで今にも食べようとするかのように、ちょこんと椅子に座る黒猫に、しおりは笑いながら話しかけた。こんなに猫が鰹節を好きだなんて、今度、テオに会ったら話してみよう。
そう考えてまた、しおりはクスクス笑った。そうして黒猫と、それからその傍らでぐるぐると歩き回り、黒猫をぺしぺしと猫パンチで叩いている――喧嘩だろうか――子猫の頭を撫でて「尻尾踏まれたドジッ子もいるからね~、気をつけてね」と声をかけて、トレイを厨房へと下げに行く。
が、注意された黒猫の円はと言えば、それどころではなかった。まだ何が起こっているのか、混乱しているというのもあるし――
『円おねーさんどこー? こらー、どこにおねーさんを隠したのー』
『わッ、わわッ、にゃーくん、落ち着いて……ッ』
円以上に混乱し、怒ってぽかぽか、ぺしぺし、猫パンチを繰り出してくる愛猫にゃーくんを、どうにかして落ち着かせてあげなくちゃ、と必死だったのも、ある。幸い爪を立てられてはいないし、子猫ゆえか手加減しているのか猫パンチも痛くはないので、叩かれながら円は必死に考えた。
麦茶を飲んだ、そこまでは覚えている。が、くるりと視界が回ったかと思えば、いつの間にか自分の目線はテーブルよりも低くなっていて、視界に入る自分の身体は黒猫になっていて。
にゃーくんがびっくりした声で、『わぁ! 円おねーさんが消えて、黒い子が出てきた!』と鳴いたのが聞こえた。その意味が理解出来たのと、言われた内容にどうやら本当に自分は黒猫になってしまったらしいと知って、そうして現在に至る。
とにかく、と円は椅子の上からするりと飛び降りて、にゃーくんへと向き直った。そうすると目線が全く同じで、いつもの様に目の高さににゃーくんを抱き上げるのとはやっぱり違って、なんだか不思議。
『にゃーくん、おちついて! ぼくだよ、円!』
そうして口を開いた円に、にゃーくんは目をまんまるにして動きを止めた。と思うと、おひげと尻尾をピクピク動かしながら、確かめるようにぐるりと円の周りを歩く。
一周して、にゃーくんは不思議そうにこっくり首を傾げた。
『円おねーさん? ほんとう? ふしぎなふしぎ?』
『そうだよ。何回か不思議なもの一緒に見てるでしょ? つまり、そういうこと』
『――おねーさん猫になったんだ、すごい! じゃぁ、あそぼ! あそぼ!』
そうして円の言葉を聞くと、途端に嬉しそうにぴょんぴょん跳ねながら、どこかに向かって走り出してしまう。そんなにゃーくんの小さくて大きな背中を、『わわ、何して遊ぶの、待ってー!』と叫びながら追いかけて行く円猫を、見送りながら朝陽はうーん? と首を傾げた。
ずっと見ていた訳ではないけれども、あの席には猫ではなく、女子が座っていたような気がしたのだ。けれども実際に走っていったのは猫だし、お腹が空き過ぎて幻覚でも見たのだろうか。
うぅ、と空腹を訴えるお腹をさする。軽く1人前を平らげたというのに、未だにお腹がきゅるる……と空腹を主張するのは、一体どういう事だろう。
考えていてもお腹が空くだけだと、お代わりを取りに行くべく立ち上がった朝陽の視界に、非常にふくよかな肢体のぶち猫が目に入った。窓際の、日当たりの良い辺りにのっそりと寝そべって、優雅に欠伸なぞしている。
(あのまんまるな猫とか焼いたらうまそ……いやいや何を……)
そんな和やかな光景を見ながら、不意に脳裏をよぎった思考に我ながらぎょっとして、ぶんぶん勢い良く頭を振った。突然の動きに驚いたのだろう、「みゃッ!?」とすぐ側にいた猫が飛び上がってわたわた逃げて行くのが、まるで自分の思考を読まれたかのようでちょっと、複雑だ。
さすがに猫は食わねぇよ、と少しやさぐれた気持ちでお代わりのトレイを受け取る。そう、こうして食堂で思う存分、お腹いっぱいにご飯を食べられるのだし、わざわざ猫を食べたりはしない――多分。
「あ、おい! 飯に猫の毛が入るだろ! あっち行ってろ!」
気づけば美味しそうな匂いに誘われて猫がトレイの側までわらわらと寄ってきていたのに気がついて、朝陽は慌てて手を振って猫を追い払った。次は鰹節をまぶした蒸し鳥、育ち盛りには貴重な肉なのだから、奪われては堪らない。
「う、うまそ……!」
ごくり、と唾を飲み込んだ。鶏肉も良いが、豚肉も、牛肉も良い……ステーキ……焼肉……丸焼き……丸焼き!?
気づけばまた猫の丸焼きを思い浮かべていて、今度こそ朝陽はがっくりと肩を落とした。さすがに、さすがに食べない。せいぜいが非常食とか、そのぐらいのものだ――否、それでもどうかと自分でも思わないでもないが。
うぅ、とまた呻いて気分を変えるべく、荷物の中からスポーツドリンクを取り出して喉を潤した。麦茶でも良いけれども、せっかくだから飲み切ってしまいたい。
「さって、気を取り直して! 食うぞ~~~~~ッ!」
そうしてお箸を構えると、今度こそ猫も何も忘れて目の前のご飯に集中し始めた、朝陽にも負けない勢いで真央もまた、少し離れた所でようやく念願のただご飯を堪能していた。トシ子さんに思う存分カツブシ愛を語りまくって、ついでに舞華が作ったおかかもたっぷりと貰ってきたので、すこぶるご機嫌さんである。
「たーだゴハン、ただゴハン♪ 今日の夕飯分もここで一気に食べていくのだ、真央ちゃん頑張るのだ!」
即席の自作の歌を歌いながら、真っ白なホカホカご飯に作りたてのおかかを乗せる。そうして口一杯に頬張ったらもう、これ以上はない幸福だ。
うみゃ~~~~~ッ、と真央は口一杯に広がる幸せを、文字通り噛みしめた。元より貧乏な猫鳴館寮生には魅惑的なただ飯という響き、おまけに大好きな鰹節に大好きなお猫様が居るとなれば、もう一生ここに住んでも良いとさえ思える。
だが子猫にはまだ早いよな、と愛猫のサティと鰹節の山を見比べて、深雪は軽く息を吐いた。それでなくても人間の食べ物は猫には味が濃すぎるものが多いというし、まだ小さいサティには尚更だろう。
「仕方ないからこの水でも飲んで我慢してくれ」
――みゃぁ!
お茶碗に水を注いでサティの前に置きながらそう言うと、子猫はお利口さんのお返事をして、ぴちゃぴちゃと水を舐め始めた。ちなみに猫は水分不足になりやすいので、水気は欠かしてはいけないらしい。
ほっと頬を緩ませて、そんなサティを見守ってから深雪もまた、喉を潤そうと麦茶を口にした。独特の芳香が喉の奥を滑り落ちていく感覚。それからいつもとは違って、なぜかくらりと目眩がするような感覚――
『……ッ!?』
慌てて深雪はコップから口を離し、額に手をやろうとした。が、その際に目に飛び込んできた自分の手に、ぎくり、と動きを止める。
猫の手、だった。なぜ、と訳が分からず誰かに答えを求めるように眼差しを巡らせて、目の前にある金銀の眼差しにギクリ、と深雪は再び動きを止める。
巨大なアーモンド型の瞳が、不思議そうに深雪を見つめていた。が、その眼差しは決して初めて見るものではなく、いつも見ているものだという事に、少しして深雪は気付く。
サティだった。修から譲り受けた、白い毛並みが美しい金と銀の瞳の子猫。甘えん坊で、深雪の姿が見えないとすぐに鳴いて探し回るぐらい寂しがりやで――
『サティ……? お前、何ででかくなって……いや違う、俺が縮んだのか!?』
『うん、そだよ?』
深雪の自問に、サティがそう頷いた。聞き慣れた鳴き声に、聞き慣れない言葉が重なるように響いて、あぁ、と知らず吐いたため息に、視界の中に見える髭が揺れる。
縮んだ、と言うよりどうやら自分は、サティと同じ猫になってしまったらしい。何が何だか訳が分からないが、これも神魂の影響ってやつなのか、それともまた別の理由なのか――少なくとも、またおかしなことに巻き込まれてしまったのは確からしい。
とにかく、元に戻る方法を探さなければならなかった。でなければサティを守ってやる事も出来ないし――な、といつものくせで話しかけたら、サティがうん! と元気良く頷いてくれる。
そんな微笑ましい猫達が、まさかストーカー対象である深雪達だとはさすがに気付かず、ロベルトは試食メニューの品評に夢中になっていた。――いや、目的は忘れてはいないが、食堂でリニューアルのための新メニュー試食会をやっていると知ったものだから、ならば協力しようとそちらに興味が向いてしまったのである。
(そうだな……具体例は出せないけど外国人の寮生もいるし、そういう人の口に合うようにも工夫するのはどうかな……?)
そんな事を言いながら、ロベルトが食べたメニューは実に3品目。それらはすべて鰹節を添えたり、和えたり、混ぜたりした、けれども総合的に言えば素朴な家庭の味が中心だ。
それはそれで、和食を好む者には良いと思うけれども、それにしたって故郷の味が懐かしくなる時もあるだろう。そう言う郷愁も満たす事が出来たなら、喜ぶ寮生も増えるかもしれない。
そんな事を考えて、さすがにトシ子さんに直接意見を言うのは立場上はばかられるので、せっせと意見を紙にまとめるロベルトである。ちなみに紙は、なぜかスケッチブックが2冊置いてあるのを見つけたので、1枚そっと拝借した。
「……ん? にゃんこ……? いつの間に増えたのかな……それにしても懐かしいなぁ」
一通り意見をまとめ終わって、一仕事終えた清々しい気持ちでロベルトは辺りを見回して、ようやく食堂の中にやたらと猫が多いことに気付いて首を傾げた。が、大した問題ではないと1人頷いて、感慨深く食堂の中を眺め回す。
正確にはロベルトが居たのは男子寮であって、今居る元女子寮側ではない。だが造りは似たようなものだし、男子寮の方も伺い見ることが出来るので、しみじみとした気持ちが沸き上がってくる。
とはいえ凜にとってはそこは見慣れた食堂であり、使い慣れた場所だった。食堂中に満ちるように思われる、鰹出汁の良い匂いを胸一杯に吸い込んで、ほわぁ、とほっこりした気持ちになる。
手には、麦茶をいれたコップ。冷蔵庫から出して長机に並べてあるので、冷たいとは言い難いけれども、まだ十分にひんやりとしている。
「しっかし6月になっただけあって暑いねぇ……喉カラカラだよ」
これからどんどん暑くなっていくのかと思うと、それだけで些かうんざりする気持ちは否めない。だが、夏の訪れを予感させる季節というのは、それでもやはり何となく、心が躍るような気はする。
そんな事を考えながら、凜は麦茶をごくりと飲んだ。が、その瞬間にくらりと目眩のようなものを感じて、あれ、と目を瞬かせる。
『今……何か……ほわッ!?』
戸惑いながら呟いた凜は、自分を取り巻く雰囲気が一変しているのに気がついて、驚きの声を上げた。なんだか妙に、何もかもがずいぶんと大きく見えるのだ。
なんだろう、と思いながら辺りをさらに見回そうとして、視界に飛び込んできた手に目を丸くする。そこにあるのは確かに自分の手のはずなのに、見えているのは間違いようもない、猫のそれなのだ。
びっくりして、何かを探すように辺りを見回したら、コップに写る猫の姿が見えた。じーっとこちらを見つめている――否、もしかしてこれは自分の姿――?
『わわ、私、猫になってる!?』
もうこれ以上は驚けない、というほど驚いて叫んだ自分の声が、うにゃにゃにゃにゃにゃッ!? という猫の鳴き声と重なって聞こえた。それが間違いなく自分の発したものなのだと、凜は気付いて今度こそ、軽い目眩を覚えて天井を見上げた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月04日
参加申し込みの期限
2013年08月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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