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晴れ、ときどき鰹節、ときどき猫?
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一体どうしてなのだろうと、優は食堂を逃げ回りながらぐるぐると考えていた。
(飯か!? 飲み物か!? ……てか、これ戻れんだろうな……?)
そうして胸に訪れる、一抹の不安。よもやと思うが、ずっとこのままだったら優は一体、どうすれば良いのだ――?
おや、とそんな優を見て、声をかけたのは月詠だった。
「君も鰹節に惹かれたのか? 君に限らず、随分と猫が多いようだが」
『な……ッ、だから俺は猫じゃ……ッ!』
「ふむ。残念ながら猫語は解らないからリアクションで教えてくれ」
『だ~~~~~ッ、言葉が通じねぇ~~~~~ッ』
幾ら訴えようとも、口から出てくるのは『にゃー』という鳴き声だという事に、優はごろごろとのたうち回った。リアクションで、と言われても、実は人間なんだ! と言うのはどう表現すれば良いのだ。
それにしても本当に、月詠の言う通り猫が多い。優自身も実は感じていた事だったが、まさか自分がその一員(?)になってしまうとは――
(……ッて。まさか、そういう事、かよ?)
もしかして他の猫達も、元は自分のように人間だったのでは――その可能性に気付き、誰かに話しかけてみようと手頃な猫を探し始めた優猫を、見送った月詠はふとその首周りの模様に気付き、首を傾げた。ヘッドホンのような、不思議な模様が何となく気にかかる。
長机に並べられたポットから、水を注ごうとした手を止めて何となく、麦茶の方を見やった。そこに残されているのは、大量の飲みかけの麦茶。それからなぜかその周りに居る、麦茶を飲もうとしているかのような猫達。
(……ふむ)
1つの推論に辿り着き、月詠は予定通り水で喉を潤すと、今度は麦茶のコーナーに近付いた。コップに注いでトレイに乗せ、厨房へと引き返す。
そうして戻ってきた月詠に、あ、と舞華が嬉しそうに声を上げた。
「月詠さん、ありがとうございます! 置いといて貰えます?」
「ああ。随分色々出来たな」
舞華の言葉に、敢えて何も言わないまま頷きトレイごと作業台の上に置きながら、言った月詠に「頑張りました」と舞華が大きく胸を張る。鰹出汁の定番お味噌汁は勿論、出汁殻で作ったふりかけや佃煮も各種取り揃って、見事に鰹節料理品評会だ。
と言ってやはり、鰹節がメインの料理、というのはなかなか難しい。これだけあれば暫くは出汁には困らないし、保存も乾物だからかなり効くが、毎日真っ当な出汁を取って寮食を提供するのは、なかなか手間がかかるもので。
どうしたものかしら、と思案顔になるトシ子さんに、とりあえず今日のお味噌汁は作っちゃいますね、と今日は奮発して出汁昆布も合わせ、取り立てほやほや、黄金色になった出汁に具材を投入し始める舞華だ。そうしながら始まる、美味しい出汁の取り方や、美味しいお味噌汁の作り方のレクチャーを、傍らでふんふん頷いて聞きながら、まなが一生懸命脳内メモ帳に記録する。
後でこれ、纏めてくれないだろうか。真剣にそう思ったものの、何となく、料理が出来ない自分を告白するのも今更というか、気が引けてしまって結局、自分の記憶力に頼るしかなくて。
そんな厨房のドラマ(?)など露知らず、あっさり鰹節まぶし唐揚げなる不思議な料理――というか、ここまでくるともう自棄になってるんじゃないかという気がする――を食べ終え、次は何にしようか考えていた四月は、不意に響いた「やあやあ、せにょりーた、御機嫌よう!」という明るい声に、ぎくりと肩を強ばらせた。その声の主は本来なら桜花寮には居ないはずだが、試食会につられてやってきたのだろう。
それは判ったが、理解したくない気持ちで恐る恐る振り返った、そこに果たして予想通りの人物、信彦は居た。そうして満面の笑顔で四月を見つめて、いて。
その表情と、不思議な高さに持ち上げられた指に、確信する。――この所、四月の頬をむにむにしようと隙あらば狙っている彼は、今日もそれを諦めてはいないのだ。
そんな四月の思いを知ってか知らずか、信彦はおや、と大げさに目を見開くと、つかつかつかと近付いてくる。
「常盤っち、ご飯粒がついてるから取ってあげるよ」
「わわ……ッ!? だ、大丈夫だから……ッ」
それに、四月はとっさにそう叫ぶと、後も振り返らず近くの机の下に飛び込んだ。そうして何とか、信彦から遠ざかろうとする。
そんな四月をおや、と今度は素直な驚きで目を見開いて見送り、信彦はわき、と動かした自分の指と視線を交わした。否、もちろん指に目があるわけはないが、気持ちの上ではそんな感じだったのだ。
うーむ、とそうして軽く、腕を組む。四月の頬をむにるべく、微笑ましい嘘で騙してみようとしたのだが、あっさり見抜かれてしまったようだ。
だが、まだチャンスはある。作戦もまだ、幾つか立ててある。
故に。
(常盤っちの頬をムニる、初めての男になってみせるよ!)
端で聞いている者が居れば非常にアレな決意を胸に、ぐっ、と信彦は拳を握った。そうして鼻歌なぞ歌いながら、さて四月はどこに行ったかな、と食堂の中をうろうろし始める。
そんな騒ぎを横目で見ながら、海は次の試食メニューをどれにするか、楽しげに選んでいた。せっかくだから全部のメニューを、少しずつ試すつもりだ。
いずれ自分が食べる事になるメニューだから、ちゃんと良いモノを選びたい。中にはとりあえず鰹節を添えただけ、と言うものもあるが、奇をてらわない定番メニューは、だからこそ安定の美味しさだ。
(でも、鰹節ばかりだと喉が乾くな)
海はふいに覚えた喉の渇きに、鰹節の炊き込みご飯を席に置いてから、飲み物を取りに行った。いつも通り水と麦茶が用意してあるけれども、今日はなんだか麦茶の気分。
まずは喉を潤してから、麦茶を継ぎ足して席に戻ろう――そう考えてこくりと麦茶をその場で飲んだ、海は不意に目眩のような感覚を覚え、ぎゅっ、と目を強く瞑った。が、気のせいだったらしくすぐにそれは収まって、一体何だったんだろう、と首を傾げながら目を開き。
目の前に、巨大な長机の足がある事に、気付く。
(あれ? なんで……って、猫になってる!?)
一体何が、ともう一度考えながら長机の足に触れようとした海は、その手が毛むくじゃらの、猫の手になっているのを見て、今度こそ本気で驚いた。慌てて自分自身の姿を見下ろすと、足も、お腹も、見える範囲すべてが猫になっている。
何でこんな事に、またそう考えながら海は、うろうろと辺りを歩き回った。ふと思い出して席に戻り、スケッチブックの所までひょいと登ってみたけれども、さすがに猫の手と大きさでは、自分よりも大きなスケッチブックを持つことは出来ない。
(誰かのろっこんのせい?)
一番ありえる現実的な理由を考えてみたけれども、じゃあどうすれば良いのだろう、という事が海にはまったく思いつかなかった。とりあえず、ろっこんを使っている人を探してみれば良いのだろうか。
うぅ、と思わず呻いたが、姿が変わっても声が出るようになるわけではないようだった。試しに『にゃぁ』と鳴こうとしてみたが、元より音を奏でない喉からは、ひゅぅ、と空気が鳴る音しか出ない。
けれども、それは今に始まった事ではなかったから、海にとって大きなダメージではなかった。だが意思疎通用のスケッチブックが持てない以上、せめてペンだけでも咥えて持って行かなければ、誰とも会話をすることが出来なくなってしまう。
だからよいしょとペンを咥え、とてとて歩き出した海猫を見て、わぁ、とあおいが声を上げた。
「かわいいね」
「ほんとですね、あおいちゃん。ところで、あおいちゃんはどのメニューが気に入りましたか?」
あおいが指差した海猫を見て、頷いたもののすぐに視線を戻し、綾花は試食メニューのお皿とあおいを見比べながらそう尋ねる。個人的にも料理のレパートリーが増えるのは嬉しいので、参考にしようと思ってはいるけれども、それ以上にあおいの好きなものが知りたかったのだ。
その気持ちは、一緒に食事を取っている修も同じ。けれどもどちらかと言えば、綾花のように積極的に何かを聞くというよりは、一緒に過ごす時間を幸せに噛み締めたり、ただあおいの反応を見ているだけで嬉しかったりする。
そんな修の姿を見て、先ほどは真央が不思議そうに「修ちゃんは無料ゴハンに魅惑を感じない性質だと思うのだ。レシピ提供なのだ? それとも内緒の他寮探検なのだ?」と賑やかしにやってきた。が、すぐに何か気付いたように「……おや?」と呟くと、にへへ、と笑ってまた走っていってしまったのだが。
今の修にとっては、それも些細な事だった。とにかくあおいと一緒に過ごしている、というだけで時間が飛ぶように流れていくようにも、ゆっくりと過ぎていくようにも感じられる。
「料理は見た目も大切ですよね。短時間で作れて元が取れて安いのも重要ですし。私も色々考えながら買い物して余らないように作ってるので……」
「でも大変じゃない? 修君はお料理するの?」
「まぁ、一通りは」
「私は、カロリー計算は時々しかしないです。濃い味が好みで――今度、あおいちゃんと一緒にお料理してみたいですね」
主に綾花が一生懸命話し、あおいがそれに相槌を打つのに時折混ざりながら、その幸いを噛み締めて修は、麦茶をごくりと喉に流し込んだ。ずっとあおいと一緒で緊張している、と言うわけではないだろうけれども、何だか喉が乾いたのだ。
が、その瞬間、眩暈のような何かが修を襲い、思わず机に崩れ落ちた。――つもりだったのだが、修の手はつるりと机を滑り落ちて、そのまま身体ごと椅子からするり、と落ちてしまう。
(な……ッ)
突然の出来事に、焦って修は体勢を立て直すべく、起き上がろうとした。が、そうするまでもなく自分がしっかりと、二本の足で立っている事に気がつき――けれども目線はなぜか、椅子よりもはるか下にあることに不審を覚え。
とにかく椅子に座ろうと、掴もうとした手が茶色い毛むくじゃらの猫のものだったことに、ぎょっとする。なに!? と慌てて全身を見回してみると、どこもかしこも茶色いふわふわの毛並みで覆われた、猫の姿が目に飛び込んでくるではないか。
『な……ッ、猫!? まさか俺は、猫になったのか!?』
「あれ? 修君、居なくなっちゃったね」
「そうですね。さっきまでそこに居たと思ったんですけれど……」
「ぁ、でも代わりに茶色い猫が居るよ。修君のお留守番かな」
『な、七夜……』
「ふふ、にゃーにゃー鳴いてる。怖くないよー」
慌てふためいて鳴く茶色い猫が、まさか修だとは思いも寄らないのだろう、気付いたあおいがにっこり笑って、膝に抱き上げてくれた。それだけで全身が嬉しさのあまり真っ赤になって、ふにゃんと幸せな気持ちになってしまうが、いやそんな場合じゃない、と意志の力で思い直す。
今はまだあおいは、修は少し席を外しただけだと思っているようだが、いずれ居なくなった事に気づくだろう。そうしたらきっと、あおいの事だから心配するに違いない。
だから何としても人間に戻るのだと、心に決めて修は猫が良くそうするように、すり、とあおいに身体を擦り付けて言った。
『絶対、元に戻る方法を見つけるから。心配かけるけど、ごめんな。大好きだよ』
こんな時だからこそ、言える言葉。こんな時でなければ言えない、素直な気持ち。
その気持ちが少しは伝わったのだろうか、修猫の鳴き声を聞いたあおいはにっこり笑って、可愛い、と修の頭を撫でてくれる。――やっぱり通じていない気もしたけれども、今はそれでも十分幸せなのだった。
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蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月04日
参加申し込みの期限
2013年08月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月11日 11時00分
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