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月に喚ばれし悪魔の群と、とある落神の願い
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◇◇桜花寮周辺
「ギョエェェ!?」
灰色スライムなテオと地面に倒れて気絶したままのののこに近付いて行く紅鱗の竜を目にして、
風見鶏 スグリ
は目を丸くする。
「うわぁ……」
「あらやだカッチョイイ~」
辟易した声を上げる
伏見 真
を見、スグリはおどけた笑みを唇に刻んでみせた。
「RPGは好きやけど」
スグリに同意を示しつつ、真は思案する。己の非力さは己が一番理解している。
皆の邪魔をせぬよう端の方へ避難すべく、腰から生えた翼をはたはた揺らして移動する真に、スグリは気を付けてねと手を振った。
「がんばれー」
「オレの活躍見ててネッ!」
真らしいと言えば真らしい、あんまりやる気のなさそうな声援にどこまでも明るく言うなり、黒毛コボルトなスグリは素早く駆けだす。
「……なんか勝てそうな気がしないんだけど」
スグリと真を見遣って後、円形闘技場と化した周囲に
羽生 碧南
は視線を巡らせた。近付いてくる紅竜を目に映して思わずぼやく。しかも今の自分の姿は黄緑色のスライム。さっき走って行ったスグリはコボルト、真はセイレーン。周りに居る他の皆も、揃いも揃ってあんまり強そうでないモンスターに変化してしまっている。
(これって本当にとんでもない状況……よね)
碧南はスライムの身で跳ねる。この身体の自分がまずすべきは、ののこの傍から離れること。
「ザ・ストレイト/ストロングクリーチャー、見参!」
額の短い一角を振り立て、ろっこんで自作ヒーローに変身した
風雲児 轟
が名乗りをあげる。
(状況はわからねえが)
守るべきものと戦うべき敵は理解している。
「恨みつらみは後で聞こう!」
暴れ、仲間に危害を加える腹であるなら、まずは拳を交えて大人しくなってもらうしかない。敵を見定め、ヒーローは力強く地面を蹴った。
「ののこちゃんの願いってなんなのさ」
桜庭 円
は二本の小さな角を生やした頭でテオを振り返る。後で教えてよ、と言うより早く、
「フツウの高校生活が送りたいんだとよ!」
スライム肌を針山のように尖らせたテオは喚いた。
「フツウ?」
「フツウだフツウ! 友達と放課後に遊んだり祭りにはしゃいだり、……お前らがいつもやってることだ! 神がひとになりてぇんだと!」
切羽詰まった様子のテオに円は目を瞠る。大丈夫かと問おうとしてやめる。
「海ちゃん!」
その代わりに呼びかけるのは、腕が翼、足が鳥脚となった
小山内 海
。セイレーンと化しても歌えぬ海は、少し戸惑いながらも腕の翼を羽ばたかせて飛ぼうとしている。その瞳が見据えるのは、紅い竜。
円の呼びかけに応じ、飛び上がった海は円を鳥脚で掴んだ。テオとののこに気遣わし気な眼差しを束の間投げて、空高くへと舞い上がる。
「テオ君、ののこちゃん……」
それぞれに判断し、己の成すべきことを成すべく動き始める寝子島の仲間達を見、迫る紅竜を睨み、
恵御納 夏朝
は眦を決した。垂れ耳猫のかたちにも似て生えた垂れ角を一撫でし、手にした唯一の武器である折り畳み傘を握りしめる。
「また無事に会おうね」
短く言い残し、夏朝は戦場へと駆ける。
固い決意を瞳に宿して駆けて行く娘の背を見送り、胴が銀杏の樹のドリアードと化した
恵御納 久隆
はそれこそ巨木の如くののこ達と紅竜の間に立ち塞がる。
「絶対にフツウは死守するよ!」
ののこを護ろうと、
雨寺 凛
が大きな翼に変じた両腕を広げる。
「ののの先輩を守り抜きましょう!」
上下 左右
もところどころ草木となった身体を精一杯伸ばす。
身を呈してでもののこを護ろうとする子どもたちを見、久隆はその場に留まり続けることを定める。ドリアードの力を使い植物を編んで作り出すのは、竜を攻撃するための武器ではなく、彼女達を庇い護る大盾。
(夏朝)
我が子が竜の打倒を志すのであれば、己はそれまで我が子が護ると決めたものを護ろう。そのための時間を稼ごう。
「私も……」
久隆が作り出そうとする大盾の補強を行おうとして、左右は首を小さく横に振る。防御は彼にお任せしよう。
「私は別のものを……時間がかかりそうですが」
「任せなさい」
肩越しに振り返る久隆の瞳の力強さに勇気を得て、左右は頷く。
「あー……」
熱を帯び始める闘技場の真ん中、蒼白い肌のゾンビな
愛猫 萌々子
はぼんやりと呻く。皆なんだか大変そうで、できればどうにか動いて助けになりたいのだけれど、
「うー……ん……」
身体が冷たく重たく、頭も働かない。
とにかく敬愛するののこの傍に向かおうと一歩踏み出した途端、足がもつれて萌々子は転んだ。顔から転んで、でも痛くない。おかしいなあと思う視界がぐるぐる回る。
頭だけでコロコロ転がりながら、追いかけて来る首なしの自分の身体を眺めながら、萌々子はぼんやり気が付いた。転んだ衝撃で頭が外れている転がっている。
転がる生首が見たのは、今にも炎を吐きそうな紅い竜。踏み下ろされる太い足と振り回される太い尻尾をぐるぐる回る視界に捉え、
(流石にぺしゃんこになっちゃいます)
せめてこちらに気を取られてくれないかとあわあわ両手を動かす萌々子の傍を、両手が柊となった
リリエル・エーテライト
と額から一角生やした
メリィ・ランページ
が駆け抜けた。
「がおーーー!」
ドリアードのリリエルが柊で作りあげた爪装備と軽鎧を纏い、ゴブリンのメリィは跳躍する。
「がんばリリエルです!」
「リリエルからもらった装備があれば、ムテキだよ!」
楽し気な笑みさえ唇に刻み、メリィは空中でくるくる回る。回転と全体重をかけて紅竜の背に降下する。
「火力は任せろー! 虎の子メリィの力を思い知るがいいー!」
全力で吠えて全力で突撃するメリィを視界の端に捉えつつ、リリエルは竜の足元にまで転がっていた萌々子の生首を回収する。
「あー……」
「もう大丈夫ですからね!」
少し離れたところであわあわする胴体に頭部をぎゅっと押し付ければ、ゾンビな萌々子はあっというまに元通り。
「これをどうぞ! 壊れたらまた配達しますね」
のんびり頭を下げる萌々子の手に柊製の盾を渡し、リリエルはぐるりと視線を巡らせる。そうしながら両手の柊を使い次々と作り出し地面に剣や弓矢を落とす。
「夏朝さんも!」
「ありがとう……!」
眼差しに隠し切れぬ激怒を宿して竜のもとに突き進もうとする夏朝の手にも、リリエルは柊の剣を握らせる。
剣と折畳傘を片手ずつに携え、夏朝は眉間に皺を刻む。
(今後の為にも竜は殺……)
怒りのあまり凶暴になり過ぎる思考は、ちらりと背後のののことテオを振り返って鎮める。彼女達にそんな光景は見せたくない。
であれば、することはひとつ。
(ぶちのめして魔界へ追い返す!)
持て余すほどの激情を力に変え、夏朝は地面を蹴る。乱雑に踏み下ろされる竜の脚の下をかいくぐり、折畳傘も柊の剣も折れよとばかりの勢いで竜の腹を打ち据える。
小さな少女達から繰り出される痛烈な攻撃に、竜が不快気に低く唸る。
「がんばリリエルです!」
メリィ達の奮戦を見守りながら、リリエルが作り出した装備品を拾い集めようとしたとき、
「リリエルちゃん!」
メリィの声と紅竜の咆哮が同時に響いた。顔を上げたリリエルが見たのは、こちらに向けて大きく顎を開く紅竜の姿。凶暴な牙の奥、口腔に膨れ上がる真っ赤な炎がリリエルの瞳に映る。
「――ブレス!」
親友の危機にメリィが竜の鼻先に取りつき爪を刺そうとするも、鼻から先走って噴き出した火に柊の爪は炎上した。
「メリィちゃん!」
炎に巻かれる爪と共にメリィが竜の鼻先から振り落とされる。リリエルが自分の身も構わず悲鳴をあげる。
口元の邪魔者を放り捨て紅竜が炎の息を放った、その刹那。
地面を打つほどに激しい雨が卒然として降った。大量の水に叩かれ、火力が僅かに緩む。
(まあ焼け石に水やろうけど)
手の甲に口づけ、自身の周囲に雨様の水を一時的に降らせるろっこん『狐に嫁入り』を発動させつつ、真は瞳を細める。
(なんもせんよりましやんな)
少なくとも延焼は抑えられる、と雨にたじろいでも見える紅竜を見据える。
「リリエルちゃん!」
夏朝に受け止められて事なきを得、地面に着地したメリィが爪を捨てる。勢いの死んだ炎のブレスより早く走る。立ち尽くすリリエルはメリィが、萌々子は夏朝が抱え、ゴブリンな少女達はその場から退避した。
一番槍のメリィと夏朝を仕留め損ねて竜が吼える。雨が止み水溜りになった地面を踏んで後を追おうとする竜を次に留めたのは、力強い歌声。
壁にぶつかったように竜は足を止めた。
(ああ、)
ののことテオの傍に立って歌声を響かせる歌声の主、今はセイレーンである軽音楽部部長の凛を目にして真は微笑む。
(試してみんと損やんなぁ……歌うんは僕の仕事やないねんけど)
バンドのボーカルもつとめる凛の後押しになるよう、楽曲の作り手である真は声を合わせる。こちらを攻撃してこないように願いをこめて歌う。
セイレーン二人の魅了効果のある歌唱を浴び、竜の動きが鈍る。
「海ちゃん!」
それを好機と見るは、海の翼で以て上空に運ばれていた円。
円の声に合わせ、海は円を空中へと放つ。
小柄な身体にろっこんによる幸運と風を纏い、円は弾丸のように空から降る。落下軌道の歪みはゴブリンの強靭な筋力によって身体を広げて調節し、
(頭狙お)
その狙い通り、破壊力の高い空からの一撃を竜の脳天に食らわせる。ゴッ、と凄まじい音と共、円は痺れる拳と共に地面に落ちた。両手両足を使って着地し、竜の傍から飛び退く。
竜は眩暈を覚えたようにふらつくも、すぐに体勢を整えた。更なる怒りを目に燃やし、再度炎を吐くべく顎を開く。
「今だよ、海ちゃん!」
喉の奥に炎が生まれるタイミングを読み、円が声を張る。声を放てぬ海の代わり、竜の口に飛び込むのは、海のろっこん『アクセラレイトライン』によって加速と軌道修正の力を得たスプレー缶。
口内の炎を浴びたスプレー缶は音立てて爆発した。
「他人に原因を押し付けるのはよくない!」
爆ぜる炎とスプレー缶の爆発に竜が驚愕する隙を突き、円は疾走する。ゴム鞠のように跳ね、強烈なアッパーを竜の喉に叩きこむ。
「先ずは主を守れなかった己を恥じるのだ!」
竜の巨体が揺らぐ。たたらを踏んで踏み堪える竜の足元、
結城 永遠
が立つ。竜が怒りに任せて踏み下ろす脚を避け、目前に噛み合わされる炎まじりの顎を避け、永遠は両手を打ち合わせる。コボルトの赤銅色の肌をろっこんで更に強化する。
空手の鍛錬とゴブリンの膂力を合わせた拳を竜の脚に打ち込む。痛烈な一撃に、竜が悲鳴を上げた。
それでも倒れぬ強敵を前に、心が弾んだ。
恬淡と引き結んだ唇がほんの僅か、闘争の喜びにいっそ甘く緩む。
笑みに歪みかける息を正し、竜と距離を開く。ののこ達を護る人々を庇うように彼らに背を向け、清冽なほどに端正な空手の形を取る。
行く手を阻む永遠に、頭を低くして突進しようとする竜の鼻先、地中から木の根が槍じみて飛び出した。
「……ん」
片方ずつ樹と化した手足の具合を試し、
夜海霧 楓
は静かに瞬く。状況に理解が追い付けていないことに不満はあるが、また神魂の所為ということにすればいいのだろう。それに、
(動く分には支障がない)
植物で色々と作れるのは便利ではある。
地面から飛び出させた槍状の根を薙ぎ払い、竜がガチガチと歯を鳴らす。
「おっと」
威嚇されて楓は笑った。片手の樹から弓矢と木刀を作り出し、手近に居た永遠に投げる。弓矢は自分で構え、ちらりと永遠を見遣る。
「消耗品程度だが、使え」
寡黙に頷き木刀を片手に構える永遠に唇の端を引き上げ、弦を引く。矢を放つと同時、鏃に仕込んだホウセンカが散弾銃じみて種を飛び散らせた。
「さっさとそこを退いてもらうぜ」
無数の種に撃たれて細かな傷を負い、竜が足を止める。続けざまに叩きつけられる痛みに地団駄を踏む。
暴れる竜を冷静に見つめ、楓は息を吐く。
(なんにせよ俺は此処にいないお嬢の捜索をしたいんだ)
「ほんっとにろくでもない事してくれるわね全く!」
大股に歩んでくるなり吐き捨てられた荒々しい言葉に、楓はまた笑った。全くだ、と作成した木製の簡易ナックルを投げ渡す。ありがとうございます、と思いがけず丁寧に返って来たところを見れば、もしかすると普段はもう少し大人し気に振る舞っているのかもしれなかった。
こほん、と
吉住 志桜里
は額に生えた太く短い一角を一撫でして出来得る限りにお淑やかな咳払いをしてみせる。
「兎に角、斃して守る、それでいいんですね!?」
「……あれを倒せば、良いのかい?」
楓の差し出した木刀を固辞し、
哀坂 子夜
は普段から愛用している模造刀を手に首を傾げる。犬のかたちした耳や尻尾がいつもと違う感覚がするものの、構いはしない。動きの邪魔にはならない。
「ということでろっこんを発動させるよ」
ぽいん。志桜里と子夜の間で真っ黒なスライムに変じた
卵城 秘月
が跳ねた。
「抱き合って」
「は?」
「その方が手っ取り早い」
志桜里の刺し貫くような眼光にも負けず、秘月は子夜と志桜里を向かい合わせで抱き合わせた。合わさるふたりの胸の間にスライムの身体を落とし込み、ふたりの鼓動を同時に感じ取る。そうすることで一度でふたり分、ろっこんの発動条件を緩和させるろっこん『鼓動の対価』を発動させる。
「ありがとね」
秘月に簡潔な礼を残し、志桜里は子夜から離れるなり全力で駆ける。己の身よりも巨大な顎にも怖じず足元に立つなり、
「しゃらくさいわね、大人しく郷に帰れってのよ!」
真直ぐな拳で殴る。それと同時、生物の大きさを変化させるろっこん『ウチデノコブシ』を発動させる。通常であれば発動には三秒の接触が必要とするが、今回は秘月のろっこんの力を得ている。
最小である一寸を念じたものの、舌打ちひとつ、志桜里はそれでも人の三倍ほどには縮んだ竜の前から飛び退く。縮めてしまえば遠くまで殴り飛ばすも飛び蹴りとスライディングでひき潰すも可能と見ていたが、
「力及ばず、ってところね……」
己のろっこんの作用は悪魔である竜を一寸に縮めるには及ばなかった。
「それでも小さくはなった」
子夜の胸に貼りついたまま、秘月が一言を残して竜に近付く。
「……君の力を借りる、よ」
顔色ひとつ変えず胸に貼りつかせていた秘月を、やはり顔色ひとつ変えずに子夜は引きはがす。小さくなった体に我を失って狼狽える風の竜に密接し、竜の喉に素早く投げる。ぺしゃりと貼りつき被膜のように竜の喉から鼻先にまで身体を広げるスライム秘月を確認し、子夜はその場から僅かに引いた。
「頼むよ、童子切」
竜の気を引くように、殊更に大きな動きで模造刀を地面に突き刺しろっこん『童子切の再現』を発動させる。発動条件が緩和されている今であれば、本物にも近い性能で名刀童子切安綱が顕現するはず。
(とはいえ、)
竜の鱗を貫くには童子切でもまだ足らぬ。
子夜は竜の喉元に貼りついたスライムを静かに見遣る。
「私も!」
ぽいんぽいん、どこからか飛び跳ねて来たスライム碧南が竜の背にぺたりと貼りついた。秘月に倣い出来る限りに身体を薄く広げる。スライムの粘液で硬い鱗を溶かすには時間が掛かるけれど、鱗が弱れば攻撃が通り易くなるのは間違いない。
(私も、誰かの力になれれば……!)
痛みで七転八倒してくれれば、もしかしたら逃げ帰ってくれるかもしれないと信じて、碧南は溶解粘液の分泌に励む。
「まあ、ここは二人を信じるしかないかな」
竜の喉元で秘月が短く笑った。我に返った竜が吼えて暴れても、二匹のスライムはしつこく貼りつきじわじわと鱗を溶かす。身が溶かされてゆく痛みに、竜は甲高い呻きを上げた。
大暴れする竜にも怖じず、永遠が突っ込む。碧南がぽいんと飛んで離れたその背に永遠の拳が入る。ばきん、と鱗の割れる音に子夜は呟いた。
「頃合い、かな」
秘月も竜から離れる。竜の脚に潰されながらも近くの志桜里の胸に飛び込んで貼りつき、
「火を噴きそうだ」
手早く警戒を促す。横跳びに逃れた志桜里のすぐ脇の地面を放たれた炎が舐めた。
「志桜里君、頼む、よ」
「武人同士息は合いますね子夜さん?」
少女剣士と少女拳士は眼差しを交わす。子夜が竜の間合いに深く踏み込み刀剣で以て気を逸らすその一瞬に、志桜里は竜の背後に回る。跳ねてのたくる尻尾を足場に飛び、体重を乗せて落ちると共に唐竹一閃とばかり踵落としを脳天に叩きこむ。
脆くなった鱗をまとめて叩き割られ、肉どころか骨まで響く一撃を受けて竜が膝を折る。
そのタイミングを見計らい、コボルトの素早さで竜のもとへと近づくのはスグリ。
(効くカナ~?)
鱗に触れて発動させるのは、対象の身体能力を低下させるろっこん『Weakness』。
「オラオラァ!」
ろっこんの効果を上昇させるべく、スグリはコボルトのもふもふの手で竜の脚をぺふぺふ叩いて己の対抗心を上げようとする。
(メラメラ増し増しー!)
烈火の如き攻撃を受けた上に動きの俊敏さを奪われ呻く竜の鼻先を、スグリは更にぺふぺふ叩く。
「ねえ! 教えて竜サン! 『恨ミ、思イ知レェ!』ってなんのこと?」
竜の声真似もしてしまう。
「どんな恨みか知らないからピンと来ないってばッ」
「千三百年以上の恨み……」
円が軽い足取りで近づき首を傾げる。相当する時代区分が頭を過るが、竜が言っているのはそういうことではないのだろう。
「……寝子暦ゼロ年?」
ふと零した円の言葉に、竜の瞳がぎらりと光った。
「主ガ女神ト共ニ落チシ日ヲ斯様ニ呼ブカ、人間共……!」
「えーとちょっと待って、ってことはー……」
円は素早く頭を巡らせる。
「寝子暦ゼロ年に、二柱の神様が寝子島に落ちて来た?」
それ以上の対話を拒み、竜が立ち上がる。その場の全員を竦ませるほどの咆哮を長く長く、上げる。
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165人
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2019年01月19日
参加申し込みの期限
2019年01月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年01月26日 11時00分
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