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月に喚ばれし悪魔の群と、とある落神の願い
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◇◇星ヶ丘駅周辺
道端のカーブミラーをそっと見上げて、
(何このかっこう?)
月影 満る
は途方に暮れると同時、ものすごく恥ずかしくなった。耳がふさふさ、お尻にもふさふさの尻尾、手足だってふさふさしている。
(わんちゃんみたいになってる……!)
犬耳を押さえ、人通りの少ない路地へ逃げ込む。壁の影に身を潜め、いつもよりよく音の聞こえる耳をぴんと立てる。影から外を伺う。
「まあ、そんな気にすることでもないか」
「……図太過ぎ」
ふたりぶんの足音が近づいて、満るはとっさに小さな身体を縮こまらせる。
声の感じからして、高校生なお兄さんとお姉さんが通り過ぎたことを確かめ、そっと様子を眺めてみる。
「なんかいい匂いがする」
犬の鼻をひこひこ、制服の袖から覗く肉球の手を物珍し気にわきわき動かし、
北里 雅樹
は少し先を足早に歩く
椎井 莉鳥
に話しかける。
「知らないわ」
振り返りもしない莉鳥の姿は、いつもとそんなに変わらない。こめかみから小さな角が黒髪に見え隠れしているくらい。
「この辺りに飯屋とかあったかな」
「……さあ」
素っ気ない莉鳥のあとを走って追いかけ、容易く追い抜く。
「行ってみよう」
肩越しに振り返って笑いかけても、莉鳥はそっぽを向いたまま。それでも踵を返さないのはついて来てくれるということなのだろうと元彼女のことを理解して、雅樹は星ヶ丘駅の方角へと足を進めた。
(……ほんとだ、なんだかいい匂い……)
喧嘩しているようなそうでもないような感じで通り過ぎていった高校生のお兄さんとお姉さんの姿に、満るは困惑しつつもちょっぴり安堵する。他の人も姿が変わっているのなら、自分のこの姿もそんなに気にしなくてもいいのかもしれない。
星ヶ丘駅の方向から漂ってくるごはんの匂いに鼻がひこひこ動く。ちょっとだけ行ってみようかな。でもやっぱり怖いな。満るは物陰から出たり入ったりを繰り返す。
「……うう」
青い空を見上げて思う。
(お兄ちゃんが一緒だったらなあ……)
黒灰色スライムの身体で
三夜 深夜子
はぽいんぽいんと跳ねる。隣にはミルク色スライムのミラ。
「ご一緒頂けて嬉しいです、三夜さま!」
「深夜子でいいわよ」
「はい、深夜子さん!」
ぽいんぽいんと進んで、星ヶ丘駅近くの道をどどーんと塞ぐド派手でデッカイスタジアム風キッチンにぶつかった。
キッチンの真ん中では、コック服を着た厳つい熊が中華鍋を振っている。
「熊!?」
深夜子よりも先、深夜子と同じようにここに辿りついた
ティー・リンクス
が驚きの声を上げた。
「熊ね……」
犬耳と尻尾つきの白金色の髪した可愛い少年に、深夜子はぷるぷると震えて同意を示す。
「おう、お前らも食ってけ!」
寸胴鍋の様子を見ながら、熊が胴間声を響かせた。思ってもみなかった言葉を掛けられ、深夜子とティーは顔を見合わせる。眺めてみれば、あちこちに白いテーブルと椅子が据えられている。
「美味いな」
「そうね」
先にご相伴に預かっているのは、莉鳥と雅樹の二人組と、
「ラーメン! つけめん! 焼きビーフン!」
「アレとコレとそれをお願いするわね」
それから
ティナ・フォルトゥス
と
レナ・フォルトゥス
の二人組。
「相変わらず突然ね」
突如として駝鳥のかたちになった足を椅子の上で組み換え、セイレーンとなったティナは姉のレナを見遣る。左手が木の枝と化したレナはさしずめドリアードといったところなのだろう。
「何とかしないとね」
「やることは決まっているけどね」
「……タダ食いね」
「……そうね」
顔を見合わせ頷きあう姉妹の前、頼んだ品が次々と並べられる。
「大盤振る舞いもいいところなのよね」
恐ろしいほどの勢いで調理を続ける熊を呆れ気味に眺めながら、レナは頼んだ品を口に運び始めた。
「まぁ、寝子島産のばっかりだから、高級とか無いわね」
くすり、レナは笑う。いくら悪魔の奢りとは言え、
(破産させようなんて思ってないわよ)
淑やかな仕草で、けれど衰えを知らない食欲で、ふたりは出されたものをあっという間に平らげる。
「さて、あれこれと行くわね」
レナの声に頷き、ティナは次の注文に声を張る。
「まだいくわよ。チャーハン! シーフードドリア! パエリア!」
スタジアム風キッチンによく通るレナの声を耳に、深夜子はきょとんと丸くなる。
「……ご馳走、してくれるの?」
「食ってけ。いつかあのお方にも食ってもらいてぇが、それはさておきな。オラ、そこの小っちぇのも出て来い!」
深夜子に向けて手招きしたかと思えば、熊は物陰に隠れていた満るにも声を掛けた。満るはびくりと身体を震わせる。
「なら、遠慮なく……あなたも一緒に食べましょう!」
「良かったら皆で一緒に」
深夜子とティーにも誘われるまま、満るはみんなとテーブルに着く。途端、目の前に食べ物がどかんどかんと据えられた。あっちあちのハンバーグに焼き魚、蒸し饅頭にアップルパイ。洋食和食に中華にお菓子、節操なく並ぶ暴力的なまでに美味しそうな食べ物を前に、みんなは目を輝かせる。
「……いっただっきまーす!」
「じゃ、いただきます」
「い、いただきます……」
深夜子はぽいぽい跳ねてスライムの身体に食べ物を次々取り込み、ティーと満るは尻尾をふりふり好きなものにフォークやスプーンを伸ばす。
「美味しい」
「んー、おいしーい……!」
強面の割に料理上手な熊は、ティーと深夜子の言葉に楽し気に笑った。
「幸せだな」
お腹が満ちていく幸福感にティーも笑う。
「やだ、この身体いくらでも食べられちゃう……でもいいわ、スライムだから太らないでしょう!」
「お魚のハンバーグとエビチリお願いします」
旺盛な食欲を見せる深夜子スライムにつられ、ティーは思わず熊に食べたいものをリクエストをする。おう、と熊は笑い、さほど待たない間にまたテーブルはご馳走でいっぱいになった。
お腹いっぱいのはずなのに美味しすぎてやめられず、ティーはふわふわ夢心地。
(デザートにケーキが食べたいな)
背中に羽のあるセイレーンの女の子と女の子に抱えられた青いスライムが着こうとしている向こうのテーブルに乗っている大きなどら焼きも美味しそうだ。
冒険の最初に遭遇する青いスライムの身体で、
志波 拓郎
はちょっと途方に暮れていた。手も足もない、できるのはぷるぷる震えることだけ。ぷるぷる震えてころころ転がっていて、出会ったのは恋人である
高梨 彩葉
だった。背中に生えた素敵な彼女は、言葉を発する方法が分からずにぷるぷる震えるばかりの青いスライムを抱き上げ、優しく笑いかけてくれた。
(ごほうびだった! ありがとう神様!)
恋人のふわふわの胸元に抱えられ、ぷるぷるスライムは激しくぷるぷる震える。
ぷるぷる震えていたら、真っ白いテーブルの上にそっと置かれた。目の前にはどうやら好きに食べていいらしい山盛りのご馳走。
(取り込めばいいのかな?)
口さえない身体で試行錯誤の末、身体全体でよいしょと食べ物に触れれば『食べられる』ことに気がついた。
(あ、おいしい)
隣の彩葉も嬉しそうにクッキーを齧っている。それがなんだか幸せでぷにぷに跳ねていると、彩葉は少し照れたような顔で微笑んだ。
「あのね、スライム君。お話聞いてくれるかな?」
そうして話してくれたのは、お付き合いしているひとのこと。
「お菓子が大好きな食いしん坊さんなんだ」
君みたい、と突かれ、青スライムはぷるんと震える。
「普段はのんびりしてるけど、笑顔や照れた姿は可愛いんだよねー。お菓子か私かって言われたら悩んじゃう所もあるけど、私を守ってくれる姿とか、陸上で頑張ってる姿とか、すごくかっこよくて」
頬を薄紅に染めてふわふわと話す彩葉の顔が可愛くて、おまけに自分の惚気話を聞かされて、
「素敵な彼氏なんだよ」
嬉しいやら照れるやら、青スライムな『素敵な彼氏』な拓郎は思わずピンク色になる。だらーんと溶ける。
「……もしかして、拓郎なの!?」
(あ、バレた?)
照れくささにプニプニと跳ね回る拓郎に、彩葉は頬を真っ赤にして翼をばたつかせてあわあわする。
「わっ、ちょっ、えええ……」
桃色混じりな青スライムと真っ赤になるセイレーンのいるテーブルの隣では、練色の身体に天色の瞳したスライムと翡翠色したスライムが仲良く並んで山盛りのごはんを消化中。
「よし、食え! どんどん食え!」
双子のようなスライムの前に熊悪魔が並べるのは、オムライスにチョコレートアイスにプリンサンデーにローストビーフ、鉄鍋入りの麻婆豆腐。
(実に興味深い事態)
目の前のご馳走と周囲のモンスターたちを見回し、翡翠色スライムこと
日向 カノン
は驚きでまん丸になる。空想と食べ物で溢れた景色をスケッチしたいところではあるけれど、自分も隣の
雨宮 悠
も、手足さえない謎の生き物と化している。
(残念だ)
せめて目に焼き付けておこうとスライムの目を大きくするカノンを横目に、悠はローストビーフの攻略にとりかかった。この身体での発声の仕方はわからないけれど、悠は自分の意志を示す文字や図を描いた看板を召喚するろっこんを宿している。
『甘すぎ』
ホワイトチョコの掛かったチョコレートアイスにはちょっぴり辛口めなコメントの看板を召喚してみたり、
『ぐつぐつっ……』
熱々の麻婆豆腐とうっかり同化して真っ赤になってでろりと溶けてみたり。ぽいんぽいんとテーブルの上を移動し、悠はご馳走を堪能する。
(日向居る)
一緒に食べれば食欲も少しは湧く。熊悪魔の腕も悪くない。
いつもは小食な悠が珍しく食欲を見せるのが楽しくて、カノンは悠の隣でチョコレートアイスを一呑みにする。
(うん、及第点かな)
審査員を気取ってシャーベットのようにシャリシャリしたかたちをとりつつ、カノンは悠の身体にぽんと乗っかる。
(むむ。難しい)
二単重ねスライム形態は難しいけれど、自分たちの身体よりも大きなプリンサンデーの果物を食べるには高さが要る。
乗っかられても文句も言わない悠にうさぎ型林檎を勧め、カノンはぷるぷると笑う。
(誰かと一緒の食事は楽しいね)
犬耳と尻尾の生えた身体に顔をしかめ、
伊賀 解理
は周囲を見回す。この際他の皆と同じように食事でもしてやろうかと開き直りかけたとき、
「た、貴子さん?」
テーブルのひとつで気難しい顔をして食事する
北風 貴子
の姿を見た。
(まずい)
ただのひとである彼女はまさかこれを現実だとは思ってはいまいが、万一気づけば、
(ガチ一般人なあの人には荷が重すぎる!)
「今日は、貴子さん」
できるだけ何気ない風を装い、解理は貴子の隣に座らせてもらう。
(異形になった僕が普通に接していれば夢だと思ってくれるはず)
そう信じて貴子に現実を悟らせないよう、並んでのんびり食事をする。背に翼の生えた彼女は、歌で相手を魅了するというセイレーン。
(貴子さんはどうなんだろう?)
歌ってくれるよう頼みかけたそのとき、テーブルの前を
ミッシェル・ナイスゲイ
が通り過ぎた。
「……っ!」
解理はとっさに貴子の目を両手で塞ぐ。引き締まった筋肉を惜しげもなく晒す上半身はまだいい。だが下半身はくねくね動く植物、しかも股間にベラドンナの果実がイケナイ感じにぶら下がっている。
「ねぇん?」
調理する熊悪魔に恐れげもなくすり寄り、ミッシェルは自分の名を告げる。
「アナタ、お名前は?」
「コックでいいじゃねえか」
「いやーん、いいわねぇん! お料理も最高だし!」
くねくねとしなを作り、ミッシェルは熊のご機嫌を取る。そうかい、と熊が満更でもなさそうなのを目敏く見て取り、ところで、と切り出す。
「アナタの言う『あのお方』ってクローネちゃんのこと? それともベルゼちゃんのこと?」
熊悪魔に問うミッシェルの声を聞きつけ、深夜子は耳を澄ます。それは自分も聞いてみたかったこと。ちらりと聞いた感じでは、熊は『あのお方』を慕っている様子だった。
(こんないい人? が尊敬してる人? なら、多分あのバカ烏じゃないわ!)
「どっちでもねぇよ、ベルゼ様もすっげぇ悪魔だけどよ」
浮かびかけた『バカ烏』を否定する熊の言葉に深夜子は安堵する。
「たくさん悪魔が来たのにベルゼちゃんがいなくて、アタシとっても残念なの。ねぇ、ベルゼちゃんはどうして降臨しなかったのかしら?」
「あんな偉い悪魔の考えてるこた一介のコックにゃ分かんねぇよ」
熊悪魔が首を横に振ったとき、奥のテーブルのティナとレナがすらりと手を上げた。
「クラムチャウダー! これでシメにしておくわね」
「同じもので終わりにしておくわね」
「おう、よく食ったな!」
ご機嫌に返す熊悪魔に、ティーがひらりと手を振る。
「ごちそうさまでした」
星幽塔でお店出したらいいのに、と褒められ、熊は満足げに笑う。
「その時は来てくれよ」
「絶対に行くよ」
ティーに応じて手を振り返す熊悪魔の姿が急激に存在感を失くしてゆく。どうやら満足して魔界に帰るらしいと理解し、深夜子はスライム姿で溜息をついた。
(きっと、このスライム姿ともすぐにさよならよね)
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3人まで
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冒険
バトル
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
165人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年01月19日
参加申し込みの期限
2019年01月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年01月26日 11時00分
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