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月に喚ばれし悪魔の群と、とある落神の願い
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◇◇寝子島駅
右を見ても左を見ても上を見ても、どこもかしこもが原色のネオンに塗れている。
「すっごくきらきらしているねぇ……」
肉球の手にぬいぐるみを抱いたもっふもふな豆柴コボルトな
曖浜 瑠樹
にほんわり話しかけられ、ミルク色スライムのミラはぷるるんぽよんと跳ねた。
「サンマさん、こっちだよぉー」
光に引き寄せられる魚のようにピンク色したネオンのお店にふらふらーっと近寄って行こうとする
寝子 サンマ
さんの蒼白い手をぎゅっと握る。
「一緒に出口を探そうよぉー!」
寝子島駅に来ていたはずなのに、気が付けば知らないところに迷い込んでいた上に、自分も他の人もみんなおかしな姿になってしまっている。目がちかちかするくらい眩しい此処から外に出れば、もしかしたら知っているいつもの道に戻れるかもしれない。途中で出会ったミラやサンマさんだって元に戻るかもしれない。
聞いているのかいないのかも怪しいくらいどんよりと死んだ魚の目をしているサンマさんに声を掛けていて、
「わっ?!」
「おっと、ごめんなさい……?」
サンマさんと同じにふらふらと歩いて来ていた
月影 欠る
とぶつかった。尻餅をついた欠るは、それでもどこも痛い仕種のひとつも見せず、ぼうやりと立ち上がる。瑠樹の声も姿もきちんと捉えられていないかのように、蒼白い顔でぼうっと立ちつくす。
(……そういえば何しに来たんだっけ?)
はっきり見えなくても、いつもよりもっとずっとキラキラギラギラしているのは分かる。もしかしたら駅の中は模様替えされているのかもしれない。
(まあ、いいか)
そんなことよりも身体がだるい。五感が何もかも麻痺しているような感覚さえある。これは余程具合が悪いに違いない。
誰かにぶつかったような気もするけれど、何処も痛くないし、もしかしたらこれは夢だったりするのかも?
(家帰ろうかなあ……)
ぼんやりと思考し、ぼんやりと歩き出そうとしたところで、
「ねえ!」
誰かに手を掴まれた。
「一緒に行こ――あっ、ねえ、そこのおじいさんとお姉さんもー!」
手を引かれるままに歩き始める。靄のかかった視界の中、手を引く誰かは更にまた誰かを見つけたらしかった。
「行きましょう、お爺ちゃん!」
豆柴少年に声を掛けられたのを好機に、
東雲 人里
は和装の老爺の帯を引く。真っ赤な肌に黒い角を生やした鬼の面相の老人は、小さな一本角を生やした黒髪の少女を拗ねたように見遣った。
「だめかのう」
「いけません、だって、……え、えっちなお店ですっ! 未成年の私は大丈夫じゃありませんしっ、それに、お婆さんへのお土産も探さなくちゃ」
豊かな胸の女悪魔を描いたネオン看板の店に入ろうとする爺悪魔の、爺の割に逞しい腕を掴み、人里はぐいぐいと引っ張る。
(あれ?)
いつもより力が強い気がする。これも、急に大人な町に変化してしまった周囲の様子と関わりがあるのだろうか。
全体的にどこからどう見ても歓楽街な雰囲気の構内をついまじまじ見遣り、人里はぶわりと頬を赤く染める。えっちな服装のお姉さんに黒服のお兄さん、ネオンギラギラの看板には大体もれなくえっちな言葉に裸の方がましな格好のお姉さんの画。十六歳の少女には刺激が強すぎる。
「お姉さん困らせちゃだめだよぅー!」
「しかたないのう」
瑠樹と人里、幼気な少年少女に揃って腕を引かれ、爺悪魔はつるつる頭を撫でた。
一里から爺悪魔の事情を聞き、瑠樹はその場のみんなに屈託なく笑いかける。
「いいよぉ、一緒に出口探そうよぉ! おばあさんへのお土産も!」
「駅員さんの姿は見えませんが、駅の広さや改札の場所は変わっていないはずです……!」
言いつつ歩き出そうとした人里とその後をぼんやりついて行く欠るの手を、怪しいお店の怪しい客引きがひょいと掴んだ。有無を言わさず店内に連れ込もうとされ、人里は小さな悲鳴をあげる。
「呼ばれてもお金持ってないんだけど……」
欠るがこくりと首を捻る。抵抗もせず連れられる。
「だめだよぅー」
瑠樹は咄嗟に服のポケットに押し込んだぬいぐるみを見て和む。周囲の皆を著しく和ませ脱力させるろっこんを発動させる。へにゃり、となった質の悪い客引きの手から人里と欠るの手を取り返し、
「一緒に逃げるよぉ!」
ミラには肩へ乗ってもらい、サンマさんと悪魔爺にはついてくるよう言い、皆でせーのと走りだす。
「ハハ! 見ろフォルティス!」
真っ赤なスライム姿で、
セグロ・メタッルム
は己の契約者である
フォルティス・ウルペース
の足元を高速で跳ね回る。
「魔人の俺様がまさかこんな下等な生物になるとはな!」
おもしれえと笑う傍、フォルティスは浮かない顔で耳や尻をぱたぱた。
「お前は何時もと変わんねえだろうが」
「俺の耳と尻尾が……!」
胸を揺らして嘆くフォルティスには亜麻色の獣耳とふさふさ尻尾が映えている。いつもとそんなに変わらない。
「ああ?」
「よく見ろこれは犬、いつもと違うだろう」
鼻もよく効く、とフォルティスは鼻先をすん、と鳴らしてみせる。それにしてもここはどこだろう。
光の洪水の中を歩き始めて気がついた。そこここから化粧のにおいがする。香水のにおいがする。綺麗なお姉さん達のにおいがする。
見回してみれば、ネオンの光と朱色格子の向こう、面積の少ない布と宝石で着飾ったお姉さん達が手招きしている。
「おいおいずいぶんと顔が赤いぜ?」
いつの間にかお姉さん達のしなやかな手にぷよぷよの身体を撫でまわされているセグロの姿に、フォルティスは目を剥いた。
「は、は、破廉恥じゃないのか!?」」
「女を知らねえガキには刺激が強すぎんじゃねーの」
顔を真っ赤にするフォルティスを一瞥し、セグロは女達の香のまとわりついた身体でぶよんぶよんと転がった。で、と笑う。
「遊びに行くのかお子様皇子~?」
「うるさいどうせそういうのを覚える前に男じゃなくなったよ!」
魔女の求愛を断ったせいで女にされた後に年頃を迎えた皇子の傍を、お鍋を抱えた和服のゴブリンな
立花 なつ
が楽しそうに過ぎてゆく。
「スライムになってもかーちゃんはカワイイよ~」
話しかけるのは鍋の中にぷるんと収まった水色スライムな
千歳飴 楓子
。
「でも、その姿で動くのは大変だね~」
手足の無い鍋入りスライム楓子を両手で大切に抱っこし、なつはおっとりと眉を寄せる。その姿では不便だろうと思うのに、
「一生このままでも良いくらいだな」
楓子は案外平気そうに鍋の中でぷるんぷるんと怠惰に揺れている。
「こうしてなつ氏に運んでもらえる」
「わ~、ほんと~?」
周囲に花を咲かせそうなくらいにほわほわとなつは笑った。そうしてから、それにしてもと周囲を見遣る。気付けば寝子島駅がすごく誘惑的な感じになっている。
通りがかった紅格子の向こう側から着飾ったお姉さん達に裾を引かれ甘い声を掛けられ、なつはのんびり歩く足を緩めた。
「嬉しいんだけど、今は好きな子とデートなんだ~」
ごめんね~、と穏やかな笑みを崩さないなつの手元をお姉さん達は覗き込む。
このスライムが? と不満顔を見せる女悪魔のお姉さん達と目が合い、スライムな楓子はふるふると震えた。
「ああ、楓子は悪いスライムじゃないぞ」
ほら、とまだまだぷるぷる全身を震わせる。
「お姉さんのぷるぷると楓子のぷるぷる、そう変わらないだろう」
楓子の言葉につられてお姉さんの豊満な胸を見ても、なつはそうだねぇと大らかに笑うばかり。
「かーちゃんはカワイイね~」
ほのぼのと仲良しなふたりの隣、女性経験無しのフォルティスはぐるぐる悩み続けている。
(でも国もでたし……もう十八だし……)
少しならそういう経験をしてもいいかもしれない。だって隣の男女はお互いの姿が変わっていてもいちゃいちゃしている。たとえ女で犬な姿の自分でも優しく撫でてくれるお姉さんももしかしたら……!
そわそわ立ち上がる。客引きをちらちら見つつ歓楽街を彷徨ってみる。
向こうの千本格子の見世の前に立つ、大きな羽耳に翼の手のセイレーンも、少し幼げではあるけれど恥ずかしそうに上気した頬や伏せた瞳が可愛い。話だけでも出来はしないか、出来れば話しかけて来てくれないかと思っていたけれど、セイレーンは千本格子の中のお姉さん達と話し始めてしまった。
「あ、あの!」
フォルティスの視線には全く気付かず、
シーナ・キュクノス
は格子の向こうでしどけない姿を惜しげもなくさらす女悪魔に思い切って話しかける。
「なあに、坊や?」
甘いお酒のような声を返され、十四の少年はますます頬を赤らめた。裸に近い格好のお姉さんたちをなるべく見ないように努めながら、翼の手をもじもじさせる。酒場のウェイトレスとお話することはあるけれど、ここまで大人なお店に迷い込んだのは初めてだった。
ドキドキ轟く胸を翼の手で押さえ、シーナは上目遣いにお姉さん達を見つめる。
「えっと、少しだけ、聞きたいことがあるんですけど」
いいですか、と遠慮がちな少年セイレーンのお願いに、お姉さん達はキャアカワイイ、と歓声を上げた。格子越しに伸びて来た女達の手に頬や肩を触れられ、シーナは思わず後退る。
「実は僕、好きな人がいるんですけど、……たぶん、両想いになれた、と思うんですけど、……」
女達が楽しそうな歓声と寿ぎの言葉をくれる。シーナは俯く。
「ただ、その人すごく優しくて。大事にしてくれてるけど、……」
「もっと欲しくなった?」
女の一人がくすくすと目を細める。耳もうなじも真っ赤にする少年の、少年ならではの色気に、女達はやっかみまじりの嬌声も忘れて溜息をついた。
「それで、その、……大人の男の人を誘惑するのって、どうすればいいんですか!?」
女悪魔達の答えはシンプルだった。
「そのままお伝えなさいな」
ひどく優し気な女悪魔の声にシーナは瞬くも、女達はもうシーナに興味を失くしたように別の通りがかりの老人に声を掛けている。
「泣いてんのか」
「泣いてない!」
誰にも声を掛けられず、フォルティスは吠えた。見世の女達はその辺をおろおろしている爺悪魔の袖を引くばかり。近くのフォルティスには目もくれない。
「迷子か?」
困った顔の爺にフォルティスが助け船を出すと、爺悪魔はもっと困った顔をした。
「お姉さんとっても魅力的じゃがのう、えっちなお店に行くとはぐれた連れの子らに怒られるんじゃ」
「違う! 俺はそういうお店の人じゃない! 俺は男だ!」
「ジジイ、こんなトコに遊びに来るなんざ元気だな」
つまらなさそうに転がるセグロに話しかけられ、爺は何故だか胸を張った。迷子な爺は妻の土産を探しているらしい。
「あ? 俺様が知ったことかよ」
爺悪魔を放置し、跳ねて転がって行くセグロをフォルティスは慌てて追いかける。そうしながら、
「女性に土産なら甘いものはどうだ?」
ほだされやすい元皇子は助言を残すことを忘れない。
「向こうにかわいい髪飾りとかたくさん売ってたよ」
駆けて行くコボルトな女の子と真っ赤なスライムの後、スライム入り鍋を抱えて通りがかったなつが悪魔爺に声を掛ける。
「しわくちゃ婆じゃぞ」
「何歳でも女の子だよ」
鬼のような顔を困惑させる悪魔爺を鍋の中から眺め、楓子はぷよんと震える。
(老人に対しても女の子扱い……)
「……そういうとこだぞ」
なつの言動にぽつんと突っ込み、楓子はぺたんと鍋底に貼りついた。
「きっとお爺さんから贈られたら、喜んでくれるんじゃないかな?」
鍋に反響するなつの柔らかな声を子守唄代わりに、スライム楓子はお昼寝すやぷよすやぷよ。
「仲良くのうー」
仲良しカップルに手を振って別れ、迷子の悪魔爺はふらふらと歩き始める。はぐれた子らに言われた通りえっちなお店には目もくれず、見つけた髪飾り屋で珊瑚の簪を買おうとして、
「すっからかんじゃった」
空っぽの財布を引っ繰り返してぱたぱた振る。
「あれっ、おじいちゃんどうしたの、困ってるの?」
「そうなんじゃー、困っとるんじゃー」
水色のまん丸スライムの
プニ・ポヨ
にぽよんぽよんと声を掛けられ、悪魔爺は困った顔をした。
「かんざし、高いねぇ……」
プニとは反対側にもふもふコボルトな
薄野 九月
がひょこんと顔を覗かせる。皆で一緒に珊瑚の簪を見つめ、結局お店のひとに追い払われてしまった。
「そっかぁ、おみやげ買って、帰りたいんだー」
「おじーちゃん、おばあちゃんの事大好きなんだねーえへへー」
ネオンぎらぎらの歓楽街を歩きながら悪魔爺から話を聞き、子どもたちはこくこくと頷く。
「寝子島駅がオトナな雰囲気になってるねー、すごいなーすごいなー!」
ドキドキする胸をもふもふの手で押さえてぱたぱた跳ねる九月の隣、水色スライムのプニももちもち跳ねる。
(僕のこのかっこ……なんだろ)
スライムな自分の姿を見、プニは不思議な気持ちになる。ぷにぷにもちもちな自分のこの姿を、前から知っている気がしてならない。たとえば元々からこんな姿だったような、
(……思い出せないなぁ)
とても気になるけれど、今は困っている人を助ける方が先。
「うーん、何が良いかなぁ……」
「そのおばあさんってどんなものが好きなのかな? 僕はおいしい食べ物とか、キレイな色の木の実とか好きなんだー」
「そうじゃのー、婆さんと出会ったのは魔界の居酒屋でのう。あの頃の婆さんは綺麗じゃった。そう、ちょうどあのお姉ちゃんのように……」
話しながらふらふらといかがわしいお店に吸い込まれそうになる悪魔爺の手を九月は肉球の手で慌てて掴む。プニもぷにぷにの身体ぜんぶで脚にまとわりついて止める。
「ダメだよ!」
「おばあちゃんのとこに帰るんでしょ~」
「いかん、つい!」
そんなやりとりを二三度繰り返して後、
「あっ、出口! 出口だよーやったー!」
毒々しいネオンの果てに真っ白く見える外の光を見つけ、九月は悪魔爺の手を引いて駆けだした。
一歩外に出た途端、構内の喧噪はどこへやら。いつも通りの寝子島駅がそこにはあった。
「あっ、お爺さん!」
「良かったぁ、やっと見つけたよぉー!」
ネオンの光とはまた違う外の光の眩しさに皆が目をしょぼしょぼさせていると、サンマさんとミラを連れた人里と瑠樹が駆け寄って来た。
「おお、探してくれとったんかー」
孫を見つけたように強面を緩める悪魔爺に、ふたりは構内で見つけたお店で買って来たケーキの箱を差し出す。
「仲直りできますようにー!」
「おいしい食べ物で仲直りー」
「謝罪の言葉も添えて渡して下さいね」
瑠樹とプニが明るく笑い、人里はいつまでも仲良く、と真面目な顔をする。
「えっちな店は行かないように!」
孫の年の少女にたしなめられ、こくりと素直に頷く悪魔爺の手に、九月は観光案内所から貰って来た寝子島観光マップと観光パンフレットを渡す。
「いつかおばあちゃんと二人で遊びに来て欲しいな!」
少年少女に貰った色んなお土産を両手に、悪魔爺は丁寧に腰を折った。礼を言おう、と渋い声で笑う老爺の姿がゆっくりと存在感を薄めて行く。
「一度繋がったからか道が繋がりやすくなっとるのう……」
独り言のような言葉を残し、老いた悪魔は寝子島より去った。
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2019年01月19日
参加申し込みの期限
2019年01月26日 11時00分
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2019年01月26日 11時00分
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