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月に喚ばれし悪魔の群と、とある落神の願い
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◇◇寝子ヶ浜海岸
空の異変に気付いたのはその場でいちばん上空に薄く広がりふわふわと漂っていた灰色スライムの
獅子唐 ケンジ
だった。
月は魔界とこちらを繋ぐただの道であったのかもしれない。それでも、寝子島に降り立った悪魔達に何かしらの作用を与えていた可能性を考慮し、ケンジは声を張る。
「皆さん、謎の月が消失しています!」
「こっちですわ」
コボルトの鋭い耳にケンジの声を捉え、アイオは疲れた足を奮い立たせる。仲間の攻撃をどれだけ受けても無尽蔵とも思える修復力で倒れぬ石巨人の足元をぐるぐる走り回り、
「追いついてみなさいですわーっ」
定めた一方向へと駆ける。誘い込むのは――
「あーしんど」
巨人の背よりも高く積もり山となった溶岩石の天辺で待ち受ける
桃色 足子八
のもと。
「今ですわーっ」
「はいよー」
アイオの声に合わせ、足子八はにょろにょろぴょーんと石巨人の頭に飛び降りる。ぎくりと足を止め頭に手を伸ばそうとする巨人の目に向けタコ墨じみた粘液を吐きつける。
「そら、今や!」
高い位置から見下ろし、足子八は石巨人の胴体に埋まる硝子玉のひとつを示す。
「そこに映っとったんが消えて……お、そっちもこっちもや!」
声を弾ませる足子八に届くは、空に舞うセイレーン
化神 小次郎
の魅了の歌。
(あたしも昔は散々ケンカしたけどさ、こんな怪物が相手じゃ冗談きついぜ)
眼下に石巨人を見下ろし、小次郎はともすれば恐怖に震えそうになる声で歌い続ける。地上でその怪物と対峙する仲間を手助けするため、腹の底に力を籠めて声を響かせる。
小次郎の歌に惑わされ、動きを鈍らせる灰色の石巨人に向け、
曖浜 鴻
は走る。己が身の全力を使い、巨人を形作る岩石の肌を殴る。蹴る。頭突きを叩きつける。
「こっちだ!」
囮じみて喚く鴻に気を向ける巨人に動きに合わせ、
鮫ノ口 礼二郎
もゴブリンの膂力で反対の足を殴りつける。巨人に蹴られぬ間に素早く退避する。
礼二郎の回避を助けて、巨人の足元の砂が色とりどりの蝶に変化し舞い上がる。
「今です、リーダー!」
ろっこん『胡蝶の詩』で砂を蝶に変化させ目くらましに使い、
屋敷野 梢
がいっそ楽し気に言い放つ。
「ボコボコしましょ!」
「今が勝機か!」
硝子玉に映りこんでいた悪魔達の姿が全て消えたことを素早く確かめ、
如月 庚
が疾走する。梢の作り出した蝶の群れに臆さず突っ込み、梢に託された蒲公英の種を石巨人の足元を殴ることで植え付けてゆく。
急成長する硬化した蒲公英の根に膝を砕かれ、石巨人の動きが止まる。空気を震わせ吼え、巨人が庚目がけ拳を振るう。
「んなものァ、」
額の傷痕を指になぞり、庚は神魂の力をエネルギーに変えて右腕に宿らせる。蒼穹の光を纏わせた右の拳に身体全ての力をも乗せ、
「打ち砕くまで!」
振り下ろされる岩石の拳に青の拳を叩きこむ。大人と赤ん坊の拳ほどに大きさの違う拳が真向からぶつかり合う。ろっこんとゴブリン化の身体強化を受けていてさえ、庚の身体全ての筋肉が軋みをあげる。
「ッ、……!」
青光の軌道を描き、庚の拳が振り抜かれる。巨人の拳に皸が入り、岩石の足元が揺らぐ。
皆の怒涛の攻撃を受けて傾いだ巨人の身は、けれど倒れる寸前で持ちこたえた。
「いー加減倒れてくれませんかねー?」
大幅に再生速度を落としながら、それでもまだ回復する様子に梢が心底うんざりした顔を見せる。
「……あれ」
延々と再生し続ける石巨人と疲弊を隠せぬ皆を心配げに見回していて、
「……ゴーレム?」
音海 なぎさ
はふと気が付いた。概ね六種類に分別できるモンスターの中、ただひとり、別種類のモンスターが居る。
「浅井先生!」
皆と一緒になって石巨人と戦う
浅井 幸太
のもと、なぎさは駆け寄った。どうした、と生徒を気遣う先生の身体を素早く見分し、
「……あった!」
石巨人とよく似た姿をした幸太の背に、ビー玉ほどの小さな硝子玉を発見した。映り込んでいるのは、ビー玉の表面にしがみつく小さな小さな蜥蜴悪魔。
なぎさが蜥蜴悪魔を掴もうとした瞬間、再生途中にも構わず、石巨人がふたりに拳を振るった。幸太ごとなぎさを殴り飛ばそうとした拳は、
「こいつらはやらせねぇ!」
割って入った鴻が渾身の力で弾き逸らす。受けきれずに吹き飛ばされて地に叩きつけられても、構わず鴻は低く怒鳴る。
「女神ののことやらも絶望はさせねぇよ!」
「取った!」
最後の硝子玉にくっついていた極小蜥蜴悪魔は、なぎさに摘ままれた途端にきゅうと鳴いて消えた。幸太の背からころりと硝子玉が転がり落ちて砕ける。
「お? おお?」
ところどころ腐ったゾンビの姿となりはてて、幸太はちょっぴり目を瞠った。そうしてから、音海と一緒だな、となぎさに向けて笑う。
逆再生のように砂を集め修復しつつあった石巨人の身体が一切の再生を停止した。不死身とも思えた灰色の石巨人の再生能力が完全に停止する。
「絶望するのはてめぇらと絶神だ!」
鴻が吼える。傷を負った身体をろっこんで強化し、巨人へと突っ込む。
「容赦はしねぇぞ!」
魚塚 源三
が拳を固める。
「ボッコボコにしちゃうんだから!」
「ああ、行こう!」
城山 水樹
と
ヒュー・ヒューバート
が並んで駆ける。
「行くよー!」
白 真白
が己が身から槍を作り出し、弱点のひとつである関節部分を狙う。
「……!」
一気に勝負を決めるべく、サキリは全身全霊の力で以てろっこんを発動させる。ナイフで空間を切り裂き瞬間転移し、赤光帯びた刃で全身の関節部を切り刻む。
瞬きの間に幾度となく繰り返す、それは高速連続転移の極致。
「俺達はフツウを守る! 一度やられた間抜けな絶神などに負けるか!」
御剣 刀
がろっこん『加速』の進化能力で空気を足場に空へ駆け上る。巨人の頭上の空で身を翻し、落下の速度で頭から胴まで、一文字に斬撃を叩きこむ。
総攻撃を受けて身体をほとんど粉々に砕かれ、それでも石巨人は解けぬ怒りで割れた拳を振り上げようとする。抉れた足を持ち上げ人々を踏み潰そうとする。
再生不可能な身体でそれは最早叶わない。石巨人は呪詛じみた怒りを撒き散らし続ける。
「……壊ス。毀ス……!」
「貴方の……!」
灼熱する大地に膝を折り今しも息絶えそうな石巨人に向け、智瑜は必死の声を掛ける。最後の最後までその身に宿した憤怒を解こうとしない悪魔の想いを知りたいと願い、瞼を閉ざす。
(貴方の想いを教えてください)
せめても、怒りを鎮めて欲しかった。
心の痛むままに問うて、智瑜が見たのは――
絶望に歪む、野々ののこの顔。普通の高校生として過ごしたいという願いを絶たれた落神の身に、狼の影が覆いかぶさる。それは、寝子島に――ひいてはこの世界に君臨しようとする、獣の姿持ちしもう一柱の落神。
――我ガ、主!
「……貴方の、願いは……」
石巨人の心の咆哮に身を凍らせる智瑜の目前、ごとん、と石巨人の首が落ちた。首だけになってさえ、否、死の間際であればこそ、巨人は世界を呪う。
「我ガ主ノ力ハ甚大也! 魔界ヨリノ道ハ幾度デモ開カレル! 是ヨリコノ地ニハ悪魔ガ襲来セン――!」
「貴方の願いは、ののこさんの絶望……?」
頑丈極まりなかった岩石の身体が崩壊して行く。ざらりと熱風に散り散りになろうとする石巨人の欠片に向け、アリスは小さな翼をパタパタと羽ばたかせる。ぱくりとスライムの口を開き、砕ける間際の欠片を口に取り込む。
もしかすると何かしらの価値があるかもしれないと思ったが、
「む」
取り込んだスライムの身の中、石巨人の欠片は塵芥よりも細かく砕けて消えてしまった。後には何も残さず、石巨人は消えた。
「まあゴーレム的なやつって大体中ボスな感じですし」
しょんぼりぽいんぽいん跳ねるアリスを眺めながら、梢は空を仰ぐ。
空の月は消えている。本物の月は青空の光に紛れて今は見えない。
「大ボスが控えてる気がしますけど」
梢の言葉にサキリも頷く。今日寝子島に降り立った悪魔達は尖兵に過ぎない。だとすれば、悪魔達の言う『主』は、
「月にいるという絶神か」
悪魔達が消え、マグマ沸き立つ地獄の如きだった寝子ヶ浜海岸は、いつしか元の平穏な夏の海の姿を取り戻している。変貌していた他の場所も、今はもう元の姿を取り戻しているのだろう。おそらく、ほどなく自分たちの姿も元へと戻る。
「絶神――」
武道は石巨人の主の名を呟く。悪魔達が現れた際、白銀の月の奥に狼にも似た獣の影を刹那見た。もしかするとあの影が、――『絶神』。
(例え敵が誰であろうと僕は、……僕達は)
青く静かな夏の海を前に、サキリは誓う。
「フツウを守り抜く」
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あとがき
担当マスター:
阿瀬春
ファンレターはマスターページから!
お待たせいたしました。
らっかみ! シーズン2ホワイトシナリオ第二弾をお届けに上がりました!
みなさまのご活躍について延々語ってしまいたいところではありますが、それもなんだか蛇足になってしまいそうな気もしますので、ここは口を閉ざさせていただきます。お楽しみ頂けましたら幸いです……!
それではみなさま、ご参加ほんとうにありがとうございました!
またいつかお会いできますこと、あなたのお話を描かせていただけますことを楽しみにしております。
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担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
ホワイトシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
165人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年01月19日
参加申し込みの期限
2019年01月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年01月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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