【星幽塔】第一階層　ウィッチ・ゴーズ・サジタリオ｜リアクション

【星幽塔】第一階層　ウィッチ・ゴーズ・サジタリオ

　ハマド大臣は現在、恩赦を受けて極刑は免れ、司法取引の準備中だ。
　だが、彼は一向に口を割ろうとしなかった。
　役人たちが困り果てていた矢先、サキリがハマドの様子を伺いに牢獄を訪れたのだ。
　ちょうど、叙勲・叙任式典の始まったころの時間帯である。
「聞いたよ。あれからダンマリなんだって、ハマド？」
　サキリが鉄格子越しに穏便にハマドへ語り掛けるも、ハマドはサキリの顔を忌々しそうに睨むだけだ。
「おいおい、そんな顔で睨み付けないでくれ。大人しく情報提供してくれないか？　そうすれば、フランチェスカも寛大な処置を考えるそうじゃないか。悪い話じゃないと思うけど？」
「……話す事など、何もない」
　頑なな態度のハマドに、サキリはほんの少し強硬手段に打って出る。
「情報提供のために生け捕りにしたんだ。自分の置かれている状況、分かってるかい？　それに、僕が他の皆ほど優しくないのは……知ってるよね？」
　サキリは懐からナイフを抜く。そして空間を切り裂くイメージを浮かべてナイフで虚空を切った。
　すると、サキリは牢獄の鉄格子を飛び越え、ハマドの目の前へ瞬間移動！
　突然の出来事にハマドは慌てて逃げるも、行く手を阻むは牢獄の石壁！
「ハマド、これから僕はお前に『尋問』を行ってもいいんだ。……知っている事を素直に話してくれないかな？」
「アイエエエ！？」
　ハマドの悲鳴が牢獄に轟いた！