this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
黒い指先 ――三つ目の願い――
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
23
つぎへ >>
一方、未央に接近した風弥は、ポルターガイストの嵐の中に居た。
足元で、スチール缶がふわりと浮き上がって飛んだ。
手にしたチェーンをろっこん【鎖蛇】で操り、風弥は軽く缶を弾き飛ばした。
瞬きする未央に、風弥は不敵に眉を吊り上げた。
「……!? 『チェーンのカザミ』さん?」
未央が、かつて
寝子ヶ浜海浜公園で会った
風弥を思い出す。
「何だィ、コレは?」
視界は やや暗いが、常より夜を行く風弥にはどうという事もない。飛び交う物を、意のままに形を変えるチェーンで払い落とす。まるで鎖が生きて、魂を宿しているようだ。
「カザミさん! 近づかない方がいいよ、狙われてるのは僕みたいだから」
傷の目立つ未央の横顔は、深い傷こそまだないが緊迫感が伺える。
しかし自分より他者を気遣う彼に、風弥は好感を持った。
「見りゃわかるよ、なめてもらっちゃ困るネェ。怪我? ハクがつくってもんだろ。
未央こそ、今日はもう遅い、家に帰んなつっても……帰らねーって面してんな」
元々仲間思いで面倒見の良い彼女の行動は、共に行動し未央を庇うというものだった。
「どうして……」
「未央、理由は聞かねェ。自分から話さない限りな」
立ちはだかる風弥に、石の礫に混じって砕けたブロックが飛んでくる。
風弥は伸ばしたチェーンで応戦するが、大きいものがすり抜ける。未央は帽子のつばに、手をかけた。
「捕まえた」
目の前に出現した水の立方体に一寸、風弥の姿が月明かりに鏡のように映し出され、すぐに衝撃で掻き消えた。気泡と共に、物体は水中をゆっくり沈んでいく。
チェーンから水が伝わって足元を濡らした。風弥は振り返る。
「あんた、もれいびかい? ひょっとして、ルクスも?」
ルクスも届く範囲の瓦礫を、かなりの数受け止めている。しかも平然と。
それは勇敢とか、我慢強いと言った言葉では、到底説明がつかない。
「うん。実は今日、この場所にルクスを殺した、もれいびを誘導したんだけど……ギリギリで失敗したみたい」
仇を取ろうと思ったのに、と自嘲気味に未央は言う。
風弥は表情を険しくしたが、未央は「あ」と声を上げた。
「ひょっとして。見えないけど僕を追いかけてきてるのも、幽霊、なんだろうか。
ルクスも今こうして見えるのは、ろっこんのお陰だから」
「ルクスが殺されたってぇのは、本当なのかい?」
ポルターガイストの対応に追われながら、二人は言葉を交わし続ける。
(…………)
追いついた刀は、二人の話し声に気付き、息を潜めた。
「うん。二つ願いを叶えてもらった後、命令を実行させる ろっこんらしい。
怪人セブンを名乗った後、事故に見せかけて殺すんだ。
僕の母親も その手口で狙われた。ルクスが庇ってくれたから、死なずに済んだけど」
「その時にルクスが?」
感情を押し殺した声で肯定する未央を、風弥はやるせない想いで見つめた。
「事故の後……事故現場に行ったら、ルクスが待っていたんだ」
視力を失った当初、未央の母のメンタルは最悪だった。
事あるごとに「死にたい」と漏らす母の言葉は、呪詛にも似て。先への不安と恐怖で磨り減った未央の心は、ルクスによって、ようやく安定を得た。
「お前は、私の光だわ」
かつて母はルクスにそう言ったが、或いは母が感じる以上に、ルクスは未央にとって光だったのだ。
不幸は、死後 幽霊として寄り添っていたルクスに、未央が気付かなかった事。
花を携え長時間、事故現場に立ち尽くす彼の目に初めて映ったルクスは、温度も無く上目遣いに見上げていた。
ルクスは未央と遊ぶ時、案外おちゃめな性格だった。盲導犬の仕事を忘れ、素に戻って やんちゃが過ぎて叱られると、必ず許しを請うように、上目遣いに彼を見上げた。
傍に居るのに構ってもらえないのを、ルクスはどのように感じていただろうか。
月の夜。寂しそうに見上げるルクスが、仇を討ってくれと訴えているように、未央には見えた。
それが、始まり。
「何もかも、僕の我侭なんだ。だからカザミさんは、僕に構わず」
「バカ言うんじゃないよ! そうと知って、黙って帰れるかィ」
更に言葉を重ね、帰る様 説得しようとする未央に、風弥は頑として首を縦に振らない。
『チェーンのカザミ』は、信念を簡単に曲げる女ではなかった。
「犬飼、聞きたい事がある!」
迷いを振り払うように、刀は前に出た。木刀を手にした刀が纏った雰囲気の剣呑さに、風弥は横合いから飛んできた瓦礫をいなしながらも、目つきを鋭くする。
「君は?」
「
御剣 刀
。以前、ろっこんで繋ぎとめられていた、さとみの両親の魂を開放した人間の一人だ」
口にすれば、夜の闇と共に苦い記憶が蘇る。あの日も、こんな月の夜だった。
もっとも、こんなに騒がしく物が飛んではいなかったが。
未央の傍に寄るなら、ポルターガイストの脅威は付いて回る。刀の行動には、その対策が抜け落ちていた。肉体を持たない幽霊達は、動きが読めない。時には突拍子もない所から飛んでくる物の嵐で、刀の集中は大いに削がれてしまう。
「……さとみちゃんを助けに来てくれたのなら、右奥から2棟目のビルの2階だよ。
君も ここに居ても、怪我が増えるだけ。行くなら、早く行って」
見かねた未央が刀の脇にも、水の立方体を置いた。これは刀にとって、全くの計算外だった。刀は未央がこうした緊張時、改造釘打機を撃つ以外の動作を、ろっこんの発動条件だろうと目安をつけていた。だからそれを、真っ先に潰すつもりでいた。そもそも対峙すれば、攻撃してくると考えていたのだ。
お陰で、ろっこんの発動条件は難なく分かったが。拍子抜けでもある。
「……さとみは、俺の仲間が探しに行った」
「ああ、それなら良かった。
三下 ゴロー
の ろっこんへの対策はしてある?」
問われて、刀は狼狽した。しているのだろうか?
「してないの? それじゃあ駄目だね。どいて、僕が自分で行く!」
改造釘打機は、ベルトに挟みこんだまま。だが一転、強い口調で未央は言った。
「いいや、駄目だね……なぜ、さとみに事故が人為的なものだと教えて、巻き込んだ?
犬飼、お前は自分のエゴにさとみを巻き込んだ。だから俺は、自分のエゴでお前を止める。
これは俺のエゴだ、だから俺が邪魔なら、てめぇでどうにかしな!」
仲間を信じることにし、刀が振りかぶった木刀を、まっすぐ構える。
「ねぇ、さとみってぇのは?」
事情が飲み込めない風弥が口を挟む。未央は視線は刀に向けたまま、簡潔に さとみの両親がルクスと同じ男に殺された事実を告げた。
「成程。そいつァは確かに、男の風上にも置けない、クズ野郎だねぇ」
対峙する二人は、互いに気を取られている。
と。ルクスが顔を上げ、低く唸った。
「どうしたんだい?」
風弥もそちらを見やる。月光の下、立っていたのは極端に色素の薄い体に、血色の瞳を持つ女。
無邪気とも言えるほど、あどけない唇を狂気に歪めて、彼女は哂う。
「ギャハハ!! さっきからてめぇら、俺様の寝床でドンパチウッセェぞ!
……何処の命知らずだ? 覚悟は出来てるんだろうなァ、おい!」
吼えたのは、シーサイド九龍を住処にする
犬神 花梨
。
裏社会の人間は、彼女を“狂犬”と呼ぶ。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
23
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
黒い指先 ――三つ目の願い――
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
メシータ
前回シナリオ
黒い指先 ――透明な檻――
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月07日
参加申し込みの期限
2013年09月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!