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黒い指先 ――三つ目の願い――
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●猫とラベンダー
「バカ息子は、半殺しでも全殺しでもいいのだ。制裁されろなのだ!
でも真央ちゃんは、マダムちゃん大好きなのだ。悲しいのやなのだ!」
後木 真央
は、猫鳴館に停めてあった自転車を拝借すると、友人の
逆巻 天野
や
八神 修
と情報を交換しながら、ひたすらにペダルを踏んだ。
「未央もさとみちゃんも、ゴローも皆が何とかするのだ」
彼女が目指すのは、皆が向かう廃墟ではない。
真央の懸念はゴローが犯罪者として糾弾された時、母である千代子が世間からの誹謗中傷に晒され、屋敷から出る事も適わず孤立し、孤独になる事。
食事会の後、千代子を猫鳴館に招待するつもりで準備を進めていた真央は、三下邸も食事会の主催者であった
拝島 薫
の家でもある、拝島医院の場所も把握していた。
「あの家で、一人ぼっちで外にも出られなくなるの、やなのだ。
薫ちゃんの所に行けないか、お願いしてくるのだ」
千代子の痩せた頬を、自分に向けられた優しい眼差しを思い出す。
矢のように流れていく景色を突っ切って、真央はシーサイドタウンの再開発から取り残された場所に、過ぎた日を懐かしむように建つ拝島医院に到着した。自転車を乗り捨てにすると、転がるようにラベンダーの香り漂う庭を横切る。
唯一つ灯りの漏れる窓枠に指をかけて、爪先立ちの真央が呼ぶ。
「薫ちゃん開けてなのだ、助けてなのだ!」
窓を叩き続ければ、緑の揺らめきを湛えた瞳の前で、やや建付けの悪い窓が開かれる。
薫は、修から連絡先を手に入れた
双葉 仄
と通話中だった。
『千代子や未央の母と合流しろ。方法も場所もお前に任せる』
電話の向こうでは、声こそかわいらしいが、態度には不遜さを滲ませた少女が命令している。
「真央ちゃん。どうしたの、誰か怪我でもした?」
送話口を塞ぎ、窓から身を乗り出した薫に、真央は首を振り否定を示す。
『無理なら、未央とゴローが死ぬだけだ。合流できたらメールしろ』
仄からの通話が、一方的に切られた。彼女はこれから
ジニー・劉
から情報を得るようだ。
「……真央ちゃん田舎の子なのだ、子供よりおじいおばあが多い場所で育ったのだ。
何となくわかるのだ、マダムちゃんはここに静養に来なきゃいけないほど身体が悪いのだ!
そんな人を孤独にしちゃいけないのだ!」
薫の手首を掴んで、真央は必死に訴える。
「バカゴローが、小さい子を事件に巻き込んだのだ! 犯罪者なのだ、皆が助けに行ったのだ……!
マダムちゃんが、1人ぼっちになっちゃうのだあ」
薫にまとわりついて訴え続ける真央は、どこか小さな子供を彷彿とさせる。
「今からすぐ、マダムちゃんち行こうなのだ! ここに入院させてなのだ。
薫ちゃんだって、マダムちゃん好きな筈なのだ!」
ひとしきり話して、息を弾ませる彼女に薫は目を伏せた。
「真央ちゃん、残念だけれど……ここには入院出来るだけの体制が、整ってないの。
今はもう、働いているのは父と私だけ。
使っていない部屋に仮に入院患者を受け入れたとしても、目が届かないし」
「真央ちゃんも学校の帰りに、ううん毎日お手伝いに来るのだ! だから薫ちゃん、お願いなのだ!
マダムちゃんを、ここに置いてくださいなのだ!」
「落ち着いて。まだゴロー氏が捕まると、決まったわけじゃないよ。
第一、家族の承諾もなしに勝手に連れて来れるわけもない……私にそんな権限はないし」
「もし、マダムちゃんが来たいって言ったら?
マダムちゃんは大人だから、自分の事を好きに決めても、きっと誰にも文句言われないのだ」
「……奥様は末期の癌で出来る事は限られているから、不可能ではないかもしれないけれど……」
言い澱む薫に、真央は瞳を潤ませた。
「やっぱり、マダムちゃん病気ひどいのだ……助けて欲しいのだ」
救いを求め続ける真央に、薫は逡巡する。父を説き伏せて、この医院に夫人を匿えたとして……いやどう考えても、骨董品のような、この医院の粗末なベッドより、三下邸の彼女に与えられた部屋の方が、環境が良く病人の負担は少ない。
それに世間の目を逃れて見知らぬ場所に隠れ住む事態は、やはり孤独ではないのだろうか?
下手を打つと、次男の家から離れる事で、ただでさえ会える機会の少なかった家族との絆を、本格的に引き裂きかねない。
「真央ちゃん。これからどっちに転がるかは、ゴロー氏次第。
夫人にとって、ショックな事が起こるかもしれない。傍で支えたいなら、私と行こう」
「薫ちゃん……マダムちゃんの事、ちゃんと考えて欲しいのだ」
足早にガレージに向かう薫を追い、真央はいつになく気弱な素顔を見せる。
「真央ちゃん。私はゴロー氏がどうなろうが、関係ないと思ってるの。
本当は私も、とっちめたかったくらいだし。
でも、千代子夫人にはゴロー氏が死んだとか、捕まったとか……出来るだけ聞かせたくないよね?」
「……わかるのだ。真央ちゃんも、マダムちゃんが悲しむのを、見たくないのだ」
こくりと頷いた真央の髪を、撫ぜて。
「乗って」
薫は、真央を車の助手席に座るよう促した。
「そう言えば薫ちゃん、さっき電話着てたのだ。大事なお話だったのだ?」
助手席にちょこんと座り、真央はシートベルトを掛ける。
「ああ、千代子夫人や未央くんのお母さんと、合流しろって言われけど。
未央くんのお母さんは入院中、しかも目が見えないから自力でここまで来れないだろうし。
深夜に下手に病院に連絡を入れて、大ごとにするのもね……」
真央は黙って頷く。会った事はないけれど、未央の母もゴローの悪意の被害者に過ぎない。
余計な心配をさせるのは、かわいそうだ。
「さて。ここはよく猫が飛び出してくるから、慎重に行かなきゃね。
真央ちゃんも、道路の端で動物の目が光ってないか、よく見て」
「うぬぅ、了解なのだ……。お猫様のために、目をお皿にして よーく見るのだ!」
ゆっくりと車が発進し、真央は膝の上で握りこぶしを作ると、ヘッドライトに照らされた道の両端に集中した。
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シナリオデータ
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黒い指先 ――透明な檻――
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月07日
参加申し込みの期限
2013年09月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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