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【月に愛された美女の狂気(ゆめ)】
眠っているのに、眩暈がした。
閉じた眼孔でありながらも、その目蓋の内側で体感する全てが旋回する感覚に、
朝鳥 さゆる
は吐き気を伴う思考を伴って目を覚ました。
ぼんやりと見えた部屋は、既に目には馴染みすぎた、過去さゆるにとって、今は生死も伝わらない唯一無二の存在が住んでいたワンルームマンション。
近寄らなくなって久しい星ヶ丘にある自宅は、半年近く放置された今、さゆるにとっても住人の住まない空き家としても、完全に墓場の呈を示していた。
殊、既にさゆるにとって、あそこは温かかった家族のいた過去と悪夢が混在する墓碑となっており、もはやそれ以上の価値は無い。
「……暗闇?」
さゆるは覚束無い思考で意識を辿る。
自分は夜に眠ったはずで、体感ではそれからかなりの時間が経過したはずだ。
それなのに、どうして今は夜のままなのだろう。
「ぁ……」
ふと脳裏に、まるで写真のように浮かび上がった映像を振り返る。
さゆるは心的障害の一端として時間の感覚に歪みがあり、夜は睡眠薬がなければ眠りに縋ることもままならない。
瞬間、脳に投影された映像に見た、睡眠薬の錠剤は明らかに数が多かった。だが、慢性的に疲労を抱えるさゆるにとって、あの瞬間はそんなことはどうでも良いものだったのだ。
その結果が今。時計は眠った時間からニ時間遡った所にある。
二十二時間の眠り。どこかで意識は浮かび上がり掛けた時もあっただろう。しかし、それに鉛を付けて目覚めぬよう沈めたかのように、その間の意識はさゆるにはまるで無い。
ライトブラウンの瞳に、窓にぼやける少し離れた街路灯の明かりと、遙か天高く遠くに差し掛かる月の光が反射した。
まるで、
あの時のナイフの反射
を思わせる月明かりに追い立てられるように。さゆるは起き上がろうとベッドのシーツの上に腕を這わせた。
月光に浸蝕される気がする。脳裏に、あの実際の獣に四肢から食いちぎられた方がまだましだった日々の出来事が、泥から湧き上がるガスのように浮かび上がる。
しかし、既に腐食され麻痺したさゆるの心では、それらは根源でありながらも、それ以上のものを感じ取る事はできなかった。心に傷つく部位など、とうの昔に腐り果てて地に落ちていた。
起き上がり、水を入れたビニール袋のような気怠い身体でベッドの縁に腰掛けた。
頭が痛い。脈打つ都度痛む血管など、ここまで歪な自分の身体にあったのだろうかと思えば、その瞬間、痛覚は身体全身に疼痛として広がった。
今、己の心の代わりとして、身体が痛みに悲鳴を上げていることに、さゆるが気付くことはない。
それからしばらく。ようやくさゆるの中で、思考と認知機能に余裕が浮かんだ。
部屋は、この半年で一際の荒れぶりを見せていた。
ベッド脇の床には、眠る前に脱ぎ捨てたさゆるの衣類と下着が放り出され。
落ちるように投げられたのであろう、床に散らばる複数のピルケースには、蓋が開き避妊薬や睡眠薬が零れ落ちて。
挙げ句にキャップの封が曖昧だった飲み掛けのペットボトルからは、中身のミネラルウォーターが零れ、小さな水たまりを作っていた。
凄惨だが、これがさゆるの心に許容された限界だった。
「……」
過去、陽光に見向きもされなかったさゆるを、月光が照らす。
さゆるが叔父と思ってきた
実の父を殺した、実兄と共に穴を掘ったあの日
も、このような煌々と月の照らす晩であっただろうか。
あの日の、機械よりも冷静な兄──何もさざ波を浮かべない藍人の瞳に。さゆるは恋を抱いた──否『愛に落ちた』。
数年が経ち、藍人と再会したさゆるは、文字通りその愛に落ちた行為を交わし合った。それこそ『恋』などという言葉に付け入る隙も与えない程の、凄惨さを伴って。
互いに与え合う痛みは実感。痛覚こそが、嘘をつかない確かな感覚。
胸の圧迫、喉の窒息。酸素不足で今にも落ちそうな意識は、本当に僅かな絶頂への梯子道。
──『獣のような』なんて、それこそなんて生易しい──
……感情のままに拳を振るい落とし、愛しさのままに絡ませた手指に力を込め合う。
そのような最中に見せる実の兄の瞳が、さゆるには一際、恍惚とする程に愛しく思われた。それこそ、更なる欲情を重ね、血をまみえる行為をさらに肯定させる程に。
それこそが、悪夢に崩壊した月光以外で、さゆるを照らす唯一の光だったのに。
今、彼女を照らしてくれる光はいない。
そうして、一人重ねた夜の中。ベッドの下にはいつからか、銀に煌めく
夢を重ねた想いの形
が眠っている──
さゆるは信じている。
彼もきっと、最後にはこうしてくれるに違いない、そう疑わない。そう信じている。
だが、それが彼女の狂気の産物である側面を、今さゆるは直視していた。
本当に、本当に愛している。ただ、
「藍人……あなたに逢いたい……でも……戻っては駄目……
あたしはきっと……いいえ、必ず……」
俯き、その肩が震えた。
頬から悲しみの滴が落ちたのに、口許には……深い微笑が。
藍人に逢いたい、逢えたなら……「おかえり」と愛の嘘を重ねて迎えたい。
この──壊れんばかりの愛おしさから、この溢れんばかりの殺意をもって──
それが。さゆるの、心からの愛のゆめ──
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月07日
参加申し込みの期限
2018年06月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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