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寝子島高校
夜の静寂と共に
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【日常はかくも優しく】
集中力を妨げない、無音で回る時計の針が夕食を終えた午後八時半を指し示す。
八神 修
がいつもと変わらない時間を供に、机に並べられた参考書の中から数冊を選んで勉強机の上に置いた。
もう、寝子高の二年生としても六月半ばとなった。勉強を生業とし、それをこよなく好む修は、高校の履修課程は今年の夏までに身に付けると決めていた。
現在は、そのスケジュールを逆算し、それに則って勉学を進めている。
季節は既に六月を指し示し、今の自習過程は既に高校履修課程の仕上げにまで及んでいる。
そのたゆまぬ努力を苦とすることもなく、修は今日も温かな部屋の電灯と学習机の灯り供に勉強を開始した。
しかし、先程まで遊んでもらっていたからか、もっと構って欲しいと、勉強を始めてしばらく、猫のブラックが伸びをするように修の肩へと伸び、もたれ掛かるように寝そべった。
「はは、さっそくか。……少しだけだぞ」
いつでも、猫は気ままな生き物。それを良く知る修は、それをないがしろにはしない。軽く頭をくすぐるように撫でて、その毛並みを大きく撫でれば満足げにブラックは足元に降りた。
対照的なのは、先程までブラッシングしてもらいご機嫌だったカーキーだ。こちらは先程まで構ってもらった喜びを携えながらも、今は修の座る椅子の足元で、勉強の邪魔をしないようにおもちゃのボールを齧っている。
そして、修はそれらを愛しく思いながら、小さく心に満ちる思いを傍らに、開始早々に中断となった勉強を再開した。
時計の針も音を立てない。電灯を全て消せば夜が一瞬に部屋を占拠するであろうその空間で、闇は音を呑み込む何もないその正体を、窓の際にまで張り付かせているかのようだった。
電灯によって明るいだけで、それ以外の全ては夜に支配された静寂の空間。修は、それすらも供にして、一人黙々と勉強を進めていく。
教科書は、とうの昔に暗記も含めて全て読破済みだ。今は、参考書を捲る音と紙の上を滑る筆記具の音だけが、黙々とした作業の中で綴られ、積み重ねられていく──
そして──ふと、集中が途切れた。
今までに試した、効率の良い休憩を入れての勉強法の中。修の意識は、自然と身についたタイミングで集中から弾き出された。
意図している訳はないが、それは繰り返される学習の中で、完全に習慣として身についてしまった休憩時間とも言えた。
修は、自然と集中することで浅くなっていた呼吸を整え、大きな深呼吸を置く。
軽く伸びをしてから、肩を降ろして。何気なく目に留まったのは、机を彩るひとつの写真立てだった。
飾られているのは、大好きな、告白を断られても尚も愛しい人──
七夜 あおい
と一緒に撮った写真。
「(あおいも今頃勉強しているのかな……)」
今は届かぬ言葉にそっと想いを寄せれば、彼女の微笑みが見えた気がした。
「(頑張ろうな)」
それは、写真立て越しであっても十分。心で語り掛ければ、それだけで修の心に元気が湧いた。
勉強は長時間張り付いても却って効率が悪くなる。
再び、修の集中が僅かに途切れる。そのまま、次の休息を手元の時計で確認するのと、時計が指し示した次の休息時間はほぼ同時だった。
修は、勉強にはメリハリを重視する。この休憩時間では息抜きとして何をしようかと考えるのも休憩の一環だった。
いつもリフレッシュの為に使用する、筋トレ用の道具とランニングマシーンは地下室。
防音設備が整っている星ヶ丘ならば、バイオリンやピアノなどを弾くのも悪くない……
立ち上がりながら思案に入れた、修の思考がそこまで至ったところで、不意に携帯のバイブレーションが鳴った。
机に伏せていた携帯を開けば、そこには一通のアプリ通知。
名前は『七夜あおい』──
「──!」
修は、即座に椅子に座り直して、アプリを開く。
そこには、
『修君、あのね。
今日は、いつも修君にお世話になりっぱなしだから、何かお礼できたらいいなって、思ったんだけども──』
携帯の表示画面に、ポンと手作りである事が分かるお菓子の写真が添えられた。
『それで、お菓子作ってみたんだけど……うーん、味また失敗しちゃったみたい……』
そこには携帯越しにでも、あおいのしょんぼりする様子が伝わって来るようで、修はとっさに『美味しそう』のスタンプを送り込んだ。そして即座に文字を入れる。
『明日で良いから食べたいなぁ』
あおいの料理の腕は、惨事である。だが、修の想いはそれを凌駕するし、他に手料理を食べるライバルが減るのならば、むしろそれは何よりも喜ばしいことだ。
ましてや、あおいの可愛らしい手作りのお菓子が製造された切っ掛けが、自分の為と言われて、食べない存在がこの地球上の何処にいるというのか。
『本当っ?☆ それじゃあ明日持っていくね!』
本当に嬉しそうな返事が返ってくる。
それが全部こちらへと向けられている事が、修にはこの上なく幸せなことに思えた。
『そういえば、修君は今なにをしてたの?』
『俺? 勉強中だよ』
『うん、そうじゃないかなって思ったっ☆』
『ははは、バレバレかあ』
僅かな言葉のやりとりなのに、それはどうしようもなく嬉しくて。
修はそのまま勉強を終えた後、ずっと大人しく待っていたカーキーと、その喜びを共有するように存分に戯れてから。
規則正しくいつもの入浴時間と合わせて、零時前にベッドへ入った。
それは夜の出来事でありながら、まるで陽光の温かさを携えているかのようで。
こうして、明日も同じように過ごせる願いを掛けながら、修は心に満ちる幸せな想いと共に、今日もその胸を充足に満たして眠りについた。
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あとがき
担当マスター:
冬眠
ファンレターはマスターページから!
参加者の皆様、最後までご覧頂きました皆様、誠に有難うございます。この度マスターをつとめさせていただきました冬眠と申します。
この度は過去に出させて頂きましたシナリオ『日の瞬きと共に』の対に近い物を出させていただこうと思いまして『朝・昼という太陽のない時間の皆様』を執筆させていただきました。
こちらのようなシナリオを出させていただく際には、いつにも増して胸を高鳴らせ、皆様のアクションをお待ちしているのですが、今回は本当に想定していなかった範囲で、様々なアクションの数々をお預かりすることが出来まして、大変嬉しく思われました。
事情により個別コメントを書く事が侭なりませんでしたが、ご参加いただけました皆様の、それぞれの大切なお時間を教えていただいた上に、さらにそれを執筆させていただけました事は、本当に光栄に思われます。改めまして、誠に有難うございました。
それでは、この度はご参加くださいました皆様、本当に有難うございました。
ご縁ご機会がございましたら、またお目にかかれますことを願いまして。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月07日
参加申し込みの期限
2018年06月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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