this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
夜の静寂と共に
<< もどる
1
2
3
4
5
…
8
つぎへ >>
【相棒は半獣の美女なれば】
そこには荒々しい埃と、鼻をくすぐるエンジンオイルの香りが広がっていた。
眼前に広がるは一面の闇。だが
七峯 亨
はそれに臆することなく、むしろ胸に沸く微かな悦びを共にしてリモコンのボタンに手を掛けた。
瞬間、目を刺すように照らし出されたスポットライトの輝きに、亨は目を細めながら歩みを進める。
そして、もっとも光を引き付け集める場所において、亨はゆったりとその足を止めた。
ここは亨がシェアハウスをしているガレージ。広々とした屋内にはあちこちに整備用のパーツなどが置かれている。
その光景は全て『その存在』の為にある、さながら鉄の厩を彷彿とさせた。
「──よう」
立ち止まったその中央、そこは僅かにオレンジに染まった照明の集まる一番輝ける場所。
亨が声を掛けたその先で、それはずっと声の主を待ちかねていたかのように存在していた。
無駄の一切を廃したデザイン、ボディから受けるその重量感。
そこにはまさに一匹の獣を思わせる、一台のヴィンテージバイク。
「渋くも主役の風格ばっちり、ってトコだな。さ、メイクの時間だぜ」
空も晴れ渡るツーリングの前夜、日付が変わるニ時間前。そんな月の美しい晩にやることは一つしかない。
時代が残した遺産とまで言われるこのヴィンテージバイクは、亨の相棒にしてツーリングを共にする一張羅。
艶のある黒塗りのボディに、取り付けられたフェンダープレートには『773N-RY』と記された所有の証。
エンジン部とホイールに湛える、クロームシルバーの透明感のある輝き。指を滑らせれば柔らかさはないはずなのに、しっとりと指に沿う黒革のシート。どれも、亨の心を注ぐに相応しい存在だ。
それが、まるで月光の袂で主の手入れを待つかのように佇んでいる。亨はそれに充足を感じながら、整備用の工具を手に取って、その愛機の傍へと膝を落とした。
常日頃から、亨はこのバイクの手入れを欠かしたことはない。しかし、それでも時間が経つにつれ、金属部分などのくすみ等はどうしても発生してしまう。
──『厚化粧』と称するに相応しいアメリカンスタイルの大御所ほどではないが、今、亨の目の前にある美獣も、しっかりとその毛並みを整え爪に牙を磨いてやらなくてはならない。
「注文の多いヤツだが、それが良い」
亨は愉悦に等しい胸に満ちる感覚に、唇の端に隠さない微笑を浮かべた。
今日は、大型の整備を行う訳ではない。それでも、亨が手を掛けるのは、唯一無二の存在への愛情そのものと言っても差し支えはないであろう。
一部のエンジンパーツを外して、金属部位のメッキを剥がしてしまうことのないように、柔らかな布にコンパウンドを付けて手磨きをする。
決して乱暴に擦り上げることはしない。それはまるで、美女の髪を手ぐしで撫でるような丁寧さで。
そうして磨き上げれば、手の中のパーツは煌々と振り落ちるガレージの照明を乱反射して光り輝いた。
「噴かし焦がせばハードボイルドなナイスミドル、磨けば妖しく輝くファム・ファタール……なんて乗せられたもんだが」
メッキパーツを磨き終えて組み直す。その銀の艶めきは、まるで完全に手入れの行き届いた演奏会上の管楽器を思わせた。
その金属としては最上級の煌めきを伴う姿に、まだ一部でありながらも亨は満足げにそれを目に留める。
──これは、それは男としての性であろう。
例えられし、ハードボイルドなナイスミドルを伴うよりは、
「跨り侍らすなら断然、美女の方が良いよな」
それはもう『どこまでも、破滅に誘われても良いと思える運命の女』を添わせた方が、当然胸が滾るに決まっている──
最後に、艶やかなボディをまるで動物の毛並みを整えるように優しく拭き撫でれば、寄り添う獣はそれに応えるように、その身体で光を弾いた。
──それはガレージに届いた、日付変更を告げる時計の鐘の音とほぼ同時。
いつものことながら、この存在の手入れは時間を忘れる。亨は時計の音と共に顔を上げた。
整備道具を片付けて、磨きを終えた愛機の手綱に軽く指を乗せる。伝わる金属の冷たさにも、充足感に心が満ちた。
時間はまだある。
こうして黒曜色の美女として、光を反射する一際の美しさを取り戻した姿を見れば、跨がり駆けずに夜明けを迎えるなどあまりにも勿体ないというものだ。
「ガラスの羽衣を着た美女、その肢体は黒鋼で、心は獰猛な獣」
自分の愛馬を愛しさと共に称え、亨は完全に手入れを終えたヴィンテージバイクに跨がると、リモコンでガレージの照明を落としシャッターを開けた。
灯りの殆どが黒に塗り潰された、月明かりが一際眩しい闇が襲う静寂の夜。
亨の漆黒の相棒は、灯りが落ちた瞬間にはその闇すら呑み込んでいたが、今度はシャッターが開かれるにつれ、光り差し込んでくる月光をホイールの牙で鋭く喰らうように反射させていた。
エンジンを低音で唸らせ、ライトを付ける。
そこに舞台に立つが如く現れたのは、亨という選ばれし者以外は乗せることのない高貴な従。麗しの黒の毛並みを纏ったライカンスロープの美女。
亨が手綱を捻れば、夜の闇よりも遙かに深い黒の獣が、大きく開かれし黄金の瞳の光を己の身に反射させて一際に輝いた。
「──主役にしても贅沢だが、それが良い」
亨の言葉に、美しき獣が咆哮を上げた。
今日も、闇を切り開く鋭い牙の輝きと共に、亨は留まることを知らぬ風を纏って、夜の静寂を駆け抜けた──
<< もどる
1
2
3
4
5
…
8
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
夜の静寂と共に
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月07日
参加申し込みの期限
2018年06月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!