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海と歌とキャンプと
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五月晴れの朝の空に賑やかに華やかに音楽が響き渡っている。
弾む胸のまま、えへへと笑みが零れて落ちて、
工藤 歩夢
は苺色した瞳を照れたような笑みに細めた。
いいお天気の今日は、楽しいイベントにお出掛け。ステージから広場いっぱいに響く音楽も、ステージまで続く色んな屋台も、否応なく胸をわくわくさせてくれる。
この日のために、新しい服も用意した。楽しむ準備は万端だ。
それに何より、今日は隣に友達がいる。
「タッちゃん」
すぐ隣を歩いているはずの友達を向いて、
「……あれ、タッちゃん?」
見つけられずにぐるりと周囲を見回してから、少し離れた後ろに
タイラ・トラントゥール
の姿を見つけた。
「どうしたの?」
開幕時間を少し回って、入場門にほど近いここは多少人込みも減っている。それでもうっかりすればはぐれてしまいかねないほどには人も多い。
「迷子になっちゃうよ?」
一学年下のタイラにお兄さんぶって手を伸ばそうとして、
「くっ……」
何だか困ったように後退られてしまった。
「タッちゃん?」
「歩夢は」
男の子同士で手を繋ぐのが嫌だったかなと首を傾げる歩夢は、白地にピンクのセーラー襟に同色のベレー帽という恰好も相まって、いつも以上に少女じみている。歩夢本人から男であると何度となく聞かされているタイラから見ても、どれだけ男だと言い聞かせながら見ても、歩夢は女子にしか見えない。
ともすれば、本人の言が嘘なのではないかと思ってしまう。
「歩夢は男じゃなかったか?」
タイラから服装をまじまじと眺められた歩夢は、弾けるように笑った。男だよ、と言いながら、その場でくるりと回って見せる。
「この服、かわいいでしょっ」
「いや、確かに可愛らしくはあるが……」
「お店がいっぱいだね、タッちゃん!」
うわあ、と少女めいた高い声を上げ、歩夢は飛び跳ねる勢いで駆けだす。ライブを観る前に、お店を全部見て回ろう。
「タッちゃん、早く早くー!」
「あっ、おい、はぐれるぞっ」
「あっ、あれかわいいーっ!」
生花のワンコインプチブーケに手作りぬいぐるみ、可愛いものと見ればすぐ突撃! とばかりに駆けて行ってしまう歩夢に振り回されながら、タイラはタイラなりに賑やかな屋台の通りを楽しむ。生まれ育ったフランスには見られなかった屋台のかたちもたくさんある。流れてくる音楽の中には、太鼓や三味線、日本ならではの音楽もたくさんある。
「タッちゃん、あれ! カプギアのパーツ!」
「ギアのパーツもあるのか」
呼ばれるままに足を向け、天幕ブース一杯に並べられたカプセルギアのガチャガチャ機械を覗き込む。
「ラズエル、ほら」
歩夢は鞄の中から取り出した自分のカプセルギアと一緒になってにらめっこをする。
「良い物があたると良いな」
「えへへー」
買い物好きの本領発揮とばかり、歩夢は狙いを定めた機械に何度か硬貨を投入する。手に入れたギアは今ここで中身を見てみたくもあるけれど、ぐっと我慢して家に持ち帰ろう。今は他にも買いたいものがいっぱいある。
苺色の花を詰めたハーバリウム、色とりどりのトンボ玉、初夏の風に透き通った音を流す風鈴、鮮やかな色の香炉、異国情緒溢れる硝子のランプ。目を引かれた一々に立ち止まり、可愛い可愛いと繰り返す。気に入ったものを買い込むことを繰り返すうち、あっという間に歩夢の両手は買い物袋で塞がった。
「そんなに買って大丈夫なのか」
自分よりも華奢に見える腕に重たそうな袋が食い込むのを見てはいられず、さりげなくひとつふたつ奪って持ってやりながら、人込みの流れから庇いながら、タイラは心配げに眉を寄せる。
「ちゃ、ちゃんとお財布と相談してるよ!」
歩夢は一瞬ぎくりとしつつ、次の瞬間には風に乗って流れてくる串焼きの匂いに小さな鼻をひくつかせる。可愛いものばかりに気を取られていたけれど、見回せばクレープにタピオカドリンク、クッキーにケーキに、美味しそうなもののお店もたくさん並んでいる。
「ぼく、甘いもの食べたいなぁ」
買い物するうちに減って来たお腹を抑え、思わずぽつりと零す。タイラは少し笑ったようだった。
「少し休むか」
屋台の並びから少し離れた芝生の上、歩夢はタイラにエスコートされるままに腰を下ろす。
「先程良いものを見かけたぞ。歩夢はそこで待っていろ」
「……え、」
「ボクが買ってくる」
「いいから座って待っていろ!」
それならぼくも、と再度立ち上がりかけて、タイラの少し怖いような瞳に押さえつけられた。ぺたり、芝生の上に座り込む。
「えー、ぼく大丈夫だよ?」
上目遣いに見上げても、タイラは何だか少し怒ったような瞳で屋台の並びを見つめている。目星をつけた屋台は人気なのか、他よりも少し混み合っている。
「歩夢では押し潰されそうだ」
「む~……」
しばらく黙り込んでから、歩夢は大人しく頷いた。分かった、待ってる、と人込みに消えて行くタイラの背中を見送りながら、次は自分が買いに行こうと内心で決める。
数分後に戻って来たタイラの手には、ブルーベリーのクレープとアップルパイがあった。
「好きな方を選べ」
優しい仕草で両方を差し出され、歩夢は苺色の瞳をぱちぱちさせる。ありがと、と小さな声で言って、選んだのは生クリームたっぷりのクレープ。
「タッちゃん、何だか優しいね」
さくりとしたクレープ生地の中から現れるふわふわの生クリームとブルーベリーの甘酸っぱさに綻ぶ口元、白いクリームがついているのを見つけて、タイラは自分のハンカチを黙って差し出した。
「あっ」
友達のハンカチを汚してしまうのも悪い気がして、歩夢は自分のハンカチで口元を拭う。タイラが優しいのはいつものことではあるけれど、今日はいつもより行動に出ている気がする。何といえばいいのか、
「……紳士?」
「なっ……」
「ぼくが女の子だったらドキドキしちゃうかも!」
無邪気な笑顔で言われ、タイラはどぎまぎする。無意識のうちに、歩夢を女性として扱ってしまっていた。
「こ、これは歩夢が頼りないから仕方なく、だな……」
(ボクはなにをしているんだ)
言い訳しながらも気づいている。時々、歩夢が男だということを忘れそうになる。
(無碍に出来ないのは歩夢の見た目のせいだ!)
油断していなくとも、白い頬やきらきらと光る瞳や細い手足が女の子に見えてしまう。それを全部歩夢のせいにして、タイラは手にしたアップルパイにかじりつく。
黙り込むタイラを見つめていて、歩夢はふと思い至った。タイラはまた、自分のことを女子だと思い込もうとしているのかもしれない。
「もうっ」
ぷっと頬を膨らませ、歩夢はカプセルギアのラズエルを取り出す。
「つっついちゃうぞー!」
「こら、やめろ」
「いいなぁ、可愛いカップルだなぁ……!」
ラズエルに肩やら背中やらを突かれて怒ろうとしたところで、不意に背後から聞こえた声に、タイラは顔を強張らせた。隣では自分を男だと信じる歩夢も不機嫌な目をしてむぷーと頬を膨らませている。
「……ぼく、タッちゃんよりお兄ちゃんだもん」
むくれる歩夢とほとんど同時に振り向けば、赤毛に栗色の瞳をした高校生くらいの男の人が眩しそうにこちらを眺めていた。
「ち、違うぞ! ボク達はそんな関係じゃない!」
タイラは力いっぱい声を上げる。
「またまた、照れなくとも大丈夫だよ」
「これはけして照れているわけではなくてだなっ!」
賑やかに騒ぐ少年ふたりを、仔猫を愛でるようなまなざしで見つめて後、
ロベルト・エメリヤノフ
は『ねこじまキャンプ』のイベント真っ最中な広場を見渡す。
「バンドやってるとは聞いてたけど……」
元親友、という微妙な立ち位置にある
千種 智也
に声を掛けられ、智也が誘うのならと指定された海浜公園まで来てみて、正直驚いた。
広場が露店と人込みで埋まっている。海を臨むステージとその客席は、思っていたものより数倍広い。それに少し外れた場所には色とりどりのテントが立ち並ぶキャンプサイトも用意されている。
(すごい規模だなぁ……!)
ここに来るまでは、もう少し小さな規模のイベントだと思っていた。
(こう、もうちょっと小さなハコでやると思ってたよ)
広場の入り口で貰って来たパンフレットを広げる。元親友の出演時間は夜ではあるものの、見れば知り合いの名前もちらほらと見かける。
(……楽しみ!)
音楽は楽しい。それに、出演者の中にはロベルトが目を付けている飛び切りの美少年だって居る。
わくわくと弾みかけた胸は、
――『月下美人』
パンフレットに記された元親友が所属するバンドの名前を見た途端に音たてて萎んだ。
(千種、前の人とは全然違う人とやってるみたいだけど……)
元親友として、気になるところではあった。
(……どうしたんだろ?)
素はともかく、智也は人当たりはいい。少なくともそう振る舞おうとしている。
『明るい、普通の青少年』。
元親友は、たぶんそう在ろうとし続けている。そうではない自分をもう親友ではないとするくらいには、がんばってそう在ろうとしている。
(うーん……)
明るく賑やかな広場をひとり歩きつつ、ロベルトは紅い睫毛を瞬かせる。
(千種、元々そういうところがあるしな……)
元親友であるからこそ、分かる。いい加減な振りをしながら、その実智也はとてもストイックなところがある。
そういうところが、他の人を受け入れられないのかもしれない。
そういうところが、他の人には分かって貰えないのかもしれない。
難しい顔になりかけて、ロベルトはぐいと空を仰ぐ。
(まあいいや)
考えても仕方がない。考えることを投げ捨てて、ロベルトは知り合いの出番が来るまで屋台を見て回ることに決める。
ローストビーフ丼に寝子牛カレー、唐揚げにドネルケバブ。色んな屋台飯に、
(のびるアイス!)
キッチンカーで繰り広げられるトルコアイスの特性を活かした店員のパフォーマンスに目を瞠って後、
「……おっ」
ロベルトの視線は、小さな露店に並べられる薔薇をモチーフにしたアクセサリーに惹きつけられた。
そう言えばさっきの美少年二人連れはどこに行ったのだろう。凛とした少し高飛車そうな感じが堪らない金髪の美少年に、少女とも見紛いそうな、けれど本人はそうとは決して思っていなさそうな感じがやっぱり堪らない毛先が桜色した亜麻色の髪の美少年。
(こういうの、美少年にプレゼントしたら喜ぶかなー)
指先ほどの青薔薇のブローチを掌に乗せ、ロベルトは淡く微笑む。
(よし、買って行こう)
まだ見ぬ美少年のためとあらば、財布の紐も緩むというもの。あっさりと購入を決め、アクセサリーの対価を払う。早速プレゼントする相手をナンパしたいところではあるけれど、
(……千種に怒られそうだしな)
ここはステージに近すぎる。近くで出演準備に取り掛かっているだろう智也に万一にでも見つかれば、きっとまたきつく怒られてしまう。
(もしやるなら千種の居ない間にしよう!)
己の欲望に忠実な企みに耽るロベルトの脇を、緩く編んで両肩から垂らした栗色の髪を軽い足取りに合わせてふわふわと揺らし、
時高 クレオ
が通り過ぎる。
(こんな海の近くで音楽祭なんて、なんだかもう夏って感じね!)
中学校の近くの商店に貼りだされていた『ねこじまキャンプ1370』のポスターに惹かれるまま、初夏の陽気に誘われるまま、ちょっぴりお洒落をしてきて良かった。髪と同じ色したくるりとした瞳で青空を仰ぎ、クレオはご機嫌に唇を笑ませる。
海を臨むステージに続く大きな道は、左右を様々な屋台が埋めている。フライドポテトに唐揚げにクレープに、プチブーケにハーバリウムにハンドメイドアクセサリー。
(音楽だけを楽しもうと思ってたのに)
屋台では何も買わずに済ませようと思っていたのに。
向かいの寝子牛串焼きの屋台から、ぶわり、焼肉の匂いを纏った煙が押し寄せる。
「やはり串焼きっ……」
スタッフの腕章をつけた通りがかりの明るい茶色の髪の女性が思わずといった風に呻いた。ゴクリ、と喉を上下させる音さえ聞いた気がして、クレオの視線も思わず串焼き屋台に引き寄せられる。
バイトスタッフとして飲み物買い出しに派遣されながらも、めぼしい屋台のチェックも兼ねていた
後木 真央
は、同じように串焼き屋台に目を奪われるクレオに人懐っこく笑いかけた。
「……匂いの破壊力半端ないのだ」
「そう、ね……」
少し年上らしい真央に同意を示してしまえば、もう我慢がならなくなった。
(ああ! だめ!)
育ち盛りの女子を暴力的なまでに惹きつける串焼きの匂いに抗えず、クレオは屋台にダッシュする。
「すみません、串焼きくださいー!」
「あっ、ああっ……」
何のしがらみもなく串焼きを買うクレオに、真央は切ない声をあげた。
「くっ、……くううっ!」
唇を噛みしめ、真央はその場から踵を返す。お腹が不満の声を轟轟と上げているけれど、今はバイト中。
(終わったら、終わったら串焼き唐揚げフライドポテト焼きそばビッグフランクアップルパイ……!)
内心に喚きながら駆け去る真央の背中を不思議そうに眺めながら、クレオは寝子牛串焼きをひとくちぱくり。口いっぱいに広がる香ばしい匂いと一噛みごとに溢れる熱々の肉汁に顔中で笑う。
食べ物を買ったからには飲み物も買わなくては、と目についた『マジカルハロウィーン』の店名がある屋台へ足を向けようとして、
(え、ええっ)
その屋台の手前にある花をモチーフにしたハンドメイドアクセサリーのブースで思わず足を止めた。季節の花を閉じ込めた透明硝子珠は、その場でネックレスやピアスや髪留めに加工してもらえるらしい。
(とってもオシャレだわ!)
『クールで大人な女性』に憧れるからこそそう装おうとしている少女は、オシャレなものに滅法弱い。
硝子瓶の中に草花と保存オイルを容れたハーバリウムも同じブースに見つけ、素敵、と目を輝かせる。色とりどりの水中花をインテリアとして部屋にさりげなく飾れば、
(大人っぽいかしら?)
わあっ、とステージの方で一際大きな歓声が上がった。
「ああっと、」
なんだかんだで屋台を思いっきり楽しんでいたことに思い至り、クレオはぱちぱちと瞬きをする。うっかり買い込んでしまったハーバリウムと髪留めを鞄に仕舞い、スカートの裾を五月の風に翻してステージ前の観客スペースへと向かう。
(そろそろライブ観に行かなきゃ!)
昼下がりのこの時間は、――アイドルグループ『CitrusCat's』の一員、未明せれねのソロステージ。
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阿瀬春
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月05日
参加申し込みの期限
2018年03月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月12日 11時00分
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